瓦屋根の方へ、漆喰詰め直し・漆喰取直しで長寿命な屋根を目指しましょう
更新日 : 2024年04月28日
更新日 : 2024年04月28日
漆喰の歴史は古く、約5000年前から世界中で使われています。瓦や石材の接着、目地の充填、壁の上塗りなど漆喰は様々な場面に用いられてきました。日本が世界に誇る世界遺産「姫路城」、その白鷺と形容される美しい白壁にも漆喰が用いられています。 瓦屋根では瓦の固定や接着に漆喰が用いられています。この漆喰も風雨や寒暑、直射日光に晒され続けているので、他の屋根材と同じように時間とともに劣化していきます。目視して、ひびや剥がれが出ている場合は危険です。固定している力が弱まっているので、ちょっとした風や地震で瓦がズレたりします。最悪の場合は落下してしまう可能性もあります。また、ズレた瓦同士が干渉し合って欠けたり・割れたり、そこから雨水が浸入して雨漏りになったりと様々なトラブルを招きます。
漆喰とは?
漆喰(しっくい)は伝統的な日本建築において使われてきた壁材料で、主に石灰と水、そして植物繊維などが混ざって作られます。
日本において数百年前から使用されてきた漆喰ですが、現在でも瓦屋根においては棟瓦に使用されています!
また、漆喰は調湿性にも優れている事から内外壁に採用されることもあります!
棟瓦の施工に漆喰が必要な理由
棟瓦を造る際、必要不可欠な部材が「漆喰」です。漆喰は棟瓦の土台・隙間を雨風から保護し、周囲の瓦のズレを防止する重要な役割を担っています!
漆喰の特性としてまず挙げられるのが、施工直後は柔らかく乾燥が進みにつれて硬度・強度が増していく性質です。 その為、棟瓦の様な複雑な形状を持つ施工箇所であっても柔軟に対応する事が出来ます!
また、接着機能を備え防水性にも優れる事から、棟瓦を雨風から保護しつつ周囲の瓦を接着・固定してズレを防止する事が可能です!
まさに、棟瓦の施工に適した素材と言えます!
内壁材としても活躍している漆喰
漆喰はその優れた特性から、瓦屋根に限らず内壁材としても活躍しています!
まず、漆喰は非常に調湿性にも非常に優れています。
室内の空気が乾燥しすぎたり、反対に湿度が高すぎたりするのを防ぐことが出来ますのでお部屋の快適性を向上させることが可能です。
また、漆喰は高い耐火性を持っていますので火事の際に燃えにくいという特性があり、さらに天然素材で人体に優しい素材でありながらカビや細菌の繁殖を抑制する抗菌・防カビ性能を有しています。
瓦屋根・室内壁などお住まいの中でも幅広く活躍している部材の一つです!
瓦屋根を健全に保つために定期的な点検が必要です
漆喰の劣化と悪影響
漆喰の剥がれ
漆喰の一部落下
漆喰の剥がれ
漆喰の一部落下
瓦のずれ
瓦の割れ・欠け
瓦のずれ
瓦の割れ・欠け
剥がれ、崩れが軽微な場合は…
漆喰詰め直し工事
漆喰詰め直し工事は文字通り、漆喰を詰め直すものです。漆喰の崩れや剥がれなどの劣化が比較的軽微な場合に行われます。 この状態の時にお手入れすれば、メンテナンス費も抑えられます。
剥がれ、崩れが酷い場合は…
棟瓦取り直し工事
棟瓦取直し工事は棟瓦(屋根の頂上部分の瓦)を一旦取りはずし、再度漆喰を詰め直して、取りはずした棟瓦を再び設置していきます。瓦がズレたり、漆喰が剥がれてほとんどなくなってしまっていたりと重症な場合に行われます。
昔は海藻を炊いてのりを作り、麻すさ(麻の繊維)や藁と塩焼き消石灰を混ぜて作られていました。地方によって混ぜ合わせられる材料が異なるが、主成分は石灰です。現在は合成樹脂を使用した製品や化学繊維を使用したものもあります。
1漆喰の除去
古くなった漆喰を取り除きます。
詰め直し補修はまず古くなった漆喰を取り除くことから始めます。既存の漆喰が残った上に新しい漆喰を詰めてもすぐに剥がれてしまいます。ですのでしっかり取り除いて清掃を行います。右写真をご覧下さい。漆喰を除去した下に茶色い土が見えるのがお分かりいただけると思います。漆喰は経年変化によってひび割れを起こします。漆喰がボロボロになって剥がれると中の土が出てきてしまうので、傷みが見られたら早めに手当てをする必要があります。
2新規漆喰詰め
新しい漆喰を詰めていきます。
左写真で塗っている白い物が漆喰です。細かい所まで隙間無く塗っていくことはとても難しいです。更に表面も綺麗にならす必要がありますので、まさに職人技の見せ所と言えるでしょう。この作業を実施する箇所全てに行っていきます。
3漆喰詰め直し工事完了
実施箇所全ての漆喰塗りが終われば工事完了です。
写真は漆喰詰め直しが完了したものです。塗り上がりの漆喰はとても雅な雰囲気がありますね! しっかり補修を行った漆喰は20年は持ちます。長く持たせるためには定期的なメンテナンスをしていくことが大事です。ちょっとしたひび割れでも、放置せずに早めの対処を心がけましょう。
01状況確認
棟や漆喰の状況を確認します。
棟は本来まっすぐになっていなけれなりませんが、ご覧の様に曲がっているのがお分かりいただけるでしょう(左写真)。これは漆喰の大部分が剥がれているためです(右写真)。漆喰が剥がれると中の土が水分を吸って傷みます。それによって棟の固定力が弱り曲がってしまうのです。
02棟撤去
これまでの棟を撤去します。
