屋根葺き替え工事にかかる費用相場はどの程度?施工費用を安く抑える方法
更新日 : 2025年03月07日
更新日 : 2025年03月07日

屋根の葺き替え工事の費用は、一般的に110万円から220万円程度が目安とされています。
しかし、実際の金額は既存の屋根の状態や使用する建材、屋根の面積などによって大きく変わるため、事前の想定していた費用と異なる工事費用を提示される場合もあります。
今回は、屋根葺き替え工事の費用の目安や費用を抑えるためのポイント、工事の適切なタイミング、建築確認申請が必要になるかどうかについて詳しく解説します。
屋根の葺き替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

屋根葺き替え工事の費用相場は110~220万円程度
屋根の葺き替え工事にかかる費用は、使用する屋根材の種類や建物の条件によって大きく異なります。
例えば、30坪(約60㎡)の屋根を想定した場合、一般的な相場はおよそ110~220万円ほどです。
ただし、屋根の傾斜が急な場合は専用の足場が必要になり、形状が複雑な場合は加工の手間や材料のロスが増えるため、その分の費用が追加で必要です。
近年ではさまざまな要因によって資材の価格が上昇しており、依頼するタイミングによっては「以前の見積もりよりも金額が高くなっている…」となる可能性もあります。

葺き替え工事における費用への影響が大きいポイント

足場の種類

資材購入費の高騰

アスベストが含有しているか否か
葺き替え工事に掛かる費用を確認する方法としては、屋根面積や希望条件を当てはめた上で専門業者にお見積もりを依頼する事が一番早く確実です。
ぜひ、街の屋根やさんへご相談ください!
▼無料点検・お見積もりの作成について
「既存の屋根材」で見る葺き替えの目安費用
先にご紹介した金額は、一般的な葺き替え工事の費用相場です。屋根の状態によって実際の費用は異なり、現在使用されている屋根材によっても変動します。
現在使用されている屋根材が瓦屋根であればスレート屋根とは異なる施工方法が必要となり、その分費用にも差が出ます。葺き替えを検討されている場合、既存の屋根材も費用に影響することを念頭に置いておきましょう。
瓦屋根から葺き替えるケース

瓦屋根の葺き替え工事を行う場合、その費用の目安は150~200万円程度です。
現在、瓦屋根の重量をご心配される方も多く、耐震性を高めるために軽量な金属屋根への葺き替えをご検討されているお客様が増えています。
スレートから葺き替えるケース

スレート屋根は軽量で取り扱いがしやすく、屋根材自体の価格も比較的手頃です。
スレート屋根から同じスレート材に葺き替える際の目安費用は、100~150万円程度となります。
一方、ガルバリウム鋼板などの金属屋根に葺き替える場合、耐久性が大幅に向上しますがその分コストは若干高く、130~180万円ほどの費用がかかります。
葺き替え工事のパターン別に費用目安を確認
施工内容 | 費用相場の目安 |
瓦屋根 ⇒ 金属屋根 | 150~200万円程度 |
スレート屋根 ⇒ スレート屋根 | 100~150万円程度 |
スレート屋根 ⇒ 金属屋根 | 130~180万円程度 |
上記の価格はあくまで目安であり、実際の金額は屋根の面積や使用する新しい屋根材、下地補修の内容によって異なります。
また、スレート屋根の場合、アスベストを含んでいるかどうかも見積もり額に影響があります。
※アスベストが含まれている場合の価格変動については、後ほど詳しく説明いたします。
葺き替え工事費用における各工程の内約
葺き替え工事では、各工程ごとに費用が発生します。
次に、各工程にそれぞれどの程度の費用が発生しているかについて、詳しくご紹介いたします。
①足場の仮設・養生

屋根の葺き替え工事は高所での作業を伴うため、足場の設置が不可欠です。足場の仮設費用は30坪程度の規模で15~25万円ほどが一般的な相場で、単価はおおよそ700円~800円/㎡となります。
仮設に掛かる費用が少し高く感じるかもしれませんが、安全を確保して作業の品質を高めるためには欠かせない作業工程です。
また、足場とともに設置される養生用のメッシュシートにも費用がかかります。こちらの相場は150円/㎡程度です。
②既存屋根材の撤去や処分

古い屋根材の撤去・廃棄にかかる費用は、屋根材の種類によって異なります。
スレート屋根の場合、撤去・処分費用は1㎡あたりおおよそ3,000円、瓦屋根の場合は3,500~5,000円程度になることが一般的です。
こうした費用の違いが、瓦屋根の葺き替えがスレート屋根よりも高くなる理由の一つでもあります。
また、スレート屋根にアスベストが含まれている場合、撤去と処分には特別な工程が必要となります。そのため、追加で1㎡あたり約4,000円程度の費用が発生する場合があります。
③下地の補修
葺き替え工事における下地補修工程では、野地板と防水紙の補修・新設が行われます。

