突然訪問してきた業者に言われた「屋根の板金が浮いている」…対策と注意事項を徹底解説
更新日 : 2024年04月17日
更新日 : 2024年04月17日
「お宅の屋根の板金が浮いていますよ!!」
突然やってきた見知らぬ屋根工事業者にそんな風に言われたら、不安になりますよね。
「せっかく教えてくれたのだから修理してもらえばいいのかな…」という気持ちもあるかもしれませんが、最も大事なのは“その場で点検依頼や契約をしない”ということです。ひとまず気持ちを落ち着かせて、詳しい話は聞かずに帰ってもらいましょう。
そして、信頼できる屋根業者に、「本当に屋根板金が浮いているかどうか」を相談するのが安全です。
今回は、知らない訪問業者から「屋根の板金が浮いている」と言われた時にとるべき行動や注意したいポイントを詳しくお伝えしていきます。
訪問業者がやってくる可能性はどこのお住まいにもあり得ます。「もし、うちにも訪問業者が来たらどうしよう」「訪問業者に指摘されたけど本当に修理するべき?」といった方はぜひ今回の記事をご参考ください。街の屋根やさんでは、屋根点検を無料でお受けしています。気になる点があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
屋根工事に関する悪徳業者の話を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「おたくの屋根の板金が浮いています!」
「屋根が剥がれています。危険ですよ!」
など、こちらが呼んでもいないのに突然やってくる業者の中には、少なくない割合で悪徳業者が潜んでいます
毎年、多数の被害が報告されています。営業トークも上手く、「一刻も早く修理をしなければ雨漏りが起こる」というようにお客様の不安を煽り、そのうえで契約させようとします。言われるがままに点検などを許してしまうと、本当は浮いていない板金を工具で無理やり浮かせてしまうというような被害にあうケースもあります。屋根の訪問業者の悪質な手口とは、どんなものがあるのでしょうか。
悪質な訪問業者の手口
1.近所で屋根工事をしていると言ってくる
話の切り口が「近所で屋根工事をしていまして…。お宅の屋根の浮きを見つけました。」などと言ってくる悪徳業者がいます。契約のための口実で、実際は近所での工事なんて全くしていないことがあります。こんな話をされた場合は、まずは「どこで工事をしているの?」と聞きましょう。本当に工事をしているなら、はっきりとすぐに答えます。また、ご自宅の屋根の状況が見えないような離れた場所を言ってきた場合も疑ってかかった方がいいでしょう。
2:板金が浮いているように見えると言う
「板金が浮いているから点検をさせてくれ」とすぐに屋根に上がりたがるのも悪徳業者に見られる特徴の一つです。そもそも、道路を通りすがりの見知らぬ屋根業者が板金の浮きに気づくくらいなら、毎日暮らしている住人が気づかないはずがありません。住人の視線が届かないのをいいことに、屋根に上がって細工をする悪質な業者もいます。まずは簡単に屋根に上がらせないように断り、いったん名刺をもらって帰らせましょう。悪徳業者の場合、国民生活センターなどに被害が報告されているケースがあるので、業者を帰らせた後に問い合わせてみましょう。
3:すぐ修理しないと雨漏りすると焦らせる
屋根には、雨が入ってこないよう施工する雨仕舞のために板金が使われています。そのため、板金に浮きや劣化といった不具合が出れば雨漏りの原因となってしまうでしょう。雨漏りを防止する重要な役割を持つ板金ですから「浮いている」と言われると不安ですよね。
しかし、現時点で雨漏りが起こっていないのであれば、まずは落ち着くことが大事です。悪徳業者の手口は「考える余裕を与えずに契約に持ち込むこと」ですので「今すぐにも雨漏りが起こる」と不安を煽る言葉を口にする場合は注意しましょう。不安な場合、別の信頼できる業者から点検をしてもらい、真偽を確かめるのが良いでしょう。
4:無料で点検すると言う
「点検は無料ですから」と、“無料”という言葉を強調してくるケースも気をつけましょう。確かに「無料」は魅力的な言葉ですよね。でも、今会ったばかりのよく知らない業者に突然言われてすぐに点検してもらうのはリスクが高いです。いったん屋根に上られてしまえばこちらの目は届かないからです。本当は何もないのに「板金が壊れていた」など、偽装される可能性だってあります。無料という言葉にすぐに飛びつくのは控えましょう。
5:キャンペーン開催中と“お得感”をアピールしてくる
