屋根工事の点検商法に要注意!急増中の詐欺手口とトラブル対策
更新日 : 2024年08月20日
更新日 : 2024年08月20日
無料点検と称して、依頼をしていないのに突然訪問してきたリフォーム会社の営業者が屋根の点検や修理工事を提案してくるケースがあります。
もしかすると、不安を煽って不要な工事を行おうとする「点検商法」かもしれません。
点検商法は主に60代以上の高齢者を標的にした詐欺行為であり、近年急速に増加しているため警視庁もホームページで注意を呼びかけています。
突然の訪問において「近隣で工事をしていて、屋根の板金が浮いているのが見えたので」のような切り出し方をされると、本当にそうかもしれないと不安になってしまいますよね。
一人暮らしの高齢者や築年数が長い物件にお住まいの方は特に狙われやすい傾向にありますので、このページでは実際の被害例を交えながら確実に点検商法に引っかからないための方法をご紹介したいと思います。
→ご相談メールフォーム
近年、「屋根の点検商法」に関する相談が消費生活センターに多く寄せられています。
それほどお住いのリフォームを利用した詐欺被害やトラブルが後を絶たなくなってきているのです。
全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)によると、2022年度の相談件数は2,885件で過去最多を記録。
なんと2018年度の約3倍にも達しています。
2023年度も8月時点で1,346件と非常に多く、今後もさらに増加することが予想されます。
実際に契約をしてしまった人々のうち、60代から80代が8割以上を占めており、特に高齢者が被害に遭いやすいことが分かっています。
点検商法は事前連絡なしで突然訪問してくるため、即座に断るのが難しく、そのまま家に入れてしまったり点検をさせてしまったりすると、強引に契約を迫られる恐れがあります。
勝手に屋根に上がり、わざと屋根を壊して写真を撮り、「このままだと雨漏りします」「すぐに修理が必要です」などと不安を煽り、高額な工事契約を結ばせるのが典型的な手口です。
巧みなセールストークと執拗な勧誘によって、一人暮らしの高齢者や築30年以上の古い住宅がターゲットにされやすいのです。
点検商法の相談件数と屋根工事の占める割合
※2023年度は8月31日までのデータ
参考:https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20231011_1.pdf
点検商法が悪質な詐欺行為だと理解していても、多くの人は「自分には関係ない」と考えがちです。
では、点検商法にはどのような手口があるのでしょうか。
特に多くのトラブルや相談が寄せられている「屋根の点検工事」を例に、実際に発生した5つの被害事例をご紹介します。
事例1
相談内容 | 若い男性が業者を名乗り、突然訪問してきました。 「屋根が雨漏りしそうです。今契約すれば、明日の朝から工事を始められます」と早口で説明され、そのまま屋根の修繕工事を契約してしまいました。 翌日、ヘルパーが工事を不審に思い、ケアマネージャーを通じて家族に連絡しましたが、業者は「クーリング・オフしたい」との申し出に応じてくれませんでした。 |
契約金額 | 約 80 万円 約 80 万円 |
事例2
相談内容 | 二人組の業者が突然やって来て、「近所で工事をしているが、あなたの屋根瓦がずれているようなので、写真を撮って確認しましょう」と提案されました。 業者が屋根に上り、瓦の写真を見せ、「このままでは雨漏りが心配です。今なら割引できますので、工事を早く進めたほうがいいです」と勧められて契約しましたが、後からクーリング・オフを希望することになりました。 |
契約金額 | 100 万円 100 万円 |
事例3
相談内容 | 近所で屋根工事をしているという業者が訪ねてきて、「屋根に浮いている部分があります。無料で点検します」と言われ、承諾しました。 業者が屋根に上り、撮影した写真を見せながら「このままでは雨漏りのリスクがあります。早急に修理すべきです」と言われ、そのまま工事を契約しましたが、後に解約を希望することになりました。 |
契約金額 | 200 万円 200 万円 |
事例4
相談内容 | 業者が予告なく訪問し、「近所で屋根工事をしており、屋根瓦がずれているようです。雨漏りはないですか?」と勧誘されました。 最初は断りましたが、後日再び訪問され、スマートフォンで撮影した写真を見せられて、瓦のずれや野地板の腐食を指摘されました。 自宅の屋根かどうか疑わしくなり、他社に見積もりを依頼したところ、相場よりも高額であることが判明し、契約をキャンセルしたいと考えました。 |
契約金額 | 約 250 万円 約 250 万円 |
事例5
相談内容 | 「屋根の無料点検をしています」と訪問してきた業者に屋根の工事を契約しました。 しかし、その後、外壁や屋根裏、床下など様々な不具合を指摘され、次々と契約してしまいました。 半年後、外壁に新たなひび割れを発見し、業者に連絡したところ「都合がつかない」との返答で、それ以降連絡が途絶えてしまいました。 |
契約金額 | 500 万円以上 500 万円以上 |
これらの事例は、存在しない屋根の損傷をでっち上げたり、屋根に上って撮影したとされる写真を見せられたりして、事実だと信じ込み、その結果、業者の言いなりになって契約してしまう点検商法の典型的なケースです。
特に事例5のように、500万円を超える高額な契約をしてしまったケースでは、短期間で複数の高額な契約を結ばせるという、非常に悪質な詐欺手口であると言えるでしょう。
複数の業者から同じ指摘を受けたら?