野地板
野地板は、屋根の土台として重要な役割を果たす下地材です。防水紙や屋根材を設置するための基盤となり、屋根全体の強度に大きな影響を与えます。
そのため野地板に傷みが見られる場合は、「張り替え」や「増し張り」を行って補強する必要があります。
一般的に、野地板には厚さ12mm以上の構造用合板と呼ばれる頑丈な野地板が使用されます。相場費用としては、1㎡あたり約3,000~4,000円程度です。

防水紙
防水紙(防水シート・ルーフィング)は、屋根からの雨漏りを防ぐために欠かせない重要な下地材です。雨水が屋根裏やお部屋に侵入することを防ぎ、完全に遮断して屋根から効率よく排水します。
防水紙にかかる費用は、一般的に1㎡あたり1,000~1,500円程度が相場となります。
▼屋根下地材について詳しくはこちら
④新しい屋根材の設置

屋根材自体のコストはその種類や製品によって大きく変動します。

スレート屋根:4,000~8,000円/㎡

金属屋根(ガルバリウム鋼板):9,000~12,000円/㎡

瓦屋根:9,000~16,000円/㎡
葺き替え工事の各工程における費用の内訳を確認
各工程 | 内約 | 費用相場の目安 |
足場仮設 | 足場代 | 15~25万円 |
足場の仮設費用単価 | 700~800円/㎡ | |
養生用メッシュシート | 150円/㎡ | |
既存屋根材の撤去や処分 | スレート屋根の撤去・処分 | 3,000円/㎡ |
アスベスト含有屋根材の場合 | +4,000円/㎡ | |
瓦屋根の撤去・処分 | 3,500~5,000円/㎡ | |
下地の補修 | 野地板 | 3,000~4,000円/㎡ |
防水紙 | 1,000~1,500円/㎡ | |
新規屋根材の設置 | スレート屋根 | 4,000~8,000円/㎡ |
金属屋根(SGL鋼板) | 9,000~12,000円/㎡ | |
瓦屋根 | 9,000~16,000円/㎡ |
諸経費について
屋根工事では、施工費以外にも交通費や廃材の処理費などさまざまな諸経費が発生します。これらの費用の扱いは業者によって異なるため、見積書に明確な内訳が記載されているかをしっかり確認することが大切です。
街の屋根やさんでは、見積書の中で各工程に必要な費用の内訳や使用する部材を詳細に記載しています。
「この作業は具体的に何をするものですか?」
「打ち合わせで決めた金額や屋根材は、どの項目に含まれていますか?」
といった疑問があれば遠慮なくご質問ください。担当スタッフが丁寧にご説明いたします。
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葺き替え工事の事例も費用の参考に!

ここまで葺き替え工事の目安となる金額や各工程の費用についてご紹介しましたが、具体的な事例を確認することも費用の参考になります。
街の屋根やさんでは、過去の施工事例を公開しており、

施工費用

使用した材料

工事完了までの工期

屋根の面積
等の情報も多くのページで掲載しています。工事をご検討されている方がおられましたら、ぜひご確認下さい!

相見積もりで工事業者を比較
複数の業者に見積もりを依頼することで、ご自宅の屋根に適した適正な費用相場を把握できます。
1社のみに見積もりを依頼するとその金額が適正かどうか判断が難しく、高すぎるのか、あるいは工事の質を落とした低価格なのか見極めることができません。そのため、最低でも2社以上に見積もりを依頼し、価格やサービス内容を比較することをおすすめします。
また、相見積もりを取ることで、費用面だけでなく業者の対応や提案内容を比較できるため、信頼できる業者を選びやすくなるというメリットもあります。

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一括見積サイトはおすすめできません
相見積もりについてご紹介した直後ではありますが、一括見積もりサイトに頼りきるのはあまりおすすめできません。
これらのサイトは、条件を入力するだけで複数の業者から見積もりを取れるという手軽さが魅力です。しかし、提携している業者が限られているため、必ずしも自分にとって最適な業者が見つかるとは限りません。
さらに、こうしたサイトの運営元はリフォーム会社から紹介料を受け取っているため、その分のコストが工事費用に上乗せされる可能性があります。
一括見積もりサイトは選択肢の一つとして活用しつつ、地元で信頼できる業者や口コミ評価の高い業者にも目を向け、慎重に比較検討されることをおすすめします。