悪徳業者の手口のひとつに「今ならキャンペーン価格!」というものがあります。屋根工事は高額ですから通常の30%OFFなどと言われると、とてもお得に感じてしまいます。しかし、値引かれる前の“通常の価格”は本当に適正な価格でしょうか。定価がない修理費用なだけに、元値の相場も分からずにキャンペーン価格に飛びつくのはとても危険です。急にやって来ては「キャンペーン期間だ」と契約を急がせる業者は特に注意です。必ず他の業者と比べたうえで検討しましょう。
悪徳業者の手口は、実に巧妙です。「自分は悪徳業者には引っかからない」と思っていても、いざ営業トークの上手い営業マンがやってきたらついつい話に引きずり込まれるかもしれません。
いったん玄関を開けられると話し込まれる可能性があるので、できるだけインターホンで断りましょう。また、玄関を開けて話をしてしまったとしても、まずは冷静に。あまり話を聞きこまず、名刺だけもらって帰ってもらうことが大事です。屋根に本当にトラブルが起きているかどうか、修理工事をすべきかどうかは、その場で決めなくても大丈夫です。
悪質な訪問業者による被害事例をいくつかご紹介します。
ケース1:
近所で屋根工事をしていると言う業者に不具合を指摘されてすぐに契約した。後から「壁の修理もした方がいい」と追加工事を迫られてしまった。
ケース2:
屋根が浮いていると言われて不安になったところ、「点検は無料」と言われてすぐに点検を頼んだ。ところが屋根全体が劣化していると言われ、結果的にかなりの金額での契約となってしまった。
ケース3:
訪問業者が屋根点検をした後に修理契約を結んだ。思い直してクーリングオフの連絡を入れるも一向に連絡がつかない。このままではクーリングオフに間に合わなくなるので、困っている。
訪問販売によるリフォーム工事・点検商法についての相談は、国民生活センターに多数寄せられています。相談件数はどのくらいあるのでしょうか。
PIO-NETに登録された相談件数の推移
(PIO-NET…日本最大の消費者生活相談情報収集・蓄積システム)
相談件数は2021年12月31日現在
(消費者生活センター等からの経由相談は含まれていません)
引用:https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/reformtenken.html
独立行政法人 国民生活センター
年度によって多少の差はありますが、毎年5,000件以上もの相談が寄せられていることが分かります。
悪徳業者によるトラブルが後を絶たない深刻な状況ですので、被害を未然に防ぐため日ごろから悪徳業者対策をイメージしておくことが大事です。
ここまで悪徳業者による手口などをお伝えしましたが、ひとつ忘れてはいけないのが「屋根板金の浮きを指摘してきたからと言って、必ずしも悪徳業者とは言えない」という点です。
そもそも板金は劣化が起こりやすい部材でもあり、経年によって不具合が起きていることも珍しくありません。本当に善意で「屋根板金が浮いていますよ」と伝えてくれるケースももちろんあります。
とはいえ、屋根工事に関する被害が多数あるのも事実ですから、実際に自分が被害に遭わないための対策は必ず覚えておきましょう。
日頃から何事にも冷静な対処ができる人であれば、いざ訪問業者がやってきたときもすぐ話に乗らないかもしれませんが、「訪問業者によるトラブルが数多くある」ということを知らないと、突然の訪問で「屋根板金が浮いているから大変」などと聞くと、焦って話を聞いてしまうかもしれません。
特に、一人暮らしのご高齢の方は人柄の良さが裏目となって信じ込んでしまい、被害に遭うケースが多く報告されています。そんな背景から、高齢者だけを狙う悪質な業者も多いのです。
ここからは改めて、「屋根の板金が浮いている」と訪問業者から言われたときの対処法を具体的に説明していきます。
対処法①:すぐに屋根に上らせない
悪徳業者の場合、板金の浮きを指摘すると同時に「まず屋根に上がって点検する」と、屋根に上がろうと急ぎます。自分では屋根に上がれませんから、業者に屋根に登られてしまうと何をしているかチェックすることができません。
工具を使って板金を無理やり浮かせた後に写真を撮影して不具合の証拠としたり、本当に悪質な場合には板金以外の屋根材などを傷つけて修理費用を吊り上げようとします。
本当に板金が浮いていたとしても、被害を拡大される恐れがあるので絶対に屋根に上らせないようにしましょう。すんなりと帰らず無理に上ろうとするような悪徳業者には、警察を呼んで対処してもらいましょう。
対処法②:即決で契約しない
お伝えしてきたように巧みな営業トークで惹きつけるのが悪徳業者の手口です。お客様に考える隙を与えたくないので次から次へと話を進めてきます。とにかく、契約を結ぶことを急がせるのです。
- ・このままでは雨漏りが起こって大変ですよ!
