瓦の落下被害に火災保険は適用できる?落下被害の雨漏り被害や対処方法について徹底解説!
更新日 : 2024年09月23日
更新日 : 2024年09月23日
台風などの強風により、瓦の落下被害にお困りの方も多いのではないでしょうか。
その様な場合、「放置しても大丈夫か?」「雨漏り被害に繋がらないか?」など非常にご心配ですよね。
そこで、この記事では瓦が落下してしまった場合の雨漏りリスクや危険性をはじめ、その対処・修理方法から火災保険を活用した工事について詳しい情報を解説いたします!
瓦の差し替えや、軽微な修理でも構いません。まずは屋根修理専門の「街の屋根やさん」までご相談ください。点検・お見積りは無料です。
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瓦の落下被害に遭われた場合、まず心配されるのがお住まいの雨漏り被害ですよね。
まずは、「雨漏りのリスクが小さいケース」「雨漏りのリスクが大きいケース」をそれぞれ確認していきましょう!
雨漏りリスクが小さいケース
下地材である防水紙(ルーフィング)の劣化が進行していない
瓦が落ちてから時間が経過していない
強風・積雪で瓦のズレ・落下が生じて場合でも、多くの場合は直ちに影響が出る事は少ないです。
まず、瓦屋根は「野地板」「防水紙」が下地材として敷設され、そこに瓦を引掛ける役割を持つ「桟木」と「瓦」が設置されることで構成されています!
その為、たとえ瓦が落下しても屋根材内部で雨水の浸水を防いでいる「防水紙」がしっかりと機能していれば、屋根裏へ雨漏り被害を招く事はありません。
ただし、防水紙も時間の経過とともに劣化します。
もし、防水紙に穴あき・破れが生じていた場合、雨漏り被害を引き起こしてしまいますので注意しましょう。
瓦が落ちても雨漏りが心配ないのは、防水紙の状態が健全である場合に限ります!
「防水紙があるから…」と瓦の異常を放置してしまいますと、防水紙が風雨に晒される事で劣化が促進されてしまいます(>_<)
防水紙のおかげで緊急性は低いと言えますが、早期に対応されることがおすすめです。
さらに、見た目がきれいな瓦屋根でも、内部が著しく劣化しているケースも少なくありません。
瓦は耐久性に優れる屋根材ですが、だからこそ内部の劣化に気づきにくいと言えます。
特に築年数が経過しているお住まいは、注意しましょう!
雨漏りのリスクが大きいケース
防水紙の劣化が進行している
土葺きで施工された瓦屋根
築年数が経過している
棟瓦が倒壊・落下している場合
前述の通り、瓦の落下時に雨漏りのリスクが大きな要因が防水紙の劣化です。
経年劣化が進行して破れ・穴あきが生じている防水紙は、雨水の浸水を招いてしまいます。
その様な状態では、屋根が雨水をしっかりと防ぐことができません(>_<)
雨漏りのリスクが高い状態と言えます!
また、瓦屋根には「土葺き」「桟葺き」の二つの方法があり、昔ながらの施工方法である「土葺き」では瓦の下に土が敷き詰められています。
しかし、長年使用していると土が流れたり痩せたりして、元々の機能を十分に果たせなくなっていることがあります。
もし、葺き土が痩せて流れてしまった場合、普段は問題なくても瓦が落ちることで一緒に土も落ちてしまう可能性があります。
したがって、土葺きの瓦屋根を使用している場合は、特に早めの対応が必要です。
防水紙の耐用年数はおおよそ20~30年です。
築年数が経過している住宅では、特に注意が必要しましょう!
棟瓦が倒壊・落下している状態は注意!
屋根の頂点部である「棟」に設置されているのが「棟瓦」です。
棟は面と面の合わさり部であり、棟瓦はそうした棟を保護する役割を担っています!
その為、棟の倒壊・倒壊はそうした棟の保護機能が失われてしまう事を意味します。
施工方法によっても変わりますが、そうした状態は雨漏り被害を招くリスクが大きな状態です。
また、雨漏り被害に限らず落下による2次被害を招きかねない危険な状態である為、早急にご相談ください!
たとえ雨漏りが発生していなくても、瓦のズレや落下を放置する事は大きなリスクとなります!
周辺の瓦にも悪影響を及ぼす
瓦屋根の一部が落下した状態を放置しておくと、台風や強風が襲来した際に周囲の瓦がめくれてしまう可能性が高くなります。
風の力は非常に強力で、一度瓦の下に強風が入り込むと大量の瓦が一気に飛ばされる危険があります!
重量がある瓦は危険です!
瓦は非常に重量がある屋根材です。
落下・飛散した瓦がもし人にぶつかってしまいますと、軽いケガだけでは済まないでしょう。
また、ご近所様の車やお住まいに損害を与えてしまう事態も考えられます。
ご自宅の被害だけでは無く、損害賠償にも繋がる恐れがあります!
