瓦屋根の漆喰メンテナンスとは?放置するとどうなる?修理のタイミングと注意点を解説
更新日 : 2025年06月17日
更新日 : 2025年06月17日
日本の伝統的な住宅に多く用いられる「瓦屋根」は、耐久性や美しさに優れた屋根材として広く親しまれています。
丈夫な屋根材として知られる瓦ですが、屋根を構成する上で劣化が進みやすく、定期的なメンテナンスが必要な部材も使用されています。
それが「漆喰(しっくい)」です。
この記事では、瓦屋根の漆喰の役割や劣化のサイン、メンテナンスのタイミングを詳しく解説します。
漆喰とは?瓦屋根にとっての重要な役割
瓦屋根の漆喰は、主に「棟(むね)」と呼ばれる屋根の頂上部分の瓦を固定し、風雨の侵入を防ぐために使用されています。
漆喰は、瓦の下地に使われている葺き土(ふきつち)を保護し、長期的に瓦の安定を保つ役割を担っています。
・瓦と瓦の隙間を埋めて雨水の侵入を防ぐ
・葺き土の流出防止
・小動物や虫の侵入を防ぐ
・屋根全体の見た目を整える(美観)
※近年では、葺き土を使わない乾式工法で葺かれた瓦屋根が多くなりましたが、漆喰は変わらず使用されています。
漆喰が劣化するとどうなる?
漆喰は、日々の風雨や紫外線、寒暖差などの影響を受けやすい部材です。
築10年以上経過した屋根では、漆喰に以下のような劣化が見られることがあります。
ひび割れ:小さなヒビが発生し、徐々に内部に水が浸入
剥がれ:漆喰が部分的に落下し、葺き土が露出
黒ずみ・コケ:水分を含みやすくなり、カビやコケが発生
これらを放置してしまうと、雨水が瓦の下に侵入し、内部の構造木材や断熱材を腐らせてしまう恐れもあります。
さらに、瓦のズレや落下につながり、台風や地震時に大きな被害を受ける可能性もあるため、定期的な点検と補修が不可欠です。
メンテナンスのタイミングと目安
一般的に、漆喰の耐用年数は約10~20年とされていますが、地域の気候や屋根の形状、施工の質によって大きく変わります。
以下のようなサインが見られたら、点検・補修を検討しましょう。
・棟部分の白い漆喰が変色している
・瓦の上に漆喰の欠片が落ちている
・棟瓦がぐらつく・ズレている
点検は5年に1度を目安に、専門業者に依頼すると安心です。
特に、台風や大雪の後などは臨時点検も重要です。
漆喰補修の方法とその種類
漆喰の劣化が確認された場合、状態に応じた適切な補修を行うことで、屋根全体の寿命を延ばすことができます。
ここでは、瓦屋根における主な漆喰補修の方法をご紹介します。
漆喰の「詰め直し」
「詰め直し」は、最も一般的な漆喰補修の方法です。
古くなった漆喰を丁寧に撤去し、新しい漆喰を再度塗り込む作業です。
古い漆喰の上から新しい漆喰を塗り重ねる「重ね塗り」とは異なり、詰め直しは劣化部分を完全に除去するため、施工後の持ちも良く、根本的な修繕が可能です。
重ね塗りは一見手軽に見えますが、内部の劣化や下地の剥がれを隠してしまい、結果的に数年で再劣化を招くリスクがあります。
そのため、信頼できる業者は原則として「詰め直し」を推奨する傾向があります。
棟の「取り直し」
漆喰の劣化が進行し、棟瓦自体がズレたり傾いたりしている場合には、棟の「取り直し」が必要となることがあります。
これは、棟瓦を一度すべて取り外し、下地の葺き土や漆喰を新たに施工し直した上で、瓦を再び積み直す大掛かりな修繕工事です。
棟取り直しは、地震や強風などで構造的にダメージを受けた屋根に対しても有効で、屋根全体の安定性を回復させる重要な工事となります。
特に築年数が長い建物や、以前の施工が不十分だった場合に多く採用されます。
注意すべき業者選びのポイント
漆喰工事は専門技術が必要なため、信頼できる業者選びが何より重要です。
以下の点をチェックしましょう。
・屋根に上がらずに「今すぐ直さないと危険」と不安をあおる業者は要注意
・見積もり時には、必ず写真付きで現状報告をしてくれるか確認する
・漆喰だけでなく瓦や棟の状態まで丁寧に説明してくれるかを見る
・火災保険や市町村の助成金の利用が可能か相談に乗ってくれる業者が安心
まとめ
漆喰は瓦屋根を守る大切な部材であり、目に見えにくい劣化が原因で大きなトラブルにつながる可能性があります。
定期的な点検と早めのメンテナンスを心がけることで、家全体の耐久性を高め、安心して暮らせる住環境を保つことができます。
「最近点検していないな」「築10年以上経っている」という方は、ぜひこの機会に専門業者による診断を検討してみてはいかがでしょうか。

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