- ・浮いた板金が強風で飛んで近所のガラスを割るかもしれません!
- ・屋根が飛んで歩行者にあたると危険です!
など、とにかく不安や恐怖を煽るようなことばかりを話します。
対処法③:点検は複数の業者に頼む
前述したように、本当に板金が浮いていることもあります。ただ、やはり突然やって来た見知らぬ業者に頼むのは不安がつきまといます。そこで、信頼できる業者に依頼するため、複数の業者に点検や見積もりを依頼して比較検討することが大事です。
クーリングオフという制度も覚えておきましょう。クーリングオフとは一度契約した後でも一定期間内なら無条件で契約を解除できる制度です。
訪問販売による契約の場合、基本的には契約から8日間以内であれば解約できます。
「契約をしてしまった」とあきらめず、不当な契約はクーリングオフの制度を使って解約しましょう。
クーリングオフの流れについて
契約書を交わした日を含めた8日以内に契約を解消する手続きをします。契約解除の申し出日が分かるように内容証明などを利用して、契約解除を申し出る書面もしくは電磁的記録を相手側に送付します。もし、契約時にクレジット支払いを指定していたら、クレジット会社にも連絡しなければなりません。
クーリングオフの手続きは、把握されていない方がほとんどでしょう。契約後に不安を感じたら、まずは消費生活センター等の窓口に問い合わせてみましょう。状況に合わせた手続きの流れをしっかりと教えてくれるはずです。一人で悩まずに、まずは身近な人に相談してみるのもおすすめします。
ここまで「屋根の板金」に関するトラブルをお伝えしてきましたが、そもそも「屋根の板金」とはどの部分を指すかご存じでしょうか。
本当に屋根の板金が浮いているのなら、早めに対応しなければなりませんよね。
屋根には棟板金や谷板金、ケラバ板金、その他水切り板金などたくさんの板金部分があります。
屋根の板金のなかでも、棟板金が浮いているケースが多い
棟板金とは、屋根のてっぺんにある板金です。瓦屋根にはないのですが、スレート屋根や金属屋根に設置されていて、“傘”のような形状をしています。屋根のてっぺんで雨水の浸入を防いでくれる重要な板金です。
「屋根の板金が浮いている」と言われた場合はほとんどがこの棟板金を指しています。
棟板金を固定する際は釘を使用します。しかし、金属が温度差によって伸縮することで、次第に釘は緩みます。釘が緩んだ状態で強風が吹けば緩みはさらに加速し、最悪の場合には風によって吹き飛ばされることもあるのです。棟板金の経年劣化はさけることができないため、定期的にチェックを行い、劣化していればその都度メンテナンスが必要です。
屋根を見上げたときに棟板金の歪みがはっきりと分かる
強風のたびに棟板金が捲れ上がりバタバタと音がする
など、明らかに棟板金に異変があるときは早めに対応が必要ですが、屋根の一番高いところにある棟板金は、たとえ緩んでいても地上からは見えにくいでしょう。何かしらのご不安があるときは、街の屋根やさんまでご相談ください。
「街の屋根やさん」は、ご相談・点検からお見積りまで無料にて承ります。
その他の「屋根の板金」
谷板金
屋根同士の谷間に設置されているのが谷板金です。棟板金と違い、スレート屋根や金属屋根だけではなく、瓦屋根にも設置されています。谷間部分には屋根面で受けた雨や雪が流れて集まるため、屋根材同士のつなぎ目から雨漏りしないよう谷板金が設置されています。
かつての谷板金と言えば銅製が多かったですが、現在はステンレス製が増えています。雨水が集中する谷板金はサビや腐食により「穴」「ヒビ」が発生する可能性が高く、それを防止するために錆びにくいステンレス素材が使われていることが多いのです。
ケラバ板金
屋根の妻側、雨樋のない屋根の端をケラバと呼び、棟から軒先にかけて傾斜になったところに取り付けるのがケラバ板金です。ケラバに板金が無い場合、雨が吹き込み軒天へ雨が伝わってしまいます。ケラバ板金で雨仕舞をすることで雨水による軒天の腐食を防いでいるのです。
屋根の先端に位置するケラバ部分は雨漏りが起こりやすい箇所であり、ケラバ板金が浮くと雨漏りのリスクが高まるので、地上からの目視でも良いので「浮いていないか」を確認することが大事です。
水切り板金
2階の外壁と1階の屋根(下屋)の取り合い、軒先などに使われるのが水切り板金です。
2階の外壁から垂直に流れてきた雨水が1階の屋根面へと伝わるとき、部材の取り合い部分の小さな隙間に入らないように水切り板金を取り付け、雨水の排水をスムーズにしています。
棟板金、谷板金、ケラバ板金、その他の水切り板金など、屋根にはいろいろな板金が施工されていますが、全て雨水の排水を正しく促し、雨漏りを防ぐという役割を持つ大切な部材です。板金の歪みや、板金の浮きなど、正しく取り付けられていなければ雨漏りの原因になるので注意しましょう。
本当に棟板金が浮いていたら…?