応急的な処置も大切です!
上記の様な被害を未然に防ぐ為にも、「瓦が数枚破損しただけ…」と思わずにご相談頂ければと思います。
瓦の種類によってはすぐにお取り寄せ出来ない場合や、台風などで周辺の工事が混み合っているときなどには補修工事の開始に時間がかかることがあります。
そのような際には、まず応急処置(雨養生)の対応をさせて頂きます。
応急処置は被害の拡大を防ぐために非常に重要です!
瓦の落下などの問題が発生した場合は、放置せずにすぐに対処することが大切です。
ただし、雨が降っている場合は屋根に上ることができませんので、ご理解いただけますと幸いです。
火災保険と言う名前から勘違いされがちですが、台風・強風による瓦の落下被害においても「風災」という名目で保証対象となる場合があります。
また、以下の場合でも保証される可能性がありますので、事前にチェックしておきましょう!
①雪災
大雪による過度な積雪により、瓦屋根が破損・落下した場合
②雹災害
降雹によって、瓦屋根が破損・落下した場合
③衝突
強風による飛来物の落下や他人が操縦するドローンの衝突により破損した場合
火災保険が適用出来ないケース
一方、次のようなケースでは火災保険が適用出来ないとされています。
①破損の原因が「経年劣化」によるものと判断された場合
②火災保険の申請期限である「3年」を超えてしまった場合
③免責など一定の金額が越えなかった場合
火災保険は、自然災害や予期しない事故によって発生した損害に対して適用される補償です。
一方、経年劣化や不注意、施工不良などの人為的な要因による損害には適用されません。
また、災害発生後は3年以内に保険請求をしなければならないため、屋根の点検を早めに行うことが重要です。
さらに、契約によっては保険の適用に一定の条件があることがあります。
例えば、過去には20万円以上の損害でないと補償されないことが一般的でした。
免責金額が設定されている場合も同様の条件が適用されます。
地震が原因による瓦の落下被害に火災保険は使える?
それでは、地震が原因により瓦が落下してしまったケースはどうでしょうか。
残念ながら、一般的に地震によって瓦が落ちた場合には火災保険では補償されません。
ただし、地震保険に加入している場合は、その補償を受けられる可能性があります。
ですが、保険金の支給額は地震保険の契約内容に基づき、火災保険の保険金額の30~50%の範囲で決まります。
その為、地震保険だけで修理費用の全額をカバーするのは難しいと考えた方がよいでしょう。
火災保険を利用した工事のトラブル
もしもの備えとなる火災保険ですが、じつは火災保険の利用に関しては数多くのトラブルも確認されています。
お住まいが被害に遭われている場合ですと慌ててしまう事も当然ですが、以下のような事例にご注意下さい!
「保険金が必ずもらえると言われた」「虚偽の申請を勧められた」
※図 PIO-NET3にみる「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスの年度別件数
※出典:独立行政法人国民生活センター
火災保険は申請をしたからといって、必ずしも保険が適用されるわけではありません
それにもかかわらず「必ず保険が適用されるので」と言って修理契約を迫る業者がいるようです。
このような保険適用を前提にした話を進める業者には注意が必要です!
さらに、自然災害による被害でないのにそうであるかのように見せかけて申請を勧める業者も存在します。
そうした業者への依頼は、絶対に避けましょう!
トラブルの報告事例が多い「点検商法」
※2022年度同期件数(2022年8月31日までのPIO-NET登録分)は893件
※図 PIO-NET1にみる屋根工事の点検商法に関する年度別相談件数
※出典:独立行政法人国民生活センター
「お宅の瓦がずれているようなので、点検が必要です」と言って訪問し、屋根に上がってわざと瓦を破損させたり、偽の写真を使って不安を煽ったりする手口がいわゆる「点検商法」です。
近年、このような手口は急増しており、私たち『街の屋根やさん』にも多くのご相談が寄せられています。
このような業者が突然訪れても、決して屋根に上がらせてはいけません!
必ず、ご自身で信頼できる業者を呼び、点検を依頼するようにしましょう。
続いて、瓦が落下してしまった際の補修方法・修理費用の目安をご紹介いたします!
瓦修理の相場費用・価格の目安
※表は相場の目安となります。実際に施工費用はお住まいの状態や使用材料によって変動します。
複数枚の瓦のズレ・落下
瓦のズレ補修・一部差し換え
台風や強風でズレた瓦を元の位置に正確に戻す作業を行います。
また、落下して破損した瓦は新しいものに交換します。
この作業を行う際には瓦の下にある野地板や防水紙が劣化していないか、また災害による損傷がないかを確認することが重要です!
