物置屋根の修理方法とは?タイプ別修理方法やDIYが可能かどうかについて
更新日 : 2023年02月24日
更新日 : 2023年02月24日
アウトドア用品やガーデニング用品など大きな物を入れておける物置、農機具や資材などの保管に重宝する小屋。使用頻度が低くても、物置や小屋には「暮らしにとって大事なもの」「農機具や日曜大工に使う工具」など大切なものを保管する目的があります。もしも雨漏りが起きて、中が水浸しになってしまったら困ってしまいますよね。
しかし、屋外にある物置や小屋の屋根は、住宅と同じように傷み、雨漏りリスクがあります。しかも、人が住んでいるわけではないため、目が届きにくく、内部まで雨漏りが起こっても気づきにくいでしょう。
「物置の屋根が錆びて穴があいていた」
「屋根がもろくなっていたようで台風で剥がれてしまった」
「かなり古い小屋だから屋根が心配」
などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、物置屋根の素材別に修理の方法をお伝えします。街の屋根やさんでは、物置屋根の修理のご相談を受け付けております。物置や小屋の屋根のことでご不安な点があるときは、ぜひお気軽にお問い合わせください。
一般的に、戸建て住宅で併設されているような物置には、いくつかのタイプがあります。ホームセンターなどで購入できるような金属物置やプレハブタイプの小屋のほか、倉庫や納屋などもあるでしょう。屋根の種類は大きく分けて次の2種類の素材があり、どちらも修理をすることができます。
金属屋根
金属屋根と聞くと、倉庫や物置小屋で良く使われていた「トタン」をイメージされる方が多いのではないでしょうか。亜鉛メッキで覆った薄い鉄板で、耐久性が高いことから、住宅の屋根にもよく使われていました。ただ、錆びやすいという欠点があります。
また、海風によって塩分が運ばれる沿岸部では、金属素材の屋根は錆が発生しやすいです。
最近では、トタンと比べて耐久性が高いガルバリウム鋼板の屋根も主流になってきました。
ほとんどの既製物置は、素材全体が金属です。塗装済のスチール、ガルバリウム鋼板などの素材からできた物置が人気です。物置のサイズはさまざまありますが、人間の身長よりは高く、屋根の上はあまり見えません。経年劣化で小さな穴があいていることもあれば、部分的に強風のたびに屋根材がめくれていることもあります。
最近注目度が高まってきたガルバリウム鋼板は、アルミニウムや亜鉛、ケイ素(シリコン)でメッキされた素材です。金属なのでまったく錆びないわけではないですが、錆びにくさで言えば、トタンの約4倍。防水性や耐久性を備えた金属素材です。
樹脂波板
自作、もしくは大工さんに作ってもらったなどの物置小屋の場合、樹脂波板を使っているケースも多いです。樹脂波板は、ホームセンターに行けば誰でも入手できる、リーズナブルな材料で、DIY作業にも選ばれ軽くて加工がしやすい特徴があります。ただ、劣化しやすい素材です。寿命としては短く、3年ほど経てば屋根材としては強度がなくなります。ダメージが広がる前に、早めのメンテナンスをしてくことが大切です。
そのほか、物置屋根として使われることが多いのは、ポリカ(ポリカーボネート)波板です。耐衝撃性があって割れにくく、紫外線への耐性もあります。塩ビ波板と比べると、強度が高く、ポリカ波板に代わって物置屋根として注目されています。
ポリカ波板は塩ビ波板と比べて、採光性、施工性共に、劣ることはありません。加工もしやすいので「丈夫な屋根材」を考えているときにおすすめです。ただ、塩ビ波板よりも価格は高くなってしまいます。しかし強度があって耐用年数が長めなので、その分メンテナンスコストを抑えることが可能です。
屋根材の種類は問わず、修理の相談をお受けしています
ご自宅の物置の屋根が塩ビ波板やポリカ波板ではないという方もご安心ください。私たち街の屋根やさんは屋根の専門業者なので、瓦やスレート、アスファルトシングルなどであっても対応が可能です。修理をご検討の際はお気軽にご相談ください。
ひび割れや穴があいたなど、物置屋根に不具合を見つけたらなんとかしなければと不安になりますよね。特に、それが原因で雨漏りが起こっていれば、内部に置いてあるものが濡れてしまうため早めに何とかしたいものです。住宅の屋根と違い、規模がコンパクトな物置ですから、「これくらいなら自分で直そう」と思われる方も多いかもしれません。
応急処置をするなら地面から近い箇所限定で