訪問でやって来る屋根業者がすべて悪徳とは言えないかもしれません。指摘されたように本当に棟板金が浮いていたら、どうするべきでしょうか。
やはりご自身が「信用できる」と思った専門業者に相談することが大事です。
棟板金の補修方法はどの程度浮いているかによって異なります。
もし、それほど浮いておらず軽めの症状なら釘やビスの打ち直し、場合によってはコーキングも施す補修で対応できます。錆びている部分が板金にあれば、錆止め塗装が必要になりますし、「板金の歪みがひどい」「かなり浮いている」「ほとんど錆びている」といった場合には、すでに雨水によって貫板が腐食している可能性があるため交換がおすすめです。
修理事例
剥がれかけた棟板金を樹脂貫板を使用して補修
こちらのお客様は、棟板金の浮き上がりをご近所の方に教えていただいたそうです。
かなりご不安な様子でご相談いただきました。点検したところ、剥がれかけた棟板金の下には腐食した貫板が見えました。貫板が腐食したために釘が緩み、風で浮き上がってしまったのでしょう。
折れた部分の板金は撤去しましたが、問題ない部分は再利用することになったので丁寧に取り外します。木材でできた貫板はやはり腐食していたのでこちらも撤去します。
木製では、このように水が入り込むと腐食のリスクがあります。そこで新しく取り付ける貫板は樹脂製を採用しました。今後は腐る心配も不要です。また、簡単に外れないよう釘ではなく、ネジでしっかりと固定していきます。
棟板金を再設置してこちらもビスで固定していきます。ジョイントの継ぎ目は水が浸入しないようにコーキングも施します。
これで工事は完了しました。新しい板金は一部分、そのほかは再利用できました。ご相談を受けたときはとてもご不安な様子でしたが、このようにしっかりと施工したことでとても安心されたようです。
知らない屋根業者がやって来て屋根板金の浮きを指摘してきたとき、「雨漏りが起こる」「すぐにやらないと危険」などと並べられてもまずは落ち着きましょう。地上から見ても分かるほど板金が剥がれてバタバタしている、もしくは今まさに雨漏りしているなどでない限り、そんなに慌てることはありません。
知らない業者がやってきて不安を煽ってきたとき、必ず守ってほしいのが「屋根に上がらせないこと」と「すぐに契約しないこと」です。指摘を受けたからとその業者に頼む必要はないのです。本当に危ない状況なのか、信頼できる別の複数の業者に点検してもらいましょう。築年数が古いほど、何らかの不具合があってもおかしくありません。日々、風雨に晒されている屋根ですから不安になるのも当たり前です。これを機にきちんと点検で状況を知り、住まいにとって必要なメンテナンスをしていきましょう。
街の屋根やさんでは、点検からお見積もりまで無料でお受けしています。
もし、「屋根の板金が浮いている」と訪問業者に言われて不安を感じているなら、お気軽に街の屋根やさんへお問い合わせください。
まとめ
- ●訪問業者による屋根工事に関する被害が数多く起きています。次のような文句には要注意です。
- ・近所で屋根工事をしていて板金が浮いているのを発見した
- ・このままではすぐに雨漏りが起きる
- ・点検は無料だから屋根に上がらせて
- ・今ならキャンペーン期間だから安くする、早く契約を
- ●すべての訪問業者が悪徳業者ではありませんが、以下を守ってトラブルを回避しましょう。
- ・屋根には上がらせない
- ・その場で契約しない
- ・信頼できる業者に改めて依頼する
- ●訪問業者と契約してしまったとき、8日以内ならクーリングオフが適用できます。
- ●屋根の板金には、棟板金のほか、谷板金やケラバ板金、水切り板金があります。
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