複数の見積り作成・工事提案可能な業者へ依頼
板金専門の業者であれば提案される屋根の葺き替えは金属屋根に限られ、瓦を扱う業者であれば瓦屋根の提案が中心になります。
しかし、こうした特定の工法に限られる業者ではなく、幅広い工法や屋根材に対応できる業者に相談すればさまざまな選択肢を比較しながら検討可能となり、予算や希望に合った工事を見つけやすくなります!
街の屋根やさんではあらゆる屋根材やリフォーム方法に精通しており、お客様のご希望や状況に応じて最適な工事をご提案しております。お客様の立場に寄り添った提案には自信があります!
「葺き替え工事だけでなく、屋根カバー工法の見積もりも比較したい」
「スーパーガルテクトとエコグラーニ、それぞれの費用を知りたい」
といったご要望にも対応しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

資材費の高騰には要注意
近年、建築資材の価格上昇が続いており、多くの業者が2022~2023年頃に工事費用の値上げを余儀なくされています。
こうした状況のなかで明確な対策を講じるのは難しいものの、「雨漏りしてから工事を考えればよい」と先延ばしにするのは避けたいところです。
資材費のさらなる高騰を考えるとできるだけ早めにリフォームを検討し、コスト上昇の影響を抑えることが大切です。

外壁塗装との同時施工もおすすめ
屋根の葺き替え工事と外壁塗装を同時に行えば、足場の設置費用を一回分にまとめることができます。
葺き替え工事に限らず、足場が必要なメンテナンスを一括で実施することで将来的なコストを抑えることが可能です!



屋根の耐久性向上

葺き替え工事の大きな利点は、屋根の重要な構造部分である野地板のメンテナンスができることです。
同じ屋根リフォームでも、屋根カバー工法では野地板の劣化を改善することはできません。
傷んだままの状態で新しい屋根材を施工しても下地が先に劣化してしまい、本来の耐用年数を迎える前に屋根の耐久性が損なわれる可能性があります。
屋根全体の強度を維持して地震や台風などの自然災害にも耐えられる状態を保つためにも、下地のメンテナンスを欠かす事はできません。
雨漏り被害の解決

屋根からの雨漏りが発生している場合、その多くは防水紙が劣化している状態です。
葺き替え工事を行えば、防水紙を新しくするとともに雨水が浸入する原因や老朽化した部分をまとめて修復できるため、雨漏りの根本的な解決につながります。雨漏りを解決する方法としては、最も確実で効果的な方法と言えるでしょう。
耐震性の向上

屋根を軽量な素材にすることは建物の重心が下がることに繋がり、地震の際の揺れが低減されます。
特に、瓦屋根から金属屋根へと変更すると屋根全体の重量が約10分の1程度まで軽くなるため、耐震性の大幅な向上が期待できます。
断熱性・省エネ効果の向上

夏の暑さ対策・冷暖房費の削減を行う上では、断熱性や遮熱性に優れた屋根材の選定が重要です。
金属屋根はその軽さが大きなメリットとされがちですが、最近では断熱材と一体型となった製品が注目されています。このタイプの屋根材は、優れた断熱性能を発揮する点でも高く評価されています。

葺き替え工事のデメリットとして、以下の点に注意が必要です。

カバー工法と比較してコストが大きい
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葺き替え工事が必要となるタイミング
葺き替え工事を適切なタイミングで施工する為には、屋根材の耐用年数などからリフォームが必要となる時期を事前に確認しておくことが大切です。
屋根材で見る葺き替え工事のタイミング

スレート屋根:20~30年程度

金属屋根:30~40年程度

瓦屋根:40~60年程度
特に、粘土瓦は非常に頑丈で60年以上の耐久性を持つことで知られていますが、屋根の下地材である防水紙や野地板などは経年劣化により傷んでしまうことが多いです。
目に見えない部分の劣化を考慮し、早めにリフォームを検討することが大切です。
さらに、使用している瓦の種類によっては、既存の瓦を一度取り外して下地を新しくする「葺き直し工事」を行うことも出来ます。

スレート屋根や金属屋根は、一般的に屋根材の寿命が尽きるタイミングで下地材の補修が必要になります。
時期が来たら専門業者に屋根の状態を確認してもらい、屋根カバー工法・屋根葺き替え工事を検討しましょう。
アスベスト関連の資格を業者が所有しているか
古いスレート屋根などには、アスベストが含まれている場合があります。
2022年4月から、屋根工事を行う施工業者には使用する屋根材にアスベストが含まれているかどうかを調査し、その結果を報告する義務が課せられました。
さらに、2023年10月から、アスベストの含有調査を実施するのは有資格者でなければならないという規定も新たに設けられました。

アスベスト調査(石綿調査)に必要とされる資格

一般建築物石綿含有建材調査者(一般調査者)

特定建築物石綿含有建材調査者(特定調査者)

