風や地震などの自然災害に強い家を屋根リフォームの視点から考察します
更新日 : 2021年06月26日
更新日 : 2021年06月26日
だれでも自然災害によってお住まいが被害を受けるのは怖いです。風や地震の災害からできるだけ強い家に住みたいといっても、実際はどのような家が自然災害に強いのでしょうか?
ここ数年は巨大台風(令和元年房総半島台風、令和元年東日本台風など)で日本全国が甚大な被害を受けました。また、それよりも数年前になりますが東日本大震災では多くのお住まいが倒壊しています。その時に多かった被害、逆に被害を受けにくかった家がどのようなものなのかを屋根リフォームの観点からこのページでご紹介いたします。
自然災害別にみるお住まいの被害
街の屋根やさんでは台風や地震だけでなく様々な自然災害によって被害を受けたとのお問い合わせをお受けしています。
・台風などの強風
強風によってお住まいは様々なダメージを受けます。その中でも多くのお問い合わせがあったのは瓦のずれや破損です。瓦は釘などで固定せず組み合わせと土を使って固定している土葺きという工法があります。土葺きは築年数が50年以上経っていることが殆どで、最近の新築では使われない工法でもあります。使われていない理由は釘をつかっていないので強風で瓦が飛散、ずれなどを起こしやすいことや土を使うので屋根自体が重いことです。
屋根の平部の瓦だけでなく、屋根の棟も風影響でずれたり、酷い場合は崩れてしまうことがあります。棟に乗っていた熨斗瓦や冠瓦などが平部に落下してさらに瓦が割れてしまうケースも多いです。瓦以外の屋根材ではスレートや金属屋根材も風で外れてしまうことがあります。
強風による被害はそれだけでなく、天窓が飛来物によって割れた、雨樋が外れた、屋根のアンテナが倒れたなどの被害が多かったです。
台風被害について詳しくはこちらのページをご覧ください。
地震による揺れ
地震は二次被害として火災や津波などもありますが、ここでは揺れによる被害についてお話ししたいと思います。揺れで被害を受けやすいのはやはり屋根です。特に瓦屋根の場合は強風の同様瓦のずれの被害が多く、棟の倒壊なども発生します。また、阪神・淡路大震災をきっかけに2000年に木造住宅の耐震基準が厳しくなり、以前よりも強固な構造になっていますが、それ以前に建てられたお住まいのが合いは構造的に弱く倒壊の危険が高まります。(地震対策についてのリフォームはこちら)
大雨による被害
大雨は台風に伴うことが多いのですが、大雨が降れば地盤が緩んで土砂崩れの発生、河川の氾濫などがあります。強風ほど直接の原因で何かが破損するケースはすくないですが、普段は気が付かなった雨漏り箇所が、大雨によって発覚するケースも多いです。また、浸水によって床が濡れ、腐ってしまうこともあります。
雪(雪害)
雪の多い地域は雪害に強い家になっているため、雪害を受けるのはそれほど積雪が多くない地域で数年に一度の大雪が降った場合に多いです。中でも多いお問い合わせが雨樋の破損です。雪が雨樋に溜まって重みで破損してしまうためです。他にも雪が屋根に残っていることで雪解け水が侵入して雨漏りになるケースもあります。また、カーポートやサンルームの屋根に積もった雪で倒壊してしまったり、雪が固まり落下した衝撃で屋根を破損させてしまうことも多いです。
凍害
建材に水が染み込み、それが寒さによって凍ることで起こるのが凍害です。水は液体の時よりも固体の時の方が約9%体積が増えるという珍しい物質です。固体はかなり厄介です。気体は圧縮できますし、自由に形を変えることができます。液体も流動性がありますし、こちらも自由に形を変えることができます。しかし、固体は字が示すとおり、固まった状態ですから、自由に形を変えることができません。粘土瓦に水が染み、それが凍ったとしたら、どうなるでしょう。染みたところで体積が増えるので、そこから割れていきます。屋根材のスレートや外壁に使われる窯業系サイディングも同じことです。染み込んだ水が凍れば、そこを起点に割れていきます。霜柱は家を持ち上げるだけの力がありますので、どんな強固なけんざいであっても凍害の前では無力なのです。凍害を防ぐには建材に水を染み込ませなければいいだけの話です。防水性を保つため、定期的な屋根塗装や外壁塗装でメンテナンスしてあげてください。また、凍害が起こりやすい地域で瓦屋根の場合、吸水率が低い瓦が使用されていますので、凍害が起こることはほとんどありません。
雹(雹害)
ここ最近では2017年7月18日の東京都内での雹被害です。このときは直径5cmという大きな雹が降ったことで多くの被害が発生しました。屋根の塗装など表面の傷にとどまらず、屋根材自体が割れてしまったことや、カーポートに穴が空いてしまうこともありました。雹が当たる場所は他にも外壁やシャッター、戸袋、霧除けなど多岐にわたっており、一見して被害をうけていないと思っても、実際に街の屋根やさんで現地調査を行ったところ様々な箇所に被害が見つかったケースがあります。
自然災害に強い家(防災瓦編)
台風の強風や地震での被害が多い瓦ですが、実はそれに強い瓦があります。防災瓦といって風速46mにも耐える耐風性能があり、震度7クラスの地震でもずれたりしない機能をもっています。この瓦は瓦同士が組み合わさるようにロック機構になっていて、それだけでもずれにくいことに加えビスで瓦自体を屋根に固定します。