左写真は棟瓦を取り外したところです。棟瓦の下には土が盛られています。更にその下に設置されていた、のし瓦も撤去します(右写真)。その下にも土が盛ってあります。この土は棟の大事な土台になっており、漆喰が剥がれて土が流出してしまうと棟を支えられなくなってしまうのです。
03新しい土の盛り込み
実施箇所全ての漆喰塗りが終われば工事完了です。
左写真は古い土を撤去したところです。棟瓦をまっすぐに設置するための目安に糸を張ります(左写真の黄色い糸)。これに沿ってのし瓦と土を設置していきます(右写真)。この後に棟瓦を固定する銅線もこの時に仕込んでおきます。
04漆喰の詰め直し
棟瓦を設置し、漆喰を詰めていきます。
のし瓦と土で作った土台の上に棟瓦を設置します。左写真が設置前です。ここに更に土を盛り込んだ後、棟瓦を被せます。のし瓦と屋根瓦の間に漆喰を詰め、銅線で固定していきます(右写真)。
05銅線の処理
飛来物が銅線に引っ掛からないよう処理します。
銅線での固定が終わりましたら、余った部分を左写真のようにしっかりと取りまとめます。このように丸めておかないと、小枝やレジ袋などが飛んできた際に引っ掛かったりするからです。もし、レジ袋が引っ掛かったままになると風の影響を受けやすくなりますし、そこに雨水が溜まる可能性もあります。こうした小さな処理も屋根工事では大事な部分です。
06棟瓦取り直し工事完了
鬼瓦の周りにも漆喰を詰めて、固定します。
鬼瓦を元の位置に戻し、漆喰で固定します(左写真)。漆喰が乾けば、棟瓦取り直し工事は完了となります。まっすぐな棟は見ていて気持ちが良いものですね!
漆喰補修のDIYはおススメ出来ません!
経年劣化の進行した漆喰の補修・メンテナンスをご検討されている方の中には、DIYによる補修をお考えの方もいらっしゃると思います。
確かに、ご自身で専門的な工具や材料をご用意・作業を行うことで、専門業者に頼むよりも施工費用を抑えられるかもしれません。
しかし、瓦屋根の漆喰補修をDIYによって行われることはおすすめ出来ません!
まず、漆喰の補修には専門的な技術・知識が必要です!
現在の劣化症状をしっかりと見極めた上で、適切な工事方法や材料の選定が必要となります。
また、漆喰は塗り固める様に施工していくことから、仕上がり品質は作業者の技術力によって大きく変わります。
その為、DIYによる不慣れな作業では漆喰の保護機能を回復させることが出来ないばかりか、状態を悪化させてしまう原因にも繋がります。
さらに、「高所作業における安全性」も非常に大きな問題です!
一般的に、専門業者が漆喰工事を施工する場合でも、ほとんどの場合において「足場」が必要となります。
これは、高所作業において安全に作業する為にも必要ですが、安定した場所でこそ高品質な仕上がりを実現できるためです。
DIYではしっかりとした足場を用意する事は難しく、高所作業は大変危険が伴います。
また、足場の不安定な場所で施工を行っても、やはり綺麗な仕上がりにする事は非常に困難です!
お住まいの瓦屋根の漆喰の劣化症状を確認致しましたら、まずは信頼できる施工業者に点検を依頼する事がおすすめです!
実際に施工させて頂いた「棟取り直し工事」の施工事例
〇棟取り直し工事のご依頼を頂いたK様
現地調査で棟瓦の状態をご確認させていただきますと、経年劣化の進行によって一部の漆喰が剥離してしまっていました。
漆喰詰め直し工事では復旧が難しく、新しく棟を新しく作り直した方が良い状態でしたので今回は「棟瓦取り直し工事」をご提案させて頂き、工事のご要望を頂きました。
工事の様子をご紹介致します!
まずは、既存の棟瓦を撤去していきます。 既存の棟瓦は再利用致しますので、破損させない様に取り除いていきます!
一枚一枚、丁寧に撤去を進めます。 続いて、棟瓦の土台を造っていきます。
既存の棟瓦は土台が土で造られる「土葺き」でしたが、今回は「南蛮漆喰」を使用して土台を造る「湿式工法」で棟の土台を造っていきます。
使用させて頂いたのは、南蛮漆喰「シルガード」です!
シリコンが含有されている事から、防水性にも優れます。
最後に、既存の瓦を積み重ねて棟瓦を造っていきます!
無事、棟瓦の取り直し工事が完了致しました。
漆喰が劣化した状態を放置いたしますと、棟の倒壊や雨漏り被害など大きなリスクとなります。
棟取り直し工事によって、棟の耐久性大きく回復する事が出来ました!
瓦屋根のお困り事は街の屋根やさんにお任せください!
今回は、漆喰の特徴をはじめ瓦屋根に必要な漆喰のメンテナンス方法を施工事例と併せてご紹介させて頂きました!
瓦は非常に耐久性に優れる事から、「瓦屋根はメンテナンスフリー」と思われている方も多い印象です。
しかし、瓦屋根を長く安心してご使用いただく為には今回ご紹介させて頂いた漆喰をはじめ、下地材である防水紙や谷板金の定期的な点検・メンテナンスが必要です!
私達、街の屋根やさんは瓦屋根のメンテナンス・リフォーム工事における施工実績も豊富にございますので、瓦屋根のお困り・ご不安事はなんでもお任せください!
点検~お見積りの作成まで無料にて承っております!漆喰に関連するブログ一覧
漆喰に関連する施工事例一覧
街の屋根やさんは千葉県以外にも東京都、神奈川県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方の地域の街の屋根さんをお選びください。