最近、点検商法の一例として、屋根の不具合を指摘された後、別の日に別の業者が同じ場所を指摘してくるというケースが増えています。
複数の業者に同じことを言われると、「もしかしたら本当かもしれない」と思いがちですが、実はこれらの業者が裏でつながっている可能性があります。
よく使われる点検商法の営業トーク
一度契約を結んでしまうと、業者に目をつけられ、次々と不要な修理や工事を勧められる恐れがあるのが点検商法です。
業者を名乗る人物が突然訪ねてきた際には、決して家に入れず、きっぱりと断ることが重要です。
それでも、屋根が壊れていると写真を見せられ、「早急に対応しないと大変なことになる」と言われると、冷静な判断が難しく、つい契約してしまう気持ちも分かります。
そこで、点検商法に引っかからないために、覚えておきたいよく使われる営業トークを紹介します。
工事のついでに挨拶に来たと言うのは、点検商法でよく使われる常套句です。
私たちのような屋根修理業者が、突然アポなしで挨拶に伺うことは基本的にありません。
この言葉を聞いたら、点検商法を疑って間違いありませんので、その場で断ることが肝心です。
「近隣で工事をしていたところ、屋根が剥がれているのが見えました」というのも、点検商法で頻繁に使われる手口です。
相手の言うことをそのまま信じるべきではありません。驚いて心配になり、無料点検や工事契約を進められることが多いので、注意が必要です。
「屋根瓦がずれていますので、無料で点検します」と言われたら、それは確実に点検商法の一環です。
私たちのような修理業者は、お客様からの相談や依頼があって初めて無料点検に伺います。
突然の訪問で「瓦がずれている」などと言って、無理やり点検や工事を勧めることは絶対にありませんので、覚えておいてください。
修理を急がせたり、必要以上に不安を煽る言葉を使ってくる場合も、点検商法である可能性が高いです。
事前に用意した写真を自宅のものだと偽ったり、故意に屋根材を壊して写真を撮るといった悪質な手口も珍しくありません。
営業や接客の経験がある方なら、無理に売りつける行為が不自然であることはお分かりでしょう。
点検商法は、迷っているお客様を不安にさせ、強引に契約を取ることを目的としています。
「○○しないと××します」「今すぐに○○が必要です」と畳み掛けるように話してくる場合には、特に警戒が必要です。
点検商法の中には、若い職人が「親方に言われて来ました」と話し、後日、本当に「親方」を名乗る人物が登場するという手口もあります。
手口は次第に巧妙化しているため、冷静に考えるとおかしい状況でも、その場では判断が鈍ってしまうことがあるでしょう。
「親方」という言葉が出たら、点検商法を疑い、勇気を持ってきっぱりと断ることが重要です。
契約や支払いを急かすのは、詐欺の典型的な手口です。
点検商法では、わざと高額な見積もりを提示し、割引価格を持ち出してその場での契約を強く勧めてきます。
多くの方にとって、車や住宅のような高価な買い物は慎重に検討するのが普通です。
「割引」という言葉に惑わされそうになったら、冷静に判断することが大切です。
屋根以外の修理や工事を次々に提案してくる場合は、100%点検商法と考えて間違いありません。
業者は巧みな話術で不安を煽り、何とかして契約させようとします。
一度契約してしまうと、ターゲットにされたとみなされ、追加工事を迫られて被害が拡大する恐れがありますので、注意が必要です。
点検商法や悪質なセールスに関する情報はこちらもご覧ください。
「屋根の板金が浮いているようですよ!」というのも、点検商法のよくあるセールストークです。突然の訪問を受けたらどう対処すべきか?実際に板金が浮いていた場合はどうするか?これらの事例を解説します。
大きな台風や地震の後には、点検商法を含む悪質業者による便乗商法が多発します。避けられない自然災害だからこそ、被害に遭った際には冷静に対処することが重要です。
「街の屋根やさん」に寄せられた点検商法の事例
瓦が意図的に外された疑いのある点検事例
訪問してきた業者が屋根瓦について指摘し、「このままでは家が倒壊する恐れがある」と脅してきたという事例がありました。
屋根に上がって確認すると、不自然に外されている瓦が見つかり、訪問業者が意図的に外した可能性があると考えられます。非常に不安を感じるケースです。
写真を撮り、お客様にも確認していただき、その箇所の補修工事を行うこととなりました。
では、屋根の点検商法から身を守るために、具体的に何をすべきでしょうか。
100%、点検商法に引っかからない方法があります。それは、とにかく「話を聞かない、きっぱり断る」ことです。
