屋根の材質別、耐用年数やメンテナンス方法・周期について屋根の専門家が解説!
更新日 : 2021年09月14日
更新日 : 2021年09月14日
以前は瓦屋根が主流でしたが、現在では様々な材質の屋根を見かけるようになりました。新築の際、屋根材にこだわる人は少ないと思います。しかし、材質によって耐用年数や価格、メリット、デメリットは異なります。新築してから後悔しない為にも、屋根材を選ぶ際の注意点やそれぞれの耐用年数・価格、特徴を把握しておくことは大切です。
また、築年数が経過すると、屋根のメンテナンスやリフォーム工事をお考えになる機会も増えるでしょう。屋根の材質について少し知っておくだけでも、どんな工事を行うべきなのかを明確にし、最適な工事ができるのではないでしょうか。そこで、今回は屋根の種類別で見た材質や特徴などをご紹介致します。
屋根材を選ぶ際の注意点
屋根材を選ぶ基準は人それぞれ違いますので、重視する点によって選ぶべき屋根材が変わってきます。屋根材を選ぶ際には、「コスト」「耐用年数」「デザイン性」の3つをよく考えましょう。
コスト
工事を行うにあたり、最も重要な部分なのではないでしょうか。屋根材が異なると工事費用も変わってきます。初期費用で考えた場合、スレート材(カラーベスト)が最もお安く、次に金属屋根材、セメント屋根材、瓦のような順になります。しかし、瓦は耐用年数が長く、塗装も不要な為、メンテナンス費用を抑えることができます。長い目で見れば、お得なのです。
耐用年数
耐用年数とは、屋根材の寿命になります。後ほど詳しくご説明しますが、屋根材によって耐用年数も大きく変わってきます。最大限に延ばす為には、メンテナンスを怠らないことが大切です。屋根材によってメンテナンス時期も異なりますので、注意が必要です。
その住宅に何年住むのか・引っ越しをする予定はあるのかなどのライフプランがある場合には、それに適した屋根材を選ぶと良いでしょう。
デザイン性
長く住むお住まいですから、外観も大切ですよね。屋根材が変われば、住宅の印象も勿論変わります。屋根の形状に合ったもの、外壁の雰囲気とマッチしているもの、選び方は様々でしょう。どんな雰囲気に仕上げたいのかを明確にすることで、屋根材も選びやすくなると思います。
屋根材の種類
屋根材には様々な種類があり、それぞれ耐用年数やメンテナンス方法、その周期は異なります。ここでは、代表的な屋根材である4種類をご紹介します。まだ屋根のメンテナンスを行っていない方は是非、参考にしてみてください。
粘土瓦(釉薬瓦、無釉薬瓦)
(写真:釉薬瓦)
粘土瓦は、粘土を混練・成形し、乾燥後1,000~1,250℃程度で焼成して造られた屋根材です。表面の処理方法によって釉薬瓦と無釉薬瓦に分類されます。表面に釉薬を施してから焼成したものが釉薬瓦、成形後そのまま焼成したものは無釉薬瓦となります。釉薬を施すと、表面にツヤが出ますので、見分けることは容易です。
耐用年数:50~100年
メンテナンス方法:経年や揺れによって漆喰が劣化してきますので、漆喰のメンテナンスが必要になります。
メンテナンス時期:7~10年
セメント瓦
セメントと川砂を混ぜ、成形し、塗装したものです。瓦自体に防水性がありませんので、塗装を施すことによって機能をもたせています。粘土瓦と比べて初期費用が安い為、1970年代~1980年代にかけて広く普及されていました。しかし、様々なデメリットが問題となり、廃盤となっております。
耐用年数:30~40年
メンテナンス方法:塗装。破損や劣化症状によっては、屋根葺き替え工事を行う必要があります。
メンテナンス時期:10~15年
化粧スレート(コロニアル・カラーベスト)
セメントと繊維素材を混ぜて薄い板状に加工したものです。色やデザインが豊富な為、外壁とも合わせやすく、非常に人気があります。また、近年の屋根塗料は色も豊富ですので、塗装によって屋根の色を変更することも可能です。
耐用年数:20年~30年
メンテナンス方法:塗装
メンテナンス時期:20年~30年
