ガルバリウム鋼板に変わる次世代の金属屋根材!エスジーエル(SGL)鋼板を徹底解説
更新日 : 2024年04月16日
更新日 : 2024年04月16日
屋根のリフォームやカバー工法をご検討されている際に、最近注目を集めている「エスジーエル(SGL)鋼板」の金属屋根材を専門業者よりご提案されている方も多いと思われます。
街の屋根やさんでも、お客様よりエスジーエル鋼板を使った屋根材について問い合わせを受けることが増えています。
エスジーエル鋼板は、表面処理めっき鋼板の最高クラスと言われており、錆びにくい特性を持ちながら腐食しやすい環境でもガルバリウム鋼板よりも耐食性に優れた屋根材とされています。次世代の優れた屋根材として、ガルバリウム鋼板に変わると言われ注目の対象となっています。
・エスジーエル鋼板の何が優れているのでしょうか?
・本当に信頼性のある建材なのでしょうか?
今回は、話題の長持ちする金属製建材「エスジーエル鋼板」について詳しく紹介します。
現在、注目を集めているエスジーエル鋼板とはどのような鋼板なのでしょうか?以下にご説明させて頂きます。
過去の住宅は使用されていた建材の耐久性が低く、わずか30年で建て替えが必要な「フロー型」の傾向がありました。ところが、近年の建材は進化し、耐用年数も大幅に向上しました。このため、より長期間使用できる「ストック型」の時代に移行しています。
この傾向はめっき鋼板の製品にも当てはまり、さらなる耐錆性が求められています。つまり、耐久性のある材料を使用した住宅が高く評価される時代となっていると言えるでしょう。
そうしたニーズに答えるべく、ガルバリウム鋼板製造の先駆者である日鉄鋼板株式会社は、培った経験・最新技術の開発により従来品よりも優れた耐食性を持った次世代ガルバリウム鋼板を製造しました。
それが、現在注目を集めているエスジーエル鋼板です。
ガルバリウム鋼板との相違点
エスジーエル鋼板とガルバリウム鋼板の大きな相違点は表面のめっき成分にあります。
アルミと亜鉛で造られたガルバリウム鋼板のめっきにマグネシウムを添加したものがエスジーエル鋼板であり、その耐食性はガルバリウム鋼板の約3倍です。
エスジーエル鋼板は、塩害のある沿岸地域や雨の多い高湿度の地域など、腐食しやすい環境でも卓越した性能を発揮します。特に、切断部や傷のある箇所などで耐食性の効果が顕著に現れています。
以上の様に、ガルバリウム鋼板の性能を更に向上させた製品がエスジーエル鋼板です。
近年では金属屋根材や他の建材として、ガルバリウム鋼板がよく採用されていると思われます。しかしながら、新たな選択肢としてエスジーエル鋼板が登場しており、より耐久性を高めた素材であるエスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板に取って代わる主流の屋根材になる可能性が高いです。
現在、注目を集めている屋根材は将来的にも高性能かつ耐候性のある製品として採用されることでしょう。したがって、屋根のリフォームを検討されている方は、エスジーエル鋼板製の屋根材を選択肢に加えてご検討されることをおすすめします。
エスジーエル鋼板は、他に類を見ない優れた耐久性を持っており、街の屋根やさんでも自信を持っておすすめいたします。
金属屋根最大の問題である「錆」
屋根材として金属を選ぶ場合、経年劣化による「錆」が気になることがありますね。
昔のトタン屋根を想像すれば、長い年月が経つと錆が発生してくることがわかるでしょう。しかし、最新の金属屋根材はそのような問題を解決するために開発されています。
耐食性に優れたガルバリウム鋼板やより進化したエスジーエル鋼板は、錆を食い止めることができる素材として注目されています。
耐錆性が強い金属屋根材
つまり、錆びにくい上、長持ちするという金属屋根最大のテーマをクリアした製品がエスジーエル鋼板です。
※試験方法 JIS H 8502(サイクルの内訳:塩水噴霧 2h 5%NaCl・35±1℃ 乾燥 4h 60±1℃・20~30%Rh 湿潤 2h 50±1℃・95%Rh以上)
※日鉄鋼板株式会社カタログより画像参照
めっき鋼板の場合は特にですが、切断部分・傷が出来てしまった部分は錆が発生しやすくなります。
傷に関しては、強風時に枝がぶつかって出来てしまったというケースも珍しくないですし、切断部分は金属屋根を施工する際に屋根の形状に沿って加工する為、必然的に生まれてしまいます。
エスジーエル鋼板は、上記の様な部分の腐食の進行を抑制する事に優れています。
また、海の近くにお住まいの方にもエスジーエル鋼板はおすすめです。エスジーエル鋼板は塩害にも強い為、沿岸部のお住まいの屋根外壁の素材として適しています。
※試験方法 JIS Z 2371
※日鉄鋼板株式会社カタログより画像参照
