折半屋根とは?特徴・用途・メンテナンスのポイントまで徹底解説
更新日 : 2025年07月14日
更新日 : 2025年07月14日
折半屋根(せっぱんやね)とは、金属製の屋根材を山折りと谷折りに成形し、波型に加工した屋根のことです。
主に工場や倉庫などの大型建築物に多く採用されており、強度と施工性に優れているのが特徴です。
本記事では、折半屋根の基本構造や使われる建物、施工時のポイント、そして維持管理で注意すべき点まで詳しく解説します。
折半屋根の基本構造とは?
折半屋根は、鋼板を山と谷の形に折り曲げて成形し、一定のピッチで並べて設置する屋根構造です。
断面が「W型」や「M型」に見えることから、英語で“trapezoidal roofing(台形屋根)”とも呼ばれることがあります。
使用される材料は、耐久性や防錆性に優れたガルバリウム鋼板や亜鉛メッキ鋼板が一般的です。
折り曲げ加工によって部材自体に剛性が生まれ、薄い鋼板でも大きな面積を支えることができるため、軽量でありながら高い強度を実現しています。
折半屋根が使われる建物の代表例
折半屋根は、以下のような大空間を必要とする建物で多く利用されています。
・工場や倉庫
・体育館や武道場
・車庫・カーポート・プレハブ建物
・商業施設や物流拠点の屋根
このような施設では、屋根にかかる荷重に耐えつつ、施工性とコストパフォーマンスが求められるため、折半屋根が最適とされているのです。
特に、内部に柱を立てずに広い空間を確保できる構造が必要な場面で真価を発揮します。
施工上の特徴と工法
折半屋根の施工では、次のような方法が使われます。
ボルト固定式
屋根材を重ねてボルトで固定する方法。
施工が簡単で費用を抑えやすい。
ハゼ締め工法
屋根材同士をはめ込み、継ぎ目を密閉する方法。
ボルト穴がなく雨漏りリスクが少ない。
また、断熱材が組み込まれた「断熱一体型パネル」もあり、断熱性・遮音性の確保が求められる建物で使用されます。
注意点としては、雨仕舞いや結露対策が不十分だと、屋根内部に水分が侵入する恐れがあります。
特に、継ぎ目やボルト周辺の処理が甘いと、雨漏りや腐食の原因になるため、設計段階からしっかりと対策を講じる必要があります。
折半屋根のメンテナンスのポイント
折半屋根は耐久性に優れた構造ですが、定期的な点検とメンテナンスを行うことで、より長く快適に使うことができます。
主なチェックポイントは以下の通りです。
・ボルト部分の錆・パッキンの劣化:経年劣化によってパッキンが硬化し、隙間から水が侵入することがあります。
・塗装の劣化:表面塗装が剥がれると、防錆効果が薄れ錆の原因になります。定期的な塗装で美観と耐久性を維持しましょう。
・パネルの浮きや変形:風の影響や熱膨張により浮きやたわみが生じる場合があります。放置すると固定力が落ちるため早めの補修が必要です。
点検の目安は5年ごとに1回以上。
必要に応じて、部分的な補修や再塗装を行うことで、折半屋根の寿命を延ばすことができます。
屋根の劣化が進んでしまった場合には、既存の屋根に重ねて新しい屋根を設置するカバー工法がおすすめです。
折半屋根を採用する際の注意点
折半屋根は機能性に優れていますが、建物の用途や環境によっては弱点を補う工夫が必要です。
たとえば、標準仕様では断熱性や遮音性が不十分なため、断熱材や遮音材を追加施工することが望ましいです。
また、雨や雪が多い地域では、排水計画をしっかり立てないと谷部に水がたまり、サビや雨漏りの原因になります。
まとめ
折半屋根は、施工性・コスト・強度のバランスに優れた屋根材で、特に大規模施設に適しています。
ただし、断熱・遮音・防水などの性能を補う工夫が必要であり、設計や施工、そしてその後のメンテナンスまで含めて最適なプランを立てることが重要です。
建物の特性や使用環境に応じて、最適な折半屋根を選択し、長く安心して使える屋根を実現しましょう。

関連動画をチェック!
スレート屋根カバー工事はなぜ金属屋根?他の選択肢は?【プロが解説!街の屋根やさん】
今回の記事で登場した工事やお住まいのトラブルに関連する動画をご紹介します!
こちらの動画では、工事の内容やお住まいのトラブルの対処方法などをより詳しく説明しています。
お役立ち情報が満載ですのでぜひご覧になってみてください。
このページに関連するコンテンツをご紹介
街の屋根やさんは千葉県以外にも東京都、神奈川県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方の地域の街の屋根さんをお選びください。

金属屋根工事に関連する新着ブログ

トタン屋根の寿命とメンテナンスの重要性

ガルバリウム鋼板製屋根材の断熱性能と製品紹介|断熱材付きで快適性アップ!

トタン屋根の劣化症状と修理方法を徹底解説|部分補修から葺き替え・塗装まで対応例紹介