物置小屋の屋根は、見上げるような高い場所ではないため、「ちょっとハシゴをかければ届きそう」と安易に考える方もいるかもしれません。でも、ハシゴで物置小屋の屋根にあがり、上に足を乗せたところ、劣化が激しくて屋根ごと足が突き抜ける可能性もあり危険です。応急処置をするなら、地上から手の届く範囲にとどめましょう。
軽いひび割れや小さな穴ならコーキング材で補修ができる
軽微なひび割れや小さい穴があいたケースでは、応急処置としてコーキング材で防水処理が可能です。コーキング材はホームセンターでも手に入り、補修アイテムのなかでもコストもかからず数百円くらいで購入できるものもあります。
ただ、コーキング材と言っても種類があり、素材に合ったものを選ぶことが大切です。それに正しい工程で補修しなければ、早い段階でコーキング材が劣化してしまう恐れがあります。また、低価格なコーキング材はその分耐久性も低いため注意が必要です。補修前は、汚れや錆びを落としてから、必要であれば下地材も塗り密着性を高め、丁寧に作業しましょう。
小さな穴やひび割れなら防水性のある補修テープで塞ぐ
穴があきそう、小さいひび割れがあるといった程度なら、防水性の高い補修テープで隙間を塞ぐ応急処置ができます。テープを貼る際、濡れていると粘着力が弱まりますし、汚れがあれば隙間ができます。作業前に、汚れや水分を落として貼りやすい状態にしましょう。
【補修範囲が広いケース】ブルーシートを被せる
雨漏りが広範囲まで広がれば、コーキング材や補修テープでは対応ができません。また、「雨漏りは起こっているけれどどこからか分からない」というときは、全体的にブルーシートを被せることが雨水の内部浸入を防ぐ確実性の高い方法です。
ブルーシートを被せるときの注意点は「隙間を覆うように正しく被せる」「強風対策をすること」「劣化したブルーシートを使わない」という3点です。
せっかく被せても小さな隙間を見逃すと、そこが雨水の浸入口になります。また、ブルーシートを被せた後に強風をともなった雨が降ることもあるので、めくれないように土嚢などを使って対策しましょう。
そして、ブルーシート自体に穴があいてしまっていれば、応急処置の意味をなしません。新しいブルーシートなら安心ですが、古いものを使う場合でも穴あきをチェックしてから補修をしましょう。
DIYはあくまでも応急処置にとどめる
物置屋根の補修は、手が届く範囲、小さな範囲なら、DIYでの応急処置は可能です。正しい方法で応急処置をして、雨漏り被害を最小限に抑えていきましょう。
ただ、雨漏りが始まっている時点で、物置屋根は相当傷んでいます。さきほどお伝えした応急処置は「とりあえずの対策」であって、本当の意味での補修ではありません。根本的な解決とは言えないのです。
ブルーシートで全体的に屋根を覆えば、当面の間、雨漏りの症状を抑えることができます。しかしそれは「雨漏りを一時的に止めている」に過ぎず、ブルーシートが時間の経過とともに劣化すると雨が少しずつ入り込んで、屋根が傷んでいくことになります。あくまでも応急処置ですから、雨漏りが全体に広がらないうちに、早めに専門業者へ補修を依頼することが重要です。
金属製屋根の場合、「張り替え」や「カバー工法」で物置屋根の修理をしましょう。金属素材の屋根は、既成品の物置のほか、プレハブ小屋や倉庫などに使われていますが、どのタイプであっても基本的な修理の方法は共通しています。
屋根張り替え(葺き替え)
物置屋根全体が著しく傷んでいる、雨漏りの症状がひどいという場合など、屋根の破損がひどいケースなら、全面張り替えをすることが望ましいです。既存のダメージがひどい屋根材を撤去し、新しい屋根材へと張り替えることで問題を一掃できます。下地も含めて新しい屋根へと生まれ変わらせることができるため耐用年数がリセットされ、耐久性も高まります。
施工事例
・物置小屋のトタン波板を解体、SGL鋼板で葺き替え
こちらの物置小屋の屋根は、トタン製でした。全体的に錆びが目立ち、雨漏りが発生したとのことで、修理を検討しているとお問い合わせいただきました。
葺き替えのために、既存のトタン屋根を解体しました。下地の木材には雨染みが見られましたが幸いにも腐食までは起こっていませんでした。下地の耐久性は保たれているため、新しい防水紙を敷いて防水効果を高めます。
新しい屋根材に選んだのはSGL鋼板製の波板です。ガルバリウム鋼板よりも、錆に強い特徴がある素材です。また、波板を打ち付ける釘が錆びないように、ポリカーボネートを使った錆びに強い釘を選択しています。工事の日は幸い雨も降らず、作業がスムーズに進みました。1日で工事も完成し、雨漏りを解消することができました。