実際の施工事例
〇「モニエル瓦」の代用品として「素焼き瓦」を使用して差し替え
数年ほど前に台風被害によって破損してしまった瓦ですが、次の台風が来る前に補修しておきたいと際替え工事のご依頼をいただきました。
周辺の瓦もズレが発生していた為、一度撤去した後にビスで固定しながら葺き直しをおこないました。
使用されていた瓦は現在生産されていない「モニエル瓦」でしたので、今回は見た目が似ている「素焼き瓦」で代用させていただきました。
違和感が出ない様に塗装もさせていただきましたので、ほとんど見た目の違い分からない仕上がりとなりました。
広範囲に及ぶ瓦の飛散
一部葺き替え・葺き直し
瓦の飛散が広範囲に及ぶ場合、その一帯の瓦を一時撤去して必要に応じて下地の調整・新規瓦への葺き替えを行います!
瓦は耐久性に優れている為、割れていない瓦は再利用する場合もあります。
また、工事費用はその規模によっても変動します。
実際の施工事例
〇強風で飛散したケラバ周辺の瓦を補修
施工日数 1日 費用 12.6万円(税別)
強風によってケラバ部分の瓦が飛散してしまい、下地である土もむき出しとなっている状態でした。
3㎡程度の瓦・土の撤去後、下地材である野地板の補強や新規防水紙(ゴムアスルーフィング)の敷設を行い瓦を葺き直します。
南蛮漆喰で土台を造り、風切丸も併せて修復させていただきました。
棟瓦の倒壊
棟取り直し工事
屋根の頂上にある「棟瓦」の補修作業には、漆喰の詰め直し作業も含まれます。
棟は屋根全体の構造の中でも非常に重要な部分であり、瓦にズレや割れが生じると屋根全体の崩壊につながる可能性があります。
また、棟瓦が落下してしまうと雨漏りが発生するリスクが高まるため、早めの補修が必要です。
広範囲に及ぶ瓦の捲れ
屋根葺き替え工事
築年数が経過した建物で大きな損傷がある場合、全面的な屋根の葺き替えが必要です。
部分的な補修では対応しきれないほどのダメージがある場合や、著しく経年劣化が進行してしまっている事で今後も被害が拡大する恐れがあると判断されたときには、屋根の葺き替えを検討することをおすすめします。
全面的な屋根の葺き替えを行う際には、まず下地となる野地板の補強や新しいものへの交換が行われます。
また、防水紙も新しいものに取り替えられるため、屋根全体が一新されます。
これまで小規模な修理を繰り返してきた場合や、今後も長くその家に住み続ける予定があるのであれば、屋根の葺き替えによって丈夫な屋根を手に入れることを強くお勧めします。
葺き替えを検討する際には、ぜひ以下のような屋根材についても考慮してみてください。
1.防災瓦
防災瓦は瓦一枚一枚を釘やネジでしっかりと固定することで、瓦のズレや脱落を防ぐ特徴があります。
一般的に固定されていない瓦は風速30m/s程度で飛散する可能性が高いですが、防災瓦は40~50m/sの強力な台風にも耐えられるとされています。
また、防災瓦は一般的な和瓦に比べて軽量であることも大きな利点です。
さらに、棟部分においては芯木と金具を用いてしっかりと固定されます!
2. 金属屋根
最近では、瓦から金属屋根に変更する方が増加しています。
金属屋根は軽量であり、地震や台風といった災害にも強い特徴があります!
瓦と違って飛散することも少なく、安定性が高いです。
現在ではガルバリウム鋼板やエスジーエルなどの次世代金属屋根材が主流となっており、比較的長い耐用年数を備え、メンテナンス性も高い屋根材です!
瓦が落ちた場合、その状態によっては直ちに対応が必要でないこともありますが、決して放置してはいけません!
特に地震や大型台風の後などは多くのお問い合わせが集中するため、できるだけ早めにご相談されることをおすすめいたします。
瓦の補修をご検討されている方や、屋根に関するお悩みをお持ちの方がおられましたら、ぜひ「街の屋根やさん」にご相談ください!
お住まいの屋根の状態やご希望に応じて、最適な施工方法をご提案させていただきます。
まとめ
●瓦が落ちた場合でも防水紙が正常に機能しているのであれば、すぐに雨漏りが発生することはありません。●一方、防水紙が劣化していると棟瓦が落ちた際に雨漏りが発生する可能性があるため、注意が必要です。
●特に土葺きの瓦屋根や築年数が経過している屋根は、より一層の注意が求められます。
●いずれにせよ、瓦の落下をそのまま放置するとさらに大きな損害を招く恐れがあります。まずは応急処置を早急に行うことが大切です。
●破損した瓦の修理には、火災保険を利用できる場合があります。
●ただし、「瓦がズレている」といった指摘をされる点検商法には十分に注意しましょう。
●瓦の修理については一部の修繕で済む場合と、全体的な葺き替えが推奨される場合があります。状況に応じて適切な施工方法をご提案させていただきます。
街の屋根やさんは千葉県以外にも東京都、神奈川県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方の地域の街の屋根さんをお選びください。