沿岸エリアに位置する住宅は海の潮風によって、金属部分が酸化してしまいます。 従来のガルバリウム鋼板では、沿岸部から5km以上離れないと保証が適用されませんでした。しかし、エスジーエル鋼板は保証が適用される範囲が500m以上となり、ガルバリウム鋼板と比べて10分の1に縮小されました。
穴あき保証期間は、通常ガルバリウム鋼板で10年ですが、エスジーエル鋼板では25年に延長されました。 エスジーエル鋼板の特長は、何よりも錆びにくく、金属屋根材の中でも優れた性能を持っている点です。
他の屋根材に劣らない
長持ちする屋根材の代表的な存在といえば和瓦ですが、その重量から近年では屋根材として選ぶ方も減少傾向にあります。
その代わりとして、主流になってきたのがスレートや金属屋根材です。
屋根材における耐用年数の目安
※上記は、必要なメンテナンスを行なった場合の目安です。立地や環境などにより変わります。
エスジーエル鋼板を使用しているアイジー工業の「スーパーガルテクト」は、遮熱フッ素樹脂・遮熱ポリエステル樹脂が表面に施されていますが、塗膜は経年劣化していきます。その為、30年以上の耐用年数を期待をするにあたっては、メーカーから推奨された塗装期間を守る必要があります。
釉薬瓦や和瓦には劣りますが、それ以外の屋根材で長期の耐用年数を期待できる屋根であれば、断然エスジーエル鋼板がおすすめです。
軽量である為、耐震対策になる
金属屋根は、軽量であることが理由に選ばれることが多いです。
昨今では大地震が発生する事を心配されるお客様より、重い屋根材から軽量のものに変更したいといったご相談も増えています。
現在、屋根が瓦であれば、金属製のエスジーエルなどに葺き替えることで、屋根の重さは約10分の1に軽減されます!これにより、家本体への負担も軽くなります。スレートからの葺き替えでも重さは5分の1になります。屋根リフォームを検討する際は、金属屋根をぜひご検討ください。
次に、エスジーエル鋼板について詳しく解説させて頂きます。
「エスジーエル」は進化したガルバリウム
エスジーエル鋼板は、ガルバリウム鋼板を改良しためっき鋼板です。耐久性に優れ、錆びにくく長寿命な素材として注目されています。ガルバリウム鋼板よりも優れた特性を持っており、屋根材として採用するメーカーも増えている他、現在は外壁材としても採用が増えています。これからは、より進化したエスジーエル鋼板の時代が訪れるでしょう。
めっき組成によって長持ち
長寿命の理由は、めっき組成にあります。
ガルバリウム鋼板は、トタンで使用される亜鉛めっきにアルミニウムを添加して耐食性を向上させたものです。
しかし、その特性はアルミニウムの含有率によって大きく変動し、高くなるに比例して亜鉛の犠牲防食作用が働かなくなってしまい鋼板の腐食進行に繋がります。
この問題を解決する為に、エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板へマグネシウムを添加しました。アルミ・亜鉛合金めっきにマグネシウムが共存する事で緻密な亜鉛系酸化物が生成し、安定素材となります。
簡単に申しますと、マグネシウムの成分の作用によって鉄が露出してしまっている個所の保護する膜が作られるということです。
また、実験ではエスジーエル鋼板に転嫁するマグネシウムの含有率は2%が最適であるという結果が出ています。
エスジーエル鋼板のめっきに含有されているマグネシウムの役割はさびにくくする事であり、それによって耐久性を高める効果があります。
エスジーエル鋼板の組成は、ガルバリウム鋼板と比較しますと、相違点はマグネシウムの含有の有無だけです。
しかし、そのマグネシウムが非常に重要な役割を担っている為、エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板の3倍を超える耐食性を持ち、腐食しにくい素材となっています。
エスジーエル鋼板の製造会社である日鉄鋼板
エスジーエル鋼板を製造しているメーカーは日鉄鋼板株式会社です。
ガルバリウム鋼板のパイオニアとしての実績があり、現在までの経験・最新の研究開発によって、耐食性に優れたエスジーエル鋼板を作り上げました。
エスジーエル鋼板の名称は、Sが”superior”(優れた)、”special”(特別な)、”super”(超越した)という単語の頭文字から来ており、ガルバリウム鋼板のGLにSを付け加えた「SGL」という名前になります。
※画像は日鉄鋼板株式会社 SGL鋼板ページより参照
エスジーエル鋼板をの歴史
屋根材・外壁材に使用される「鋼板を錆びにくくするための技術」は、亜鉛メッキ鋼板が持っている鉄の腐食を防ぐ作用であり、以前から使用されていました。
