交換・修理時に役立つ雨樋の基礎知識を徹底解説|種類や素材のポイントをご紹介!
更新日 : 2024年04月17日
更新日 : 2024年04月17日
雨樋にはさまざまな種類があり、形状や素材によって価格だけでなく、特徴も異なります。
雨樋の修理や交換を検討する際、「費用を抑えたい」と考える方も多いでしょう。しかし、雨樋は家を守る重要な役割を果たしています。その観点も忘れずに考慮することが大切です。しっかりとした品質の雨樋を選ぶことで、今後の安心につながることでしょう。
「強風で雨樋が突然外れてしまった!」
「雨降りの日に雨樋から大量の水が漏れている」
こうした状況に遭遇した場合は、早めの修理をおすすめします。今回は、雨樋の交換や修理を検討されている方に向けて、さまざまな雨樋の種類や形状、素材による違いをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
近年、大型の台風や集中豪雨が増加傾向にあります。そうした中で、
雨樋の破損
雨樋から水があふれる
街の屋根やさんに上記の様な雨樋のお問合せも多く頂いております。
特に長期に渡って使用している雨樋は、強風や大量の降雨量に耐えることが出来ず、破損してしまう事例も少なくありません。
雨樋は降ってくる雨水を受け止め、地面に向けて排水する役割があり、住宅を保護する上で重要な役割を果たしています。雨樋の交換を検討されている方は「ただ交換すればいい」というだけでなく、長期間しっかりと機能し続けるように、種類や素材を再検討してみることが大切です。
雨樋の種類には、大きく分けて2つの違いに分けられます。
半円型(半丸型)
角型
リバーシブル型
特殊型
内樋型(箱樋型)
塩化ビニール樹脂(塩ビ)
スチール
ガルバリウム鋼板
銅
アルミ・ステンレス
上記の種類の中でも、一般的なお住まいに良く使用される種類はこちらになります。
もっとも一般的:半円型(半丸型)
雨樋の中でも最も一般的で知名度の高い形状の種類が「半円型」です。「半丸型」とも言われ、筒を半分に切断したような形状をしています。
お住まいの雨樋が半円型という方も多いでしょう。
形状がシンプルで、コスト面もリーズナブルな点が特徴的な種類で、もっとも一般的な雨樋の選択肢となります。
大容量が特徴:角型
角型の形状をした雨樋は、以前は一般的であった半円型の雨樋に取って代わって、近年ではよく見かけるようになりました。これからは雨樋の主流となる形状と言えるでしょう。
角型の雨樋は、半円型の雨樋よりも水を多く受け流すことができる特徴を持っています。(※大型の半円型雨樋もあります。)大容量なので、豪雨の際でもしっかりと雨水を受け止めて排水してくれるので安心です。また、デザイン的にもスマートに見えるため、近年の新築でもよく使用されています。
現在、半円型の雨樋を検討中の方にも、ぜひ角型の雨樋をご検討いただきたいです。
半円型・角型の良いとこどり:リバーシブル型
半円型・角型の形状が混じった様な形状が「リバーシブル型」です。
断面を確認しますと、一方が丸みを帯びており、逆側は角ばっている形状です。
どちらも表面に出すことも可能です。
形状は丸みを帯びている方が良いけど流水量も確保したいといったご希望を叶える形状をしています。
雪国用:特殊型
「特殊型」は、雪国で採用されることが多いです。
雪が地域特有の雨樋の破損原因として、屋根の雪が解けた水が雨樋内部で凍ることによる破損です。
雨樋に覆いを設ける事で、雨樋本体内部へのダメージを防止する形状となっています。
また、屋根の雪下ろし・屋根上の雪が落下した際にも傷が付くことを防ぐ構造です。
ただし、特殊な構造から流水量があまり確保できない為、雪国以外の地域で使用されるケースは稀です。
内樋型(箱樋型)
内樋型(箱樋型)とは、屋根の内側に隠れる形状で、外からは見えない雨樋のことを指します。すっきりとした印象になる為、美しい外観を重視する方に好まれていますが、その形状から雨樋の詰まりや雨漏りが発生していないか通常の雨樋以上に確認が必要となります。
内樋型の雨樋を通常の吊りタイプに変更することも可能ですが、それにはかなりの大掛かりな工事が必要となります。
雨樋には素材にも種類があり、形状と同様特徴が異なります。
塩化ビニール樹脂(塩ビ)
塩化ビニール樹脂製のものは、雨樋の素材の中でも良く選ばれます。
大きなメリットは低コストである点です。
他の素材と比較して安価でありながらバリエーション豊かである為、お住まいにマッチしたものを設置出来ます。
