屋根の勾配はデザイン性だけでなく、機能性にも違いがあります。また、屋根工事をする上で必要となる足場も屋根の勾配によっては必要が出てくるなど、長くお住まいになる建物だからこそ勾配の緩急によるデメリットを理解しておきましょう。
・急勾配のメリット
屋根に降った雨水は傾斜が急なほど、軒先に向かって流れやすいため、水捌けがいいです。また、雨水の滞留時間が短いことから雨漏りのリスクも少ないこともメリットです。水捌けのよさは苔や藻の発生も抑える効果があることや、汚れ防止などの利点もあります。
他にも勾配が急な屋根は、屋根自体が大きく見栄えがいいことから景観にこだわる方にもおすすめです。
・急勾配デメリット
メリットで「屋根が大きい」とありましたが、そのぶん建築時の材料や施工時間のコストが増えます。また、メンテナンス時期にくると、並勾配以下の屋根であれば足場は必要ありませんが、急勾配になると屋根足場が必要になります。
・並勾配のメリット
一般的に広く使われている屋根の勾配ということもあり、メンテナンスや新築時などのコストパフォーマンスがいいのが並勾配です。施工されている数も多いことから問題が発生した場合でも解決のためのノウハウが多く蓄積されているので安心です。勾配によっては使える屋根材に制限がありますが、並勾配の場合はほとんど問題なく使うことができます。
・並勾配のデメリット
デメリットについてはほとんどないのですが、強いてあげるのであれば没個性になりやすいことです。「人と同じはイヤ」というオリジナリティーを求める方には向いていないかもしれません。
・緩勾配のメリット
急勾配、並勾配と比べて屋根が小さいので新築時の費用が比較的安くなります。また、屋根が小さいことで風の影響を受けにくいことや、屋根塗装時に塗装面積が狭いので使う塗料も少なく施工時間も短くなりコストを抑えることができます。
他にも勾配がゆるいので工事時の転落のリスクが少ないことや、屋根足場も必要ありません。
・緩勾配のデメリット
急勾配では傾斜が急で水捌けがいいことは、逆に緩勾配の場合は水捌けが悪くなります。その分雨漏りのリスクが高まることや、苔や藻の発生しやすいデメリットがあります。これらの結果から屋根材自体の寿命も短くなりやすいのでメンテナンスはこまめに行う必要があります。