もしインターホンが鳴って、玄関先に出たとしても、前述のような口上が出てきたら、その場で断り、帰ってもらいましょう。
話を続けられるかもしれませんが、耳を貸さず、断固として拒否することが、点検商法に引っかからないための確実な方法です。
最初の対応が重要です。しかし「自分は大丈夫」と思っている人は意外と多いものです。
点検だけならと軽い気持ちで屋根に上げてしまうのは、非常に危険です。
「知り合いに見てもらうので結構です、お帰りください」と、毅然とした態度で「帰ってください」という意思を明確に示すことが大切です。それでもしつこく説明を続けるようなら、警察を呼ぶこともためらわないでください。(「不退去罪」が適用される可能性があります)
一人暮らしの方は特に注意を
高齢者の一人暮らしは、点検商法のターゲットになりやすいです。離れて暮らすご家族には、普段から「話を聞かない」「断る、帰ってもらう」という対応を徹底するよう、話し合っておくことが重要です。
前述のように、別の日に別の業者が訪問してくることもありますが、こちらから依頼していない訪問者はすべて同じように対応すべきです。
屋根の点検商法は、特に梅雨や豪雨、台風、大きな地震の後に増える傾向があります。実際に雨漏りが発生したり、屋根が一部損傷した場合には特に注意が必要です。
屋根に関して不安がある時は
断ったけれど、万が一、本当に屋根に問題がある場合はどうすればいいでしょうか?
不安に感じたら、ぜひ「街の屋根やさん」にご相談ください。悪質な訪問業者には名刺もホームページもないことが多いです。
屋根の点検は、信頼できる近隣の業者を自分で探して依頼するのが一番です。
「街の屋根やさん」には、通常のご依頼だけでなく、点検商法の疑いがある案件に関する相談も多く寄せられています。
ご相談をいただいた際には、屋根やお住まいをしっかり点検し、必要な工事を、お客様のご要望を踏まえてご提案させていただきます。
点検商法は、高齢者をターゲットにした悪質な詐欺行為であり、明確な犯罪です。「自分は大丈夫」と油断している人ほど、突然の訪問に油断しやすいので、十分に注意を払いましょう。
もし不本意な契約をしてしまった場合でも、契約後8日以内であれば、文書やメール、FAXでクーリング・オフが可能です。
自分や家族が被害に遭ってしまった際には、以下の相談窓口に速やかに連絡しましょう。
点検商法被害の相談先
消費者ホットライン | 188 |
国民生活センター「平日バックアップ相談」 | 03-3446-1623 |
公益財団法方住宅リフォーム・紛争処理支援センター
「住まいるダイヤル」 |
0570-016-100
03-3556-5147 |
消費者ホットライン | 188 |
国民生活センター「平日バックアップ相談」 | 03-3446-1623 |
公益財団法方住宅リフォーム・紛争処理支援センター
「住まいるダイヤル」 |
0570-016-100
03-3556-5147 |
屋根工事の契約を迫られたことがある方、一人暮らしの高齢者、または築年数の経った物件に住んでいる方に向けて、確実に点検商法に遭わないための対策を実際の被害事例とともにご紹介しました。
点検商法は、巧妙な話術で不安を煽り、高額な工事契約を結ばせようとする悪質な詐欺行為です。
被害を避けるためには、相手のペースに乗らず、毅然とした態度で断ることが重要です。
万が一、契約してしまった場合には、すぐに消費者ホットラインや国民生活センターに相談し、クーリング・オフを申し出ましょう。
また、点検商法で指摘されたことで屋根に不安が生じた場合は、「街の屋根やさん」にご相談ください。
現地調査や無料点検のご依頼は、専用フォームから24時間いつでもお申し込みいただけます。「屋根瓦の指摘を受けて心配になった」「雨漏りの危険があると言われたので確認してほしい」など、屋根のトラブルでお困りの際は、ぜひ「街の屋根やさん」にご相談ください。
屋根の点検商法に注意!まとめ
●点検商法による被害は、2018年から4年間で約3倍に増加しています。●被害に遭う方の8割以上は、60代から80代の高齢者です。
●屋根の点検商法は、梅雨や台風の時期、また大きな地震の後に増加する傾向があります。
●点検商法の被害を防ぐために
・話を聞かない
・訪問されても屋根に上がらせない
●点検商法かもしれない?屋根の状態が心配なら、「街の屋根やさん」の無料点検をご利用ください。
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