また、樹脂特有の柔軟性を持つ為、多少の負荷ではすぐに変形する事がありません。
耐熱性・耐衝撃性に乏しい特徴があり、紫外線・雨風などの自然の影響を受けやすい環境では劣化が進行しやすいというデメリットがあります。
経年によって柔軟性も失われていきますので、強風により破損してしまうといったケースも多くあります。
低価格な点が大きな魅力ですが、耐用年数の短さが難点となります。
スチール
最近では、スチール(鋼)の心材を樹脂で覆ったタイプの雨樋も人気があります。
パナソニックでは、一部の雨樋にスチールと樹脂のハイブリットタイプを採用しています。
樹脂で覆われている為、錆に強い上にスチールの強さを併せ持つ雨樋です。
カラーラインナップも豊富にあり見た目に優しい印象を与えます。
塩ビ樹脂製の物よりやや高価ではありますが、その分強度があります。
ガルバリウム鋼板
近年屋根材としての注目度が非常に高いガルバリウム鋼板ですが、雨樋に使用されることもあります。
アルミニウムと亜鉛でめっきされており、錆びにくく耐久性の高い金属素材です。雨樋としても長期間にわたって優れた高耐久性を発揮するでしょう。また、金属独特のシャープな印象も魅力の一つです。
塩化ビニール樹脂素材と比較して高価な点がデメリットと言えます。
しかし、優れた耐久性から長持ちする特徴がございますので、長い目で見るとオススメの素材となります。
銅
銅製の雨樋は独特の美しい色味と光の反射により輝く様に見える見た目が大きな特徴です。
豪華さを演出する印象があることからお寺などの雨樋に多く使用されます。
銅製の雨樋は、独自の光沢があり、その意匠性の高さが利点となります。和風の住宅には、贅沢で輝かしい雰囲気が漂います。年月が経つにつれ、酸化によって独特の緑青が生まれる点も魅力的ですし、わざと酸化を進めさせることもございます。
銅は他の金属よりも錆びにくく、耐久性に優れています。この素材の特性を楽しみつつ、雨樋を長く使用することができます。銅板屋根の場合は、統一感のある外観をお楽しみいただけることでしょう。
本来、錆びにくい上に丈夫な銅製の雨樋ですが近年では問題になっている「酸性雨」により、雨が滴り続ける箇所を中心に穴があいてしまうリスクがあります。
しかし。下記の様に穴があきにくいよう加工された製品もございます。
耐久性が高い特徴がありますが他の金属より高価である為、長期の目線で金額を考慮する必要もあります。
アルミ、ステンレス
熱の影響に強く、錆に耐える「アルミ」や錆びにくく耐久性が高い「ステンレス」などの材料を使用した雨樋が存在します。これらの素材は高い耐久性を持つ一方で、他の素材の雨樋と比べると価格が高額です。そのため、一般住宅にはほぼ採用されない傾向にあります。
雨樋はいくつかの部品で構成される「雨水の排水システム」と言っていいでしょう。
その為、部分的な修理(交換)により痛みや劣化がある個所を修理する事が可能です。
修理を必要としない部分とつなぎ合わせる事から、一般的には既存の物と互換性のある形状に部品に交換します。
ただし、雨樋全体に経年劣化の症状が見られる場合、全交換をオススメ致します。
特に塩ビ樹脂製の寿命は20年と言われており、部分的に交換を行ったとしても他の場所に破損が発生する可能性があります。
費用を掛けない為に部分交換をしたとしてもすぐに別の部分が破損してしまう可能性が高いです。
寿命が迫って雨樋の症状として、
「紫外線による色褪せ」
「割れの発生」
「歪み・形状が不自然」
などがあります。
全交換は部分的な交換と比較して確かに費用がかさんでしまいますが、今後も住み続けるお住まいの寿命を延長させるといった意味ではオススメの選択肢です。
雨樋交換にかかる費用
部分交換
破損部分のみ修理(交換)をした場合
⇒数万円程度~(+足場代)
足場の仮設がさらに必要であった場合には、足場面積にもよりますがさらに数万円~の足場代が加算されます。
全交換
全ての雨樋を新規のものに交換した場合
⇒約10万円~60万円(+足場代20万円程度)
金額は、雨樋の種類によって大きく変動します。また、2階建て以上であればほとんどの場合において、足場が必要になると考えて良いでしょう。
また、足場代はそれなりに高額であり、せっかく足場を仮設する必要があるのであれば、部分交換では無く全交換にした方がお得といった考え方も出来ます。
屋根葺き替え工事・カバー工事をする際には、軒の出などが変わってきますので基本的に全交換が望ましいとされます。
もし全交換・部分交換にお悩みの方がおられましたら、街の屋根やさんまでお気軽にご相談下さい。