その亜鉛めっき鋼板の歴史は非常に長く、国内で初めて生産されたのは1906年と言われています。ガルバリウム鋼板は、それから約76年後である1982年にガルバリウム鋼板が生産され、約30年後にはエスジーエル鋼板が誕生いたしました。
日鉄鋼板はこうした非常に長い歴史を持ち、その経験と最新の開発技術を持って、エスジーエル鋼板を生み出しました。
2023年現在エスジーエル鋼板の歴史はまだ10年余りと短いですが、こうした歴史の長さや実績に基づく研究の成果から十分に信頼できる建材と考えられます。
日鉄鋼板も屋根に施工出来る鋼板を取り扱ってはおりますが、日鉄鋼板が製造したエスジーエル鋼板を基に各屋根材メーカーが屋根材製品の製造をおこなっております。
以下に、人気が高いエスジーエル鋼板屋根材をご紹介致します。
アイジー工業 スーパーガルテクト
「スーパーガルテクト」を取り扱っているのは金属建材のトップメーカーであるアイジー工業です。
新築や屋根リフォームの際に非常に人気のある屋根材であり、エスジーエル鋼板が使用されています。
注目すべき点は、スーパーガルテクトの裏側に断熱材が施されていることです。この断熱材により金属屋根に関連する欠点である「暑さ」や「雨音が響く」などといった問題を軽減してくれます。また、スーパーガルテクトは嵌合部にも断熱材が充填されているという特徴もあります。屋根全体を隙間なく断熱材で覆うことができる、数少ない金属屋根の一つとして挙げられます。
また、施工の際に必要な役物のラインナップが豊富な点も特徴であり、屋根形状により様々な役物を必要に応じて手配する事が出来ます。
一般的に、軒先部分に使用する役物である唐草は、多くのメーカーが1つの種類しか提供していません。しかし、スーパーガルテクトでは、4種類の異なる唐草を取り揃えています。これにより雨樋の交換を必要とせずに施工が出来るなど、お住まいの状態に合わせた施工をする事が可能です。
築35年の瓦屋根から高耐久スーパーガルテクトへ葺き替え
築35年のお住まいで屋根のメンテナンスを一度もされたことがないお客様より、屋根リフォームのご相談を頂きました。重い瓦屋根から軽量で丈夫な屋根にしたいとご相談を頂きましたので、コストパフォーマンスも考慮してスーパーガルテクトをご提案させて頂きました。
ニチハ 横暖ルーフ
ニチハは断熱材と一体型の金属屋根を一番に採用したメーカーです。横暖ルーフにはグレード別の4種類のラインナップが用意されています。
・横暖ルーフS
・横暖 ルーフαS
・横暖 ルーフプレミアムS
・横暖 ルーフαプレミアムS
エスジーエル鋼板はプレミアムシリーズ※のみとなり、αの方が厚みがある製品です。
プレミアムシリーズは鋼板の素材がエスジーエルとなっており、表面に施された塗膜も20年の変退色保証付きのフッ素塗膜であるグレードの高い屋根材となっています。
※2023年1月現在、「横暖ルーフαプレミアムS」は販売休止中。「横暖ルーフプレミアムS」は2023年3月より販売再開予定。
コロニアルNEOから横暖ルーフαプレミアムSへカバー工事
既存の屋根は、コロニアルNEOというノンアスベストのスレート屋根材を使用していました。しかしながら、このコロニアルNEOは劣化が早く、その症状も顕著に現れる特性を備えている屋根でした。お客様からのご相談を受け、ニチハの金属屋根の中でも最上級グレードで耐久性に優れた「横暖ルーフαプレミアムS」にてカバー工事を施工させて頂きました。お客様にはきれいに仕上がった屋根を大変お喜びいただけました。
ここまで、エスジーエル鋼板の魅力をお伝えさせて頂きました。
現在屋根工事・リフォームをご検討中の方で、エスジーエル鋼板にご興味を持たれた方がおられましたら、ぜひ街の屋根やさんまでご相談下さい!
エスジーエル鋼板並びに、その他の金属屋根を含めますとその種類・特性は様々です。
2階の部屋が暑く困っている
雨漏りの心配のない屋根にしたい
景観がお洒落になる屋根にしたい
上記の様なご要望をお聞かせください。
現在のお住まいの状態をしっかりと点検させて頂いた上で、適切な施工方法・プランをご提案させて頂きます。
ガルバリウム鋼板に変わる次世代の金属屋根材!エスジーエル(SGL)鋼板を徹底解説!まとめ
- ・昨今、耐久性が優れている建築素材が求められており、その中でもエスジーエル鋼板が注目を集めています
- ・エスジーエル鋼板は、ガルバリウム鋼板の性能を向上させた製品です
- ・エスジーエル鋼板はマグネシウムを2%ガルバリウム鋼板へ含有させることで約3倍の耐食性を実現しています
- ・性能面は、他の屋根材と比較して劣りません
- ・軽量である金属製の屋根材は、耐震対策を考えた屋根リフォームにもおすすめできます
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