4.屋根の横の台形部分を塞ぐ面戸がはずれかかっていたり、なくなってしまい、
風が吹き込みやすくなっているもの
5.上記の異常が複合的に見られるものは
被災する可能性大
参考価格
波板スレートの屋根や壁の剥がれ
1.固定している
ボルトとナットが外れているもの
2.固定している
ボルトとナットが極端に錆びて強度が落ちているもの
3.屋根材が極端に劣化しており、強度が落ちているもの
4.
一部が割れて、穴が開いており、風が吹き込みやすくなっているもの
5.上記の異常が複合的に見られるものは被災する可能性大
参考価格
化粧スレートの剥がれや落下
1.複数のスレートにひびや割れが入っているもの
参考価格
目視では確認できないスレートとスレートの重なり部分の釘が錆びており、
固定力が弱まっていた
屋根に異常なかったが、想定以上の風を受けたために瓦が浮き、落下してしまった
強風で飛んできた物が屋根や壁に当たり、破壊された
自然の力は脅威的であり、台風以上の強風が吹くものとして竜巻があります。その突風の威力は10t以上のトラックを持ち上げるといいますから、命の危険性さえあります。竜巻は日本全国で発生していますが、幸いにもその被害は局地的であり、寿命は十数分程度です。台風のように何日間にも渡って全国を蹂躙することはありません。
台風をはじめとした風災、降雪による雪害、落雷による被災、豪雨による水災、降雹による被災、これらのほとんどが火災保険で直せることをご存知でしょうか。
火災保険というと、その名称から火災にのみ適用されると思いがちですが、実はそれ以外の自然災害に対しても補償してくれるのです。保証してくれる自然災害は加入条件によって異なりますので、まずはそちらをご確認ください。
自然災害による被災を火災保険で直す場合、保険会社へ被害状況の報告、被災した箇所の写真、それを直すための金額(お見積もり)の申請が必要になります。街の屋根やさんではこういったことのお手伝いもしております。まずはご相談ください。
被害を受けた・受けたかもしれないことで発生した不安と災害便乗商法
今回、台風21号、または24号で被災した・被災したかもしれない方々の一番の心配は次の台風のことでした。
屋根が被災してしまうと、ちょっとした雨であっても雨漏りしないか心配です。台風21号で被災した方は台風24号と台風25号を、台風24号で被災した方は台風25号をとても不安に思っていました。
「次の台風が来る前に点検だけでも」という方も多かったのですが、お力になれなかったケースもあり、大変悔やまれます。
今回のように大型の台風が来れば、街の屋根やさんだけでなく、どんな屋根業者も忙しくなります。普段は対応が早い業者でも手が回らないこともあるのです。
今回の台風を経験した私達が言えることはただ一つです。今回のような台風では即時に対応できないことも出てきます。
そのようなことも想定して自然災害の訪れる季節の前に無料点検を受けてくださいということだけです。
広範囲で大きな災害が発生した場合、必ずそれに便乗する悪徳業者が出てきます。
いつも頼んでいる業者、信頼できそうな業者に電話しても通じない・通じても「いつお伺いできるか分からない」と言われる、しかも、来週はまた悪天候… こんな状態の中でお家に訪問してきて『お困りならばブルーシートや防水テープで応急処置だけでもしておきます』と言われたら、渡りに舟と感じてしまうでしょう。
多少、怪しいと思っても、現在の状況が少しでも改善するならと頼んでしまう方も多いと思います。
悪徳業者はその後、ありえないほどの高額な請求をしたり、高額な工事の契約を結ぼうとします。
まず、相手にしないのが一番です。それにこういった業者はとにかく不安を煽りますので、瓦がずれていないのにずれていると言ってみたりいい加減なことしかいいません。
屋根に不具合が発生していても、その業者が騒いでいるほど、酷くはないのが常なのです。
被害を受けた・受けたかもしれないことによる心配、そして次の悪天候への不安、こういった災害に便乗して言葉巧みに近付いてくる悪徳業者、いずれも無料点検を受けて悪いところを直しておけば、こんな思いはしなかったはずなのです。
本当に大きな災害では業者がどこも忙しくなり、養生するのさえ難しくなるケースもあります。常日頃からとは言わないまでもある程度の築年数が経過したら、定期的に点検することをお薦めします。
