屋根の防音対策の方法|金属屋根材「ガルバリウム鋼板屋根材」の遮音性は低い!?
更新日 : 2024年09月25日
更新日 : 2024年09月25日
「トタン屋根に当たる雨の音が気になっている」
「瓦屋根からのリフォームを考えているけど、ガルバリウム鋼板の屋根は騒音が心配」
屋根リフォームをご検討されている方々の中には、このような疑問・ご心配をお持ち方もいらっしゃると思います!
ガルバリウム鋼板の屋根は軽量で耐久性が高いことから、リフォーム素材としてとても人気があります。
しかし、薄い金属素材であることから、特に大雨や台風のときに「雨音がうるさいのでは…?」とご心配する方も少なくありません。
そこで、この記事では屋根材の遮音性に関する知識と併せて、金属屋根材「ガルバリウム鋼板屋根材」の遮音性や防音対策について詳しい情報を解説いたします!
屋根材の中で最も防音性に優れる「瓦」
日本で古くから用いられてきた瓦は、屋根材の中でも特に高い防音性能を誇るとされています!
瓦はその厚みと重さに加え、重ねて敷くことから空気の層が形成されることで他の屋根材に比べて優れた遮音性を発揮します!
「瓦屋根から金属屋根にリフォームしたことで雨音が気になり始めた…」と感じる方も多くいらっしゃいますが、瓦の持つ優れた防音効果の中で生活されていたことも大きな理由の一つです!
屋根材によって変わる雨音の大きさ
スレートは5mm程度の厚さしかない屋根材ではありますが、主成分であるセメントが遮音性に優れています。
また、アスファルトシングルも薄い屋根材ですが、表面に施された石粒が雨音を吸収・分散してくれる役割を果たす事で雨音を抑えられます。
上記のことから厚み=防音性とは一概には言えないのですが、やはり厚みのある瓦屋根は圧倒的な防音性能を備えています。
「静かな暮らし」を重視して屋根材を選ぶ際には瓦は最適な選択肢です!
しかし、近年では瓦屋根をあまり見かけなくなっており、その理由の一つには施工コストが安く比較的簡単に取り扱える屋根材が人気を集めている点が挙げられます。
また、耐震性を重視する傾向が強まり、軽量な金属屋根材が人気を集めている事も大きな要因の一つです!
軽量な金属屋根が人気といっても「金属屋根は防音性が低いのでは?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
金属屋根は軽量で施工がしやすい反面、皆様のご想像通り熱や音の伝導率が高く、雨音が響きやすいという特性があります。
金属素材は薄く加工されており、また硬くて丈夫なため雨が当たると振動しやすく、その結果、音が大きく響いてしまいます!
まるで楽器のシンバルのように音が反響する様子をイメージすると分かりやすいかもしれません。
ですが、ご安心ください!
吸音材や断熱材一体型屋根材の採用、カバー工法など、金属屋根の防音性を向上して雨音の軽減には多くの方法があります!
以前、金属屋根といえばトタンが一般的でしたが、近年ではガルバリウム鋼板が主流になっています。
ガルバリウム鋼板は軽量でありながら耐久性に優れ、さらに長寿命であるため、住宅の屋根材として非常に魅力的です。
特に、新築・リフォームの際に選ばれる機会が増えています!
ガルバリウム鋼板は薄い金属素材であることから、屋根材自体の防音性能は低い素材です!
その為、屋根材としてそのまま使用してしまいますと雨音が響きやすい屋根となってしまいます。
そこで、次にガルバリウム鋼板の遮音性を向上させる3つの方法を詳しくご紹介いたします!
ガルバリウム鋼板屋根の防音性を向上させる3つの方法
吸音材・断熱材の活用
まず、一つ目の方法はガルバリウム鋼板屋根の下地材として吸音材・断熱材を活用する方法です。
ビルボード・専用の遮音シートを下地材として敷設する事で、屋根の防音性能を工場させる事が出来ます。
また、防音性能の向上と併せて、断熱性も向上してくれるのが断熱材です!
断熱材を設置する事で、雨音を大きく低減させることが出来ます。
断熱材一体型の屋根材の採用
屋根の防音対策として、断熱材一体化屋根材を選ぶこともおすすめです。
断熱材一体型の屋根材とは、ガルバリウム鋼板などの金属屋根材の裏側に断熱材が密着するように加工された製品のことを指します!
下記は、ニチハ株式会社の「横暖ルーフ」や、アイジー工業の「スーパーガルテクト」などの断面図です。断熱材が高密度でガルバリウム鋼板にしっかりと取り付けられているのが確認できます!
2023年に文部科学大臣賞を受賞した「スーパーガルテクト」は非常に人気の金属屋根材であり、「横断ルーフ」もその優れた遮音性から雨音を68dbから33dbまで減少させられる実証データがあります。
「横断ルーフ」「スーパーガルテクト」に関して詳しく解説させていただいた記事もございますので、是非ご覧ください!
屋根カバー工法による施工
既存の屋根にトタンやスレートが使用されている場合、屋根リフォーム方法としてカバー工法を採用する事も防音対策に繋がります!
