セメント瓦とは?瓦の種類やメンテナンス方法についてご紹介します
更新日 : 2021年10月13日
更新日 : 2021年10月13日
現在の屋根で一般的に使用されている屋根材といえばスレートではないでしょうか。また、スレートが一般的とされる前、古くから使用されている屋根材は瓦です。瓦といっても瓦にも様々な種類があるのをご存知でしょうか。瓦の種類によってメンテナンス方法も異なってきます。そこで本日は瓦の種類とその中のセメント瓦についてご紹介をしていきたいと思います。
こちらの記事はおおよそ5分で読むことができます。
瓦の種類
和瓦
日本瓦とも呼ばれている和瓦は粘度を使用し焼き上げています。釉薬を使用し表面をコーティングした瓦で無釉薬の素焼き瓦の2種類に大きく分かれます。産出している地方によって名前がつけられ、使用する粘土や焼成温度によって特徴が異なったりするのです。和瓦の中でも有名なのが以下の3つです。
・三州瓦
三州瓦は愛知県西三河地方で産出されています。良質な粘土に恵まれただけでなく物流の利便性が高いため国内シェアのほとんどを占めています。
・石州瓦
島根県の石見地方で生産されています。三州瓦よりも薄くて軽いのが特徴です。出雲地方の来待石を釉薬に使用することで独特な赤褐色色をしており赤瓦とも呼ばれています。
・淡路瓦
兵庫県淡路地方で生産されている淡路瓦は粒子が細かいなめ土を使用しており。銀色の見た目が特徴です。通気性、耐火性、耐久性に優れており特にいぶし瓦の生産量は全国一を誇ります。
洋瓦
一般的には海外のお住まいで使用されているような瓦です。洋瓦は和風住宅で見慣れている形状とは異なり大きく分けて2種類あります。
・S字瓦
S字瓦は和瓦よりも丸みを帯びており、洋風のお住まいにマッチするようなかわいらしいデザインです。カラーバリエーションも豊富でオレンジが多いです。数枚の洋瓦を混ぜ合わせながら葺く混ぜ葺きもあります。
・平板瓦
平板瓦は名前の通り屋根面がフラットに仕上がっていてシャープな印象を与えてくれます。太陽光パネルの設置が容易なポイントも人気な理由です。
セメント瓦と乾式コンクリート瓦
粘土瓦に変わって一時期流行した瓦にセメント瓦と乾式コンクリート互があるのをご存知でしょうか。これはそれぞれセメント、コンクリートを使用して成型した瓦です。焼きムラなどがないため、重宝されると言われておりました。
吸水性が高いセメント、コンクリートを主な原料としているセメント瓦とコンクリート互は塗装によるメンテナンスが必要となります。またセメントやコンクリートを使用しているため瓦一枚の重量が重いというデメリットがあり、一般的な粘土瓦と比較すると劣ってしまいます。そのため現在では生産されておらず、また使用しているお住まいもほとんど見当たらなくなってしまいました。セメント瓦や乾式コンクリート瓦を使用されているお住まいはおそらく40年ほど前に建てられたお住まいがほとんどかと思います。雨漏りを引き起こしていない限りは塗装によるメンテナンスが可能ですが、下地の劣化や防水紙の劣化が疑わしい場合は屋根葺き替え工事を行うことがおすすめです。
また、上記でご説明したようにセメント瓦、コンクリート互は一般的な屋根材と比較しても屋根材の重量がとても重く耐震性がありません。そのため、屋根葺き替え工事で軽い屋根材に葺き替えることがおすすめです。
セメント瓦と乾式コンクリート瓦のメンテナンス
基本的にセメント瓦と乾式コンクリート瓦も和瓦や洋瓦にように、瓦のずれや割れ、棟部分の補修は定期的に点検とメンテナンスを行うことが必要です。またそれ以外に必要なのが屋根塗装です。上記でご紹介したように吸水性のあるセメントやコンクリートが主成分の為定期的な塗装を行う必要があります。また現在ではほとんど廃盤のため割れてしまった瓦の部分交換などは材料が見つからず苦労する場合もあります。同等の代替品があれば補修可能ですが、どうしてもない場合は板金での応急処置や屋根葺き替え工事の提案となります。