天候が極端となる夏と冬はそれなりの備えと点検を
2018年から2019年、平成最後の冬は平年並みかやや高い気温と予想されています。この通りになれば全国的に雪は少なくなるでしょう。皆様もご存知のように北国の方々に笑われてしまうほど雪に弱いのが東京を始めとした太平洋側の都市です。
降雪被害に遭わない、降雪被害を近隣に与えないためにも雪止めなどの備えは必要です。本格的な冬が来る前にご検討ください。
実際の台風被害復旧の施工事例
5年ほど前に屋根塗装と外壁塗装をご依頼いただいたお客様から、「強風で棟板金が飛散してしまったので、修理してほしい」とのご依頼を承りました。
以前、屋根塗装を行った時は棟板金の固定力も問題なかったのですが、月日の経過は恐ろしいものです。棟板金を固定している貫板を腐食させていました。画像を見ると、端が腐食によって崩れていることが分かります。今回は水分によって腐食しない石油系の樹脂から作られたタフモックを貫板として使用します。
屋根の上と言えども設置した棟板金と屋根の色が違うと美観を損ないますよね。幸いにも、お客様が以前、ご依頼いただいた塗料で同じ色が余っていました。遮熱塗料のサーモアイで同色にして棟板金工事完了です。
強風で瓦が外れてしまったというご相談です。モニエル瓦の屋根で瓦は1部しかしか外れていませんでしたが、全体的に漆喰の傷みが見られたので、棟全体をしっかりと並べ直す棟取り直しを行いました。
冠瓦だけでなく、熨斗瓦も一箇所脱落していました。漆喰となんばんにも劣化し、崩れてきています。これでは強風や地震などで瓦がずれたり、脱落してもおかしくありません。
熨斗瓦の下に棟を固定する金具を入れて、そこに棟木を固定します。屋根の野地板に棟を固定する金具が直接取り付けられ、そこに棟木が取り付けられるため、従来の自重と銅線で支えている棟よりも風や揺れに強くなります。
葺き土の代わりになんばんを瓦の土台をとします。葺き土のように水分を含むこともなく、雨水に浸食されることのないので耐用年数も長くなります。その上に冠瓦を被せ、一つ一つをビスで固定しています。これで強風で崩れた棟の取り直しは完成です。
一部の熨斗瓦がずれており、割れている部分もあります。棟自体はまっすぐでずれはないので、全体が倒壊してしまうという危険性は少ないと思うのですが、将来的なことを考えたら、棟を一度、撤去し、再構築する棟取り直しを行ったほうがリスクは少なくなるでしょう。銅線も緩みが出ています。
漆喰にも傷みが出ています。お客様は「今後、数年以内に建替えを考えているので、それまで持てばいい」とおっしゃっています。幸いにも、先祖代々からこの土地に住んでいるというお客様の敷地は広く、聞けば「近くに農機具用の倉庫もある」とのことです。お隣の敷地も広く、両隣の建物同士の距離も充分にあります。これならば災害で瓦が落下してもお隣にご迷惑をおかけすることはありませんので簡易的な補修をすることになりました。お隣が近接するような地域ではこの先、建替える予定があっても、このような工事は絶対に選択できません。
瓦のずれを直しながらの部分的な漆喰の詰め直しと詰め増しを行いました。銅線の固定の見直しも行いました。定期点検に訪れた際、「あんたのところの工事は凄いね。この間の台風で近所の屋根は被害を受けていたけど、自分のところは何ともなかったわ」との声をいただきました。確かに弊社の工事品質は他社に劣ることはないと思っていますが、こちらは部分補修をしてから1年未満の台風でした。人類未体験の天候ならばともかく、通常の大型台風くらいは耐えないと補修した意味はありません。
飛散したカーポート屋根のFRP波板を遮光ポリカへ交換
家屋に隣接しているカーポートです。見た目で分かるとおり、かなり大きなカーポートで家屋の外壁に屋根が接合されているため、雨の日でも濡れることなく車かお家に移動できるため、かなり重宝していたということでした。横幅・高さとも大型車を余裕で収められる大きさがあり、奥行きも車2台を縦列できる広さがあります。車の駐車以外にもいろいろなことに利用できそうです。
その飛ばされた波板を見てみると、何とFRPの波板でした。塩ビ、ガラスネット入り塩ビ、ポリカ、トタン、ガルバリウム、スレートとさまざまな波板がありますが、FRPの波板はかなり珍しいのではないでしょうか。