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は金属屋根になります。以前、主流だったトタン屋根は錆びやすい難点があり、それを改善して造られたのがガルバリウム鋼板です。錆びにくく、耐用年数も優れていますので、屋根だけではなく、外壁にも使用されます。
耐用年数:30~40年
メンテナンス方法:3ヶ月~1年に一度の水洗い。塗装(15年~20年程度)
項目別におすすめの屋根材をご紹介
耐久性を求める
屋根に耐久性を求める方は、【粘土瓦】がおすすめです。耐用年数50〜100年ととても長持ちです。しかしメンテナンスフリーではありませんので、定期的にメンテナンスを行なう必要があります。瓦自体の寿命よりも先に、瓦の下の防水紙や野地板の寿命がきてしまいますので、約20年を目安に下地の補修、交換をしましょう。
初期費用を抑えたい
初期費用を抑えたい方には、【スレート屋根】がおすすめです。現在新築のお住まいで最も使用されているスレート屋根は施工しやすく、ほとんどの業者が施行可能な点もメリットです。しかし色あせや苔、ひび割れが起こりやすく、約10年で塗装によるメンテナンスが欠かせません。初期費用は低めですが、メンテナンス費用がかかるのでコストパフォーマンスが良い屋根材とは言いにくいです。
耐震性を求める
耐震性を求める方には、【ガルバリウム鋼板】がおすすめです。屋根が軽ければ軽いほど耐震性が期待でき、地震のときも安心です。1㎡あたり約60kgの瓦に対して、ガルバリウム鋼板は1㎡あたり約6kgととても軽量です。初期費用は安いとは言えませんが、耐久性があるためメンテナンス頻度が少なく、コストパフォーマンスの高い屋根材です。
防水性を求める
お住まいで1番おきてほしくないのが雨漏りです。雨漏りしにくい屋根、防水性の高い屋根を求める方には、【ガルバリウム鋼板】がおすすめです。実はガルバリウム鋼板はお住まいの様々な場所に使用されているのですが、雨樋もその一つです。雨水が通る雨樋に使用されているほど防水性の高い屋根材です。
近年の屋根材シェア率
2020年に発表された矢野経済研究所による屋根材市場の調査結果では、金属が約64%、粘土瓦が約15%、セメント系瓦が約14%、シングル材が約4%、石粒付金属が約3%となっています。
金属屋根の需要
近年では日本各地で自然災害が多発したことにより、屋根の軽量化を求める動きが強くなっているため、金属屋根の需要が増加傾向となっています。上記でも耐震性に優れていると紹介した【ガルバリウム鋼板】を含む金属屋根は、6割以上のシェア率を誇る結果となりました。
ですが【瓦】は耐久性に優れ、しっかりと施工がされていれば台風に強い屋根材です。台風などの自然災害が多い日本では、住む環境によって屋根材による対策も変わってきます。
新築需要の低下
金属屋根とは反対に、新型コロナウイルスの影響により新築需要が低下していることで【スレート材】や【粘土瓦】、【シングル材】は以前よりも減少傾向にあるようです。ですが、どの屋根材も適切なメンテナンスを行っていけば長くお住いを守ることができます。
特にシングル材はアメリカで8割以上のシェア率となっており、国によっても屋根材を選ぶ基準は変わってきます。
まとめ
屋根材別の特徴をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。今回は、代表的な屋根材のみご紹介させていただきましたが、その他にも色々な屋根材があります。耐用年数、価格、デザイン性…屋根材を選ぶポイントは、人それぞれ違うと思います。長く住むお住まいですから、ご自分のライフプランに合った屋根材を選びましょう。私たち街の屋根やさんでは、様々な屋根材のメンテナンスや屋根リフォーム工事を行っております。廃盤となってしまった屋根材のメンテナンスもお任せください。

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