カバー工法は、現在の屋根の上に新しい屋根材を重ねて設置する方法です。
屋根を重ね葺く事で二重になりますので、必然的に防音効果の向上に期待できます。
さらに防音材や断熱材を間に挟むことで、より一層遮音性を高める事が可能です!
屋根カバー工法は、現在の屋根の下地が大きく損傷していない場合に適用できるリフォーム方法です!
この工法では既存の屋根を撤去せず、その上に新しい屋根材を重ねるため解体や廃棄にかかる費用を抑えられます。
その為、比較的トータルコストを抑えながら工事を行えること大きな利点です!
また、この方法は下地がない屋根にも対応できるため、特に工場や倉庫などで費用を抑えながら防音効果を高めたい場合にも適しています。
雨音を抑える効果を持つ「石粒付き屋根材」
ここまでガルバリウム鋼板の防音対策についてご紹介させていただきました!
ですが、金属屋根材にはガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板にセラミックコーティングの石粒が吹き付けられたものも存在します。
この石粒はデザイン性を向上させるメリットもありますが、雨音を分散させる効果も備えます。
その為、特に雨音に対して防音性向上を発揮してくれる屋根材であり、耐久性にも優れている事から、ガルバリウム鋼板屋根材同様に新築・リフォーム時に採用される事が増えています。
国内で知られている製品には、デクラ屋根システム「セネター」やディートレーディング「ディーズルーフィング」があり、主にニュージーランド・韓国・中国から輸入されています。
石粒付きの金属屋根材は防音性・耐候性・施工のしやすさに加え、デザイン性にも優れているため、特に外観にこだわりたい方にぴったりです!
ただし、石粒の影響で通常の金属屋根よりも少し重量が増える点には注意が必要です。
屋根塗装による防音対策
意外と思われるかもしれませんが、屋根塗装で防音対策を行う事も可能です!
日進産業が提供している「ガイナ」という防音塗料は、特殊なセラミックを多層に重ねた構造が特徴です。
形成される塗膜は微細な凹凸を持つセラミックの球体で覆われており、一般的な塗料と比べて表面積が広くなるため音を効率的に反射します!
その結果、雨が屋根に当たったときに発生する音を大幅に軽減できます。
現在、雨音が気になり屋根塗装を検討している方は、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
ただし、塗装による防音効果は永久的ではない点に注意が必要です。
塗膜の劣化によって徐々に効果が薄れることも念頭に置いておきましょう!
ここまで、屋根の雨音が気になる方に向けて有効な防音対策についてご紹介をさせていただきました!
そうした中、室内の音漏れが気になる方もいらっしゃると思います。
「新しくピアノを習いだしてから音漏れが気になってきた」
「子供が生まれ家族が増えたので防音がしっかりした屋根にしたい」
こうした状況では、屋根だけでなくお住まい全体の防音対策を見直すことが重要です。
街の屋根やさんではお客様のご要望を伺いながら、最適な対策をご提案させていただきます!
音楽スタジオにて施工させて頂いた屋根工事の事例
お客様よりご依頼頂いた、音楽スタジオの屋根工事事例です。
今回、防音対策にはメーカーさんよりアドバイスをいただきつつ施工を進めさせて頂きました!
既存の折半屋根の上に吸音材を敷設し、さらにコンパネで挟むように遮音シートを敷設していきます。
その後、金属屋根を設置し、さらに破風・軒天に吸音材を詰めて隙間を無くすように作業を進めさせて頂きました!
雨樋の修理・交換についてはこちら!
⇒雨樋工事でお家を雨水から守る!
ガルバリウム鋼板の断熱・遮熱性についてについて詳しくはこちら!
⇒ガルバリウム鋼板屋根の遮熱性・断熱性、屋根材として問題は?
屋根の防音についてお悩みの方の多くは、古いトタン屋根を使用している方やこれから金属屋根に切り替えようと考えている方だと思われます。
金属屋根はそのままの状態では遮音性能があまり良くありませんが、適切な対策を講じることで遮音性の心配はほとんど無くなります。
その証拠に、現在多くの方が金属屋根を採用しています!
屋根工事・リフォームをご検討中で雨音をご心配されている方、その他のご不安をお持ちの方がおられましたら、街の屋根やさんまでお気軽にご相談下さい!
無料点検にてお住まいの状態をしっかりと拝見させて頂いた上、お客様のご要望にマッチした最適な施工方法をご提案させて頂きます。
まとめ
●瓦は屋根材の中でも最も防音性能の高い屋根材ですが、耐震性への不安から採用されることが減ってきています●軽量であるガルバリウム鋼板などの金属屋根材を採用するケースが増えてきている一方、金属屋根材の遮音性の低さを心配される声も多いです
●金属屋根材は素材自体の遮音性が低い特徴がありますが、様々な対策方法があります
●遮音材・吸音シート・断熱材による防音対策が可能であり、断熱材一体型の屋根材もあります
●屋根が2重構造となる屋根カバー工法は、遮音性の向上に繋がります!
街の屋根やさんは千葉県以外にも東京都、神奈川県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方の地域の街の屋根さんをお選びください。