残されている波板は中央の一部です。その波板が取り付けられていた下地の木材を見ますと、上側の板の劣化が激しいことが分かります。上側ということで、釘穴から浸入した雨水で劣化したのでしょう。こちらも交換が必要です。
残されていた波板、上側の桟木を撤去し、新しく組み直して下地の補強をします。上側の桟木は横に広く、下側のものは縦に幅広くなっていることが分かります。これ、それぞれ力のかかる方向を考えた上でこうなっているのです。
その上に遮光ポリカを取り付けていきます。ポリカの正式名称はポリカーボネイトで大変、強度と耐用年数に優れた素材です。これまで使用されていたFRPよりも軽くて安い、屋根材として使用されるなら強度もほぼ同じという特徴を持ちます。透明なものから遮光、遮熱と言った機能を持つものもあります。これで使い勝手のいいカーポートが蘇りました。
強風で捲れてしまった瓦棒屋根の葺き替え強風で捲れてしまった瓦棒屋根の葺き替え
強風で瓦棒屋根が捲れあがってしまいました。外見はそれほど古い感じは見られませんが、剥がれてしまった部分を見ると、芯木などが腐食しており、雨水が大分前から浸入していたことが分かります。
全てのトタン屋根材の剥がして新しく葺き替えます。まずは前面に防水紙を敷設します。その上に金属を取り付けていきます。新しい屋根材はこれまでのトタンではなく、ガルバリウム鋼板を使用しましたので、錆に強い屋根に生まれ変わりました。
物置屋根の剥がれてしまった波板トタン(ガルバリウム)の葺き替え
片流れの屋根の物置です。かなり古いものですが、しっかりと雨戸なども取り付けられているところを見ると、丁寧な造りがされていることが分かります。その物置の波板トタン屋根が強風で剥がされてしまいました。その下の防水紙も剥がされて、跡形もありません。
まず、防水紙を敷設します。今回は野地板に勾配に沿って胴縁を取り付けました。万が一、水が入ってきても容易に排水できますし、簡易的と言えど、通気にも使えますので、屋根が長持ちすると思います。棟側の波板の端は折り曲げて水が入らないよう処理します。
最後に棟板金を取り付けて完成です。ケラバ部分にも水切り金具を設けました。物置といえども丁寧に作られているので、まだまだ現役で使えるでしょう。
強風で雨樋が外れてしまうということはよくある被害です。樹脂製の雨樋は紫外線で硬化が進み、柔軟性がなくなってくると強風に耐えられず、割れてしまうことがあります。雨樋を固定している金具(止め具)、金具を固定する鼻隠し、これらも経年で劣化してくるので、雨樋ごともげてしまうこともあります。こちらは金具に折れたり、抜けたりしており、自重に耐えられなくなった雨樋が折れ曲がってしまったようです。
雨樋工事で重要なのは排水勾配(傾斜)を取ることです。どの部分でも排水の流速が均一になるよう、糸を張って角度を計り、勾配を一定にします。そこに雨樋を取り付けます。この後に排水テストを行い、問題なければ工事完了です。
非常に頑健な大波スレートであっても、硬い飛来物などが割れてしまいます。何があたったのか分からないのですが、こちらの大波スレートの屋根も大きく割れてしまいました。他の部分にも小さな穴が開いています。
ものは大きいものの、大波スレートも小波スレートも部分的に張替えというか、葺き替えが可能です。かなりの高さがあるため、クレーンを使って荷揚げをします。撤去した部分もクレーンを使って下に下ろします。
工場や倉庫のスレートの屋根は防水紙や下地があるわけではなく、鉄骨に直に固定されています。ものが大きかったり、高所なので大変な作業なのですが、工事自体はシンプルです。
なお、こちらの大波スレートも年代的に間違いなく、アスベストが入っていますが、破砕したりしない限り、飛散することはありませんので、ご安心ください。
台風による屋根への被災、まとめ
●今回の台風21号と台風24号だけでなく、台風の被害はさまざま地域に及びます
●台風21号と台風24号は大事な教訓を残しました
●台風による屋根への被害には予防できたかもしれないものと予防できなかったであろうものがあります
●無料点検をうけておけば、予防できる屋根への被害もあります
●被災してしまうと毎日、お天気のことを心配しなくてはなりませんし、次の台風のことでとても不安になります
●冬の降雪に備え、落雪被害を防ぐため雪止めの設置は必須です