雨樋についてこちらもご参考にしてみてください
雨樋には葉やゴミがよく詰まりがちですが、その問題には「落ち葉除けネット」が効果的です。雨樋を交換する際に、ぜひ検討してみてください。
⇒雨樋の詰まりは落ち葉除けネットで解決
雨樋の詰まりは水漏れ・損傷のリスクを著しく高めます。雨樋清掃や雨樋つまりの対策について下記のページでご案内しております。
⇒雨樋つまりの原因と対策
雨樋交換の実例と手順
樹脂製雨樋からパナソニック「シビルスケア」へ交換
雨樋の流れが悪く水が溜まっているというご相談を頂きました。
使用されていた雨樋は樹脂製のタキロン半丸105というタイプで、長年の使用による歪みや汚れが目立ちます。点検の際には雨は降っていませんでしたが、軒樋には水がたまっている状態が確認されました。古い雨樋を全て新しく交換いたします。
まずは、雨樋・支持金具を撤去した上で金具の取り付け用の穴を変成シリコンにより塞ぎます。固定力をしっかりと持たせるために、前の取り付け場所とずらして新規の支持金具を設置する事が交換の基本となります。
雨樋の設置には水を効果的に流すために傾斜を付ける必要があります。軒には水糸を張り、その水糸に沿って金具を設置していきます。ちなみに、地域によって金具の間隔(ピッチ)は異なります。一般的な間隔は900㎜、600㎜、450㎜で、雪が多い地域では間隔を狭くする傾向にあります。間隔が狭いほど雨樋は丈夫になりますが、その分金具が多く必要になります。適切な提案ができる業者を選ぶことが大切です。
新規に設置する雨樋にはパナソニック「シビルスケアPC50」を使用させて頂きました。芯にスチールが使用されており、丈夫な雨樋です。
また、内側から吊るタイプであることから金具が表面に露出しない為、見た目も綺麗です。
・軒樋
「軒樋(のきどい)」は、軒先に設置され、屋根から排水された雨水を最初に受ける部分です。
お住まいの横方向に沿って設置されます。
・集水器(集水枡)
軒樋から流れてきた雨水を集め、竪樋へと流す役割を担う連結部です。
・竪樋(縦樋)
竪樋は、垂直に取り付けられており集水器に集められた雨水を締めへ配水します。
・曲がり
軒樋の角をつなぐように設置されます。
外曲がり・うち曲がりの2種類ありますが、特に外曲がりは負荷を受けやすい部分となります。
・軒接手(のきつぎて)
上記以外にも、軒樋の繋ぎ目の役割を果たす「軒接手」や軒樋の端へ取り付ける事で水を止める「止まり」、曲がる個所に取り付ける事で角度を付ける「エルボ」といった、実に様々部材によって雨樋は構成されています。
雨樋という存在は、普段は目立たないかもしれませんが、実はお家を陰ながら助ける重要な役割を果たしています。ちょっとした問題があっても、「まあ大丈夫でしょう」と軽視することはできません。実際には、屋根や外壁を守るために欠かせないものなのです。
そのため、少しでも不具合を感じたら交換時期が近づいていると考え、早めに対処することが重要です。
雨樋の交換を検討する際には、形状や素材の選択にも着目してみて下さい。どうしても価格に目が行きがちですが、耐久性にもこだわることで、大規模な自然災害にも安心して対応できるでしょう。また、色やデザインを変えることで、お家の印象を一新することも可能です。
街の屋根やさんではお住まいの状態を無料点検にて拝見させて頂いた上で、雨樋の部分交換・全交換やご希望に適した雨樋の種類をご提案させて頂きます。
詰まり対策として効果的な落ち葉除けネットや自然災害による破損に適用できる場合がある火災保険の活用などのご相談もお受けしておりますので、雨樋の修理・交換をご検討の際には、ぜひ街の屋根やさんにご相談下さい!
交換・修理時に役立つ雨樋の基礎知識を徹底解説|種類や素材のポイントをご紹介!まとめ
- ・雨樋は、形状や素材などの種類の違いがあり、それぞれ特徴が異なります
- ・近年増えてきている角型の雨樋は、一般的に排水量が高く、ゲリラ豪雨・大型台風などの自然災害に強いといった特徴があります
- ・塩ビ樹脂製の雨樋は安価な点が魅力ですが、耐用年数の短さが難点です
- ・耐久性の高さを重視する場合、価格はこうかですが、スチールやガルバリウム鋼板が素材として使用されているものがおススメです
- ・長期に渡り使用していた雨樋であれば部分交換より全交換の方が安心できます
街の屋根やさんは千葉県以外にも東京都、神奈川県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方の地域の街の屋根さんをお選びください。