また、塗装によるメンテナンスを行う場合は注意しなくてはいけない点があります。それはスラリー層がある瓦なのかを確認することです。表面塗膜を劣化しにくくするための工夫であるスリラー層は塗料が密着しにくく、塗装方法を誤るとすぐに塗膜が剥がれてしまいます。簡単な見分け方は小口が平らで綺麗かゴツゴツと凹凸のあるものなのかで確認できます。セメント瓦の場合は小口がなめらかになっており、乾式コンクリートの場合は小口が凸凹しています。
乾式コンクリート瓦を塗装する場合はスリラー層の除去を徹底的に行い乾式コンクリート専用の下塗り塗料を使用する必要があります。
セメント瓦と乾式コンクリート瓦の塗装
セメント瓦の塗装方法
①高圧洗浄
高圧洗浄機を使用して、セメント瓦に付着した汚れや苔、カビなどを落とします。
②下塗り
セメント瓦の表面がザラザラしている場合はフィラー、そうでない場合はシーラーで下塗りを行います。フィラーには表面を平らにする効果、シーラーはこれから塗る塗料とセメント瓦を密着させる効果があります。フィラーを塗ってもざらつきがある場合はフィラーを重ね塗りします。
③塗装
塗料を二度塗りして乾燥したら、セメント瓦の塗装完了です。
乾式コンクリート瓦
乾式コンクリート瓦には、上記でご説明した通り「スラリー層」があります。このスラリー層を取り除かないと、塗装をしてもすぐに剥がれてしまいます。そのため乾式コンクリート瓦では入念な高圧洗浄を行い、スラリー強化プライマーを塗ってスラリー層を強化させます。
①高圧洗浄
スラリー層を十分に洗い流します。
②スラリー強化プライマーで下塗り
下塗り後、ガムテープでスラリー層の粘着テストを行い、スラリー層がガムテープに付着しないことを確認します。スラリー層がガムテープに付着するようであれば、再度プライマーを塗ってテストを行います。
③塗装
セメント瓦同様、塗料を重ね塗りします。
セメント瓦屋根の葺き替え工事にオススメな屋根材
セメント瓦や乾式コンクリート瓦のメンテナンスについてご紹介いたしましたが、葺き替え工事で屋根材を一新させたい場合、どのような候補があるのでしょうか。重量のあるセメント瓦や乾式コンクリート瓦を変更する場合には、やはり耐震性を向上できる軽量な屋根材に注目することがオススメです。
・金属屋根材
現在の日本において、最も使用されているのが金属屋根材です。軽量であることが大きな特徴の金属屋根材はセメント瓦だけではなく、和瓦や洋瓦の葺き替えにも選ばれることが多いです。スレート屋根にカバー工事を施工する際にも耐震性を向上させるため、スーパーガルテクトなどの軽量で高耐久な金属屋根材がよく選択肢として挙げられます。
以前までは雨音が響いたり熱を持ちやすいといったデメリットがありましたが、近年の開発によって製造されている金属屋根材は遮音性や断熱性能に優れたものも多いです。
(スーパーガルテクトについてはこちら。)
・割れにくく、軽量な瓦
重量が気になっても、瓦を屋根材として選びたいという方もいらっしゃるかと思います。そこでオススメなのが、軽量な瓦として注目を集めている「ROOGA(ルーガ)」です。ルーガは従来の陶器瓦より半分以下の重量であり、屋根を軽量化することで耐震性を向上することが可能な瓦です。セメント瓦と同様に塗装は必要になりますが、対候性が高いために次期塗装メンテナンスまでの期間が長いことも大きな特徴です。
さらに、ルーガは繊維素材によって強い衝撃を吸収することができ、欠けたとしても破片の飛び散りを防ぐ構造をしています。やはり瓦屋根の家に住みたいとお考えの方は、ぜひルーガでの葺き替え工事をご検討ください。
(ROOGA(ルーガ)についてはこちら。)
まとめ
いかがでしたでしょうか。本日は瓦の種類、セメント瓦と乾式コンクリート互についてやメンテンナンス方法についてご紹介いたしました。
現在ではほとんど廃盤とされているセメント瓦、乾式コンクリート瓦。もしもメンテナンスをお考えの方は屋根の葺き替え工事も視野にいれてみてはどうでしょうか。
街の屋根やさん千葉では屋根葺き替え工事も承っております。点検やお見積り、ご相談は無料で行っておりますのでお気軽にご相談ください。
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