カバー工法(重ね葺き)
カバー工法は既存屋根をそのまま残し、上から新しい屋根を被せる修理方法です。「重ね葺き」とも言いますが、これは屋根を重ねて二重になるからです。
カバー工法は屋根材を撤去しないため、葺き替えよりも「工期短縮・工事費用が安い」という特徴があります。ただ、どんな場合でもカバー工法を選べるわけではなく、「下地が腐食・損傷していない」「物置の強度が衰えていない」というケースで選択できる修理方法です。
既存の屋根材の上に、新しい屋根の土台にするための垂木やコンパネを取り付けます。その上から新しい防水シートを敷設しますので、より雨漏りに強い屋根になります。
施工事例
・穴が開いた物置屋根に野地板を張って重ね葺き
内部から見ると、金属屋根の錆びた部分に穴があいているのが分かります。隙間ができて、光が漏れています。すでに雨漏りが発生しているため、重ね葺きでの修理をすることになりました。
野地板として合板を張っていき、防水紙も敷いて防水効果を高めます。
雨水の処理のため、金属役物を四方に取り付けます。新しい金属屋根は、屋根の傾斜にしっかりと合わせて施工しました。
・茶色に錆びた作業小屋屋根のカバー工事
こちらは、作業小屋として利用されている建物だそうです。屋根全体に真っ茶色の錆びが見られます。今ある屋根の撤去が難しいプレハブ構造でした。そこで、新しい屋根を覆っていくカバー工法での修理をご提案させていただきました。
元の屋根材の上に下地の木材を汲んでいきます。その上に、新しい屋根材を張っていきます。素材として選んだのは、錆びに強いガルバリウム鋼板製の屋根です。勾配が緩い屋根では雨水が流れづらく、雨漏りが起こりやすいという注意点があります。そのため段差がなく雨水が流れやすい、縦葺きの形状を選択しました。
ケラバ(雨樋がない側の屋根の端)や軒の部分にも板金を施しました。綺麗な見た目となったことで、お客様にもご満足のお声をいただきました。また、小屋の内部の天井にも新しい板を張って、錆が落ちてこないような対策をしています。
定期的な塗装メンテナンスで屋根の錆びを防止する
金属製の屋根はとても丈夫です。ただ、いったん錆びが発生すると劣化が進んでしまいます。錆びが拡大すると素材に穴あきや破損をもたらし、それが雨漏りの原因となってしまうのです。
金属素材の屋根は、薄いめっきで表面を覆い、その上から塗料を塗って水が浸み込まないように保護しています。しかし、塗料にも耐用年数があり、一度塗ったからと効果が永久的に続くではありません。定期的に塗り直しをして、屋根の耐久性が低下してしまわないよう注意しましょう。
塗料によって耐用年数は異なりますが、耐用年数に近づくほど塗料が持つ「保護力」がなくなっている状態となります。そこに、酸性の雨水や潮が含まれた風などが加わると、屋根の錆びが進んで錆びてしまうでしょう。塗料の保護力を高めて錆を防ぐため、定期的に塗装メンテナンスをすることが大切です。
簡易的に建てられた物置小屋の場合、塩ビ波板やポリカ波板などの樹脂製の波板屋根を使っていることが多いでしょう。このうち、塩ビ素材の波板の場合、耐候性は低めで傷みやすいです。
耐用年数の短さから、取り付け後、数年も経たないうちにひび割れることも。もろくなった屋根材は強風にも耐えられなくなり、煽られ、捲れて剥がれることもあるでしょう。状況に合わせて、部分的修理、もしくは全体的に張り替える修理が必要です。傷み具合にもよりますが、骨組みの強度が弱まったときは、合わせて補修しなければならないでしょう。
丈夫な屋根へと補修
塩ビ波板は錆にも弱く、耐用年数が短いです。現在の物置屋根が塩ビ波板なら、補修のタイミングでポリカーボネートをお選びいただくことをおすすめします。ポリカーボネートは塩ビ波板よりは高額ですが、錆びにも強く耐用年数が長い素材です。初期費用こそ高いように思えるかもしれませんが、その分長持ちしてくれるため、今後のメンテナンス面を考えるとリーズナブルな素材と言えるでしょう。コストパフォーマンスの良さから、樹脂製の物置屋根材の補修工事では、ポリカーボネートが多く選ばれています。
金属製屋根にするという選択肢もある
物置屋根の新しい屋根材として、金属製にするのも選択肢のひとつです。塩ビ波板よりもポリカ波板の方が耐久性も高いですが、そのポリカ波板よりも高耐久なのがガルバリウム鋼板です。耐用年数の長さやメンテナンス性にも優れた素材で、雨漏りのリスクも大きく減少します。今後のメンテナンスの手間も少なくできるでしょう。