一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て等調査者)
上記、いずれか
葺き替え工事を行う業者であれば、上記の資格をスタッフが必ず所有しているはずです。
業者選定の判断材料として、ぜひ覚えておきましょう。
▼アスベスト調査の関連ページ

2025年4月に建築基準法が改正され、これまで対象外だった一般住宅のリフォームも「建築確認申請」の実施の対象として該当されやすくなりました。
建築確認申請とは
建築確認申請とは、
・建築物が建築基準法や条例などの関連法規に基づいて設計されているか
・新築、増築、改築、あるいは用途変更を行う際に計画が法令に適合しているか
をチェックするための手続きです。
この申請を通じて、建物の安全性や耐久性が基準を満たしているかが確認されます。
申請は行政機関や検査機関を通じて行われ、審査を通過した後に工事を進めることが可能となります。
屋根葺き替え工事は建築確認申請が必要?
結論としてお伝えしますと、野地板を変更しない屋根の葺き替え工事は建築確認申請の対象にはならないと国土交通省より提示がされています。
建築確認申請が必要となる葺き替え工事の例
・屋根材や防水紙と合わせ、野地板・垂木の下地まで取り替える場合

建築確認申請を必要としない葺き替え工事の例
・屋根材や防水紙のみ新設、野地板や垂木はそのまま使用する場合

※上記はあくまで判断基準であり、国土交通省の資料には「実状に応じて判断すること」と記載されています。
※参照:国土交通省資料「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」
確認申請が必要となった場合はリフォームへの影響として、
・工事スケジュールの長期化
・費用の増加
等の影響が考えられます。


葺き替え工事におすすめの材料はありますか?

おすすめは「金属屋根」です
・スレート
⇒コストパフォーマンス
・金属屋根(ガルバリウム鋼板など)
⇒軽量性(耐震性)
・瓦
⇒耐久性
など、屋根材はその種類によってそれぞれ特徴があります。
そうした中、街の屋根やさんがおすすめしているのが「金属屋根」です。
金属屋根は飛来物によって割れが生じるリスクが少なく、錆に注意すれば長期間使用できる耐久性を備えています。
また、軽量なため建物への負担を軽減し、耐震性を向上させる点も大きなメリットです。屋根の葺き替えを検討される方がおられましたら、ぜひご検討ください。
ガルバリウム鋼板・ジンカリウム鋼板・SGL鋼板など、金属屋根の種類ごとの特長やメリットについては下記の関連記事で詳しくご紹介しています。

▼金属屋根について詳しくはこちら

葺き替え工事の施工を行う上でオススメの時期はありますか?

天候が崩れやすい季節は避けた方がよいです
屋根の葺き替え工事は基本的に一年を通して可能ですが、避けた方がよい時期はあります。
工事をスムーズに進めるためには、天候が安定していることが重要です。
そのため、雨が多い梅雨の時期や台風の影響を受けやすいシーズンは、できるだけ避けるのが望ましいでしょう。
天候によっては工期が延びる可能性もあるため、事前に業者としっかり打ち合わせを行っておくことが大切です。


追加で費用は発生しますか?

工事進行中に初めて発覚した不具合が費用の追加に繋がる場合があります
工事途中で下地の腐食や劣化が見つかった際には補修が必要となり、その分の費用が追加で発生する場合もあります。
葺き替え工事においては、屋根の解体途中に初めて発覚した問題点が該当されます。
予期せぬトラブルを避けるためにも、見積もりの段階で可能な限り追加費用について予想してもらい、それを考慮したうえでしっかりと打ち合わせをされることが大切です。


葺き替え工事の工事期間はどれくらいですか?

一般的には約7~10日程度が目安となります
大規模なリフォームでは生活への影響も考慮する必要があるため、工期がどれくらいかかるのか気になるところですよね。
一般的な目安としてはおおよそ7~10日程度ですが、施工範囲によっては1週間以内に完了することもあります。
一方で、天候不良による工事の遅れなどが発生すると2週間以上かかる場合もありますので念頭に置いておきましょう。

まとめ
●屋根葺き替え工事の相場費用の目安は110~220万円で、使用されている屋根材・工事条件によって変動します●瓦屋根・スレート屋根・アベストの含有状況など、使用されている屋根材によって撤去費用は変動します
●相見積りや外壁塗装との同時施工などは工事費用を抑えるために効果的です。ただし一括見積サイトのみを頼る業者選定はおすすめできません
●工事を成功させるためにはアスベスト含有の確認、適切な資格を持つ業者へ依頼する事も大切です
●葺き替え工事おすすめの屋根材は耐震性・耐久性を兼ね備えた金属屋根材です
街の屋根やさんは千葉県以外にも東京都、神奈川県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方の地域の街の屋根さんをお選びください。