自然災害に強い家(屋根の軽量化編)
地震による揺れは屋根の重さによって受ける被害が変わります。重い屋根は揺れ幅も大きくなりますので、それだけ建物のダメージが大きくなります。そのため、耐震対策で屋根を軽量な屋根材に変える方も多いですし、屋根のリフォームに合わせて軽量な屋根材をお選びいただく方も多くなっています。
軽量な屋根材で街の屋根やさんがお勧めするのはガルバリウム鋼板を使った金属屋根材スーパーガルテクトや、ハイブリット瓦のROOGAシリーズです。
自然災害に強い家(雪止め金具編)
雪止め金具とは、屋根に積もった雪が落下しないように取り付ける専用の金具です。雪国ではよく雪下ろしをしている風景がありますが、それは雪の重みで家が倒壊しないためです。それほど積雪が多くない地域では倒壊することはほとんどないので、逆に雪が落下した時の被害について対応が必要になるのです。雪止め金具を屋根に設置することで雪が落下しにくくなるので、雨樋の破損や落下した雪でのカーポートの破損、さらには人への被害を防ぐことができます。雪止め金具は新築でなくても後付け可能ですし、屋根材は瓦、金属、スレートなど多くの屋根材に対応できる雪止め金具がそろっています。
鉄筋コンクリート造のお住まいは台風の影響を受けにくい
令和元年の台風15号、19号は千葉県に大きな被害をもたらし、瓦や棟が飛んでしまった、窓ガラスが割れてしまったというお住まいが多くあり、特に木造のお住まいは被害を多く受けてしまいました。一方、鉄筋コンクリート造(RC造)のお住まいの被害はあまりありませんでした。台風の多い沖縄県では約70%のお住まいが鉄筋コンクリート造と言われているほど、鉄筋コンクリートは台風に強いのです。
鉄筋コンクリート造は、鉄筋を組んだ枠型にコンクリートを流して固めたもので、高い強度を持っています。メリットは、耐久性、耐火性、耐震性、遮音性が高いことです。様々な面で優れていることから、鉄筋コンクリート造は多くの方が住むアパートやマンションに採用されています。一方、費用が高いことがデメリットとして挙げられます。また、耐久性に優れた鉄筋コンクリート造のお住まいでも雨漏りは発生しますので、定期的な点検やメンテナンスは必須です。
風や地震などの自然災害につかえる火災保険
地震災害に強い家を考えるために、防災瓦を使ったり雪止めを設置することは大事です。しかし、それでも人知を超えた自然災害に遭遇した場合は被害を受けてしまうかもしれません。そんな時は火災保険を使って実費なしでの修理も可能です。
火災保険が対象となる災害は下記の通りです。
・火災
・落雷
・爆発破裂
・風災
・雹災
・雪災
・水災
ご加入している火災保険の内容によっても異なるため、もしもの備えとして内容を確認しておくことが大事です。
街の屋根やさんでは火災保険を適用するために、現地調査時に被害の写真を撮影したり、保険会社への申請書類の準備もお手伝いさせていただきます。
自然災害に強い家の条件として、もしもに備える火災保険も大事です。
火災保険を利用する時の注意点
火災保険の対象となるのは、上記の「自然災害によって発生した被害」であることのほかに、「被害が3年以内のもの」です。屋根などは自然災害が発生後、すぐに確認することができないため3年という猶予があります。しかし3年以上が経過してしまうと、保険法第95条により、火災保険の対象外となってしまいますので自然災害後には一度業者に点検を依頼することをおすすめします。
また、被害を受けた場所の補修費用によって火災保険が適用されるかが決まります。火災保険の種類にもよりますが、被害箇所を被害前の状態に戻すのに必要な費用が20万円以上であると保険金が支払われるのが一般的です。20万円と聞くと、「大きな被害でないと保険金が支払われないのでは?」と思われるかと思いますが、この20万円には、足場の架設代や材料費なども含まれますので、保険金が支払われることが多いです。支払われる保険金額は、あくまで「被害前の状態に戻すための費用」ですので、被害を受ける前よりグレードアップさせるためにはご自身で費用を負担する必要があります。
まとめ
風や地震に負けない家について考えると、やはり一番に鉄筋コンクリート構造(RC造)がイメージされると思いますが、今のお住まいをそう簡単に建て替えられる方は多くありません。今のお住まいの中で自然災害に強いお住まいをと考えるなら、一番にやってほしいことは現状の確認です。私達街の屋根やさんではお住まいの点検を無料で行っております。悪くなっている箇所がもし発覚した場合は工事のお見積りも無料で作成させていただきます。まずは現在のお住まいを健常にしておくこと。ほとんどの台風などの被害を受けた場合は、すでに傷みがあった場合や、釘が抜けかけていたなどのメンテナンスをしっかりやっておくことで防げた被害も多いのです。また、もしもの時のための火災保険への加入があれば、安心です。
そして、いざリフォーム時期に来たタイミングで、耐震性の高い部材を使うといったことを行うのが理想的でしょう。

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