物置屋根材の素材として「塩ビ」「ポリカーボネート」「ガルバリウム鋼板」とありますが、価格的に最も安いのは塩ビ波板です。1枚(6尺=幅655㎜、高さ1820㎜)600~900円程度での購入ができ、1~3年程度の耐用年数です。また、ポリカ波板なら、同じくらいのサイズでも価格は高く、800~1500円前後ですが、その分、耐用年数は10年ほどと長くなります。ポリカ波板は、プラスチック樹脂のなかでは耐久性に優れています。素材の強度は年々落ちていくため、強度が低下したところに強風などで何かが飛んできたり、雪が積もると割れてしまうというリスクが考えられます。
一方、ガルバリウム鋼板は金属製で、素材の厚みやデザイン、機能性など豊富な種類によって価格はバラバラです。物置だけではなく住宅の屋根に使用されることも多いガルバリウム鋼板は耐久性や錆びへの耐性に優れていますので、ポリカ波板の2倍、20年ほどの耐用年数が期待できます。
「我が家の物置屋根は何の素材がいいのだろう」「修理の際に金属屋根にしたい」「予算に合った修理内容を知りたい」など、物置屋根の疑問やご不安はお気軽にお問い合わせください。
物置屋根の修理に、火災保険が使えるケースもあります。強風や雹(ひょう)、積雪など、明らかに自然災害が要因となった破損の場合、契約内容によっても異なりますが対象となる可能性が高いです。
物置や小屋、車庫などが火災保険の対象かどうかは、それぞれが加入している保険会社や契約内容によって違います。修理費用が少なかった場合や、被害後3年過ぎたときの申請などは適用にならないなどの可能性もあります。補償内容については契約書を読んでも分かりにくい点があるでしょう。ご自身のケースが対象となるかどうか、まずは加入先の保険会社に問い合わせしてみることをおすすめします。
火災保険を使って修理をする場合、補修工事の見積書や写真が必要になってきます。街の屋根やさんでは保険会社への提出書類のサポートもいたしております。火災保険を使用しての修理をご検討の際は、お気軽にその旨をご相談ください。
物置や小屋は、あまり使用頻度の高くない物を置いているケースも多いです。出入りの頻度も低いので、屋根が劣化しても気づかないかもしれません。雨漏りがいつ起こったか分からない、中に置いていたものが雨水に濡れて腐っていた…など、しばらく経ってから気づくことのないように、定期的に状態を見てあげましょう。
ただ、物置小屋の場合、住宅よりも規模が小さく、修理費用をかけたくないからと「DIYで補修しよう」と考えるケースもあるでしょう。ただ、物置小屋とは言っても、ダメージがひどい屋根にあがるのは危険をともないますし、正しい処置ができなければ無意味なものとなってしまいます。危険な作業をした結果、根本的な解決にならず、雨漏りが余計にひどくなったという失敗も考えられます。
DIYの場合は応急処置にとどめ、本格的な修理は専門業者へお任せいただくことをおすすめします。街の屋根やさんでは、住宅の屋根修理はもちろん、物置や小屋などの建物の屋根の点検もいたします。物置や小屋、倉庫の屋根が気になるときは、お気軽にご相談ください。
物置屋根タイプ別修理方法!DIYはできる?まとめ
●物置屋根の修理は、DIYでは難しいことが多いです。あくまでも応急処置にとどめ、施工範囲は地上から手が届く範囲内にしましょう。そのうえで、専門業者に早めに連絡してきちんと根本的な解決をしてもらうことが大切です
●金属製の屋根の補修は、張替え、もしくは屋根カバー工法で対応できます
●いったん錆が発生すると金属素材の屋根の劣化スピードが早まります。保護力を高めるために、定期的に塗装メンテナンスをしていきましょう
●塩ビやポリカなどの樹脂製屋根は金属素材よりも耐用年数が短いです。補修をきっかけに、金属屋根にすれば耐久性が向上して耐用年数も高まります
●物置屋根の補修工事に火災保険が使えるケースもあります。強風や雹・雪などの自然災害は補償を受けられることも。契約内容によって異なるので、まずは確認してみましょう
●街の屋根やさんでは、既製品の物置やプレハブ小屋、倉庫、納屋などのさまざまな建物の屋根修理も対応しております。点検をご希望のときは、ぜひご相談ください
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