パラペットとは?パラペットのメリット・デメリットとメンテナンスについて
更新日 : 2024年05月02日
更新日 : 2024年05月02日
ビルの外周を囲む壁は、歩行可能な屋上として使用するために設けられているものではないのがほとんどなのをご存知でしょうか?
じつはこの屋上や陸屋根の外周に囲まれている壁、パラペットは外壁やサッシ周辺の防水性を高めることを目的としたものなのです(*^-^*)
このようなパラペットは陸屋根以外にも一般的な戸建て住宅の屋根にも取り付けられることがあります!
今回はパラペットのメリットや役割、メンテナンスについてご紹介していきたいと思います。
こちらの記事はおおよそ5分で読むことができます(^▽^)/
パラペットとは
パラペットは、建物の屋上やバルコニー・ベランダなどの外周部に設けられる立ち上がり部分であり、手すりのような構造をしています!
その歴史は古く、当初は城壁の一部として敵軍の遠距離攻撃を退ける役割を担っていました(#^^#)
しかし、現代においてはその用途が大きく変化し、防水性・安全性・排水性の向上を担っています!
パラペットの役割
まず、パラペットの主な役割として挙げられるのが、「排水性の向上」です。
パラペットが設置されるベランダや屋上はほぼ傾斜が無い事から、生活空間として活用できます!
しかし、平らな屋根やバルコニーに雨が降った場合、外周に遮るものが無ければ雨水は外壁に流出してしまいますよね(>_<)
そこで、外周に設置されたパラペットは、雨水をせき止める事で雨水を排水口から適切に排水する役割を担っています。
また、安全性の向上も重要な役割です!
ベランダやビルの屋上は高所ですので大変危険な場所と言えます。
パラペットを設置する事で、高所からの落下リスクを低減する事が出来ます!
さらに、パラペットは外観のデザインにも大きく影響します。
特に、近年流行しているモダンでスタイリッシュなキューブ型の建物では、デザイン性を重視してパラペットの素材・形状が選定される事が多いです!
上記の様に、パラペットは設置個所の安全性・排水性・デザイン性を大きく向上させる役割を担っています。
パラペットの材質と選定ポイントとは
パラペットの材質はコンクリート・金属素材・ガラス・石材など様々です。
例えば、商業ビルや高層住宅のベランダ・バルコニーでは室内からの眺望を妨げないように透明感のあるガラス製のパラペットが採用されることがあります。
一方で工場・倉庫では機能性が重視されることから、シンプルなコンクリート製のパラペットが設置されることが多い印象です。
上記の様に、パラペットの材質選定は設置個所・用途を考慮して検討する必要があります!
パラペットのメリット・デメリット
続いて、パラペットのメリット・デメリットを詳しくご紹介致します!
パラペットのメリット
まず、パラペットには以下のようなメリットがあります!
〇外壁やサッシの防水性の確保
陸屋根のような四角いビルに雨が降ってきた場合、高さや風向きにもよりますが、大量の雨を受けるのは陸屋根になりますよね。
陸屋根が受けた雨はどうなるか想像してみてください。
もしパラペットが無い場合はの陸屋根では、勾配が無くほぼ平らな状態の為そのまま陸屋根から外壁を伝って雨が流れ落ちます(-_-;)
また、外壁の途中にあるサッシの部分に雨水が差し掛かれば雨水が滞留しやすくなります。
少しでも隙間があればそこから室内に雨水が浸入する場合もあります。
しかし、パラペットが存在している陸屋根の場合は、陸屋根が雨水を受け止め、パラペットが外壁に伝うことを防いでくれます(*^^)v
雨樋などを用いて受け止めら雨水を適切に排水してくれます。
このようにパラペットがあるのとないのとでは、かなり防水性が異なるのです!
〇外壁のデザイン性向上
街中でキューブ型のお住まいを見かけたことはありますでしょうか?
キューブ型のお住まいはシンプル、モダンでかっこいい印象を持つ方は多いのではないでしょうか。
キューブ型住宅の場合の屋根形状にはさまざまなパターンがあります。
見た目通りで陸屋根のものと外観はキューブ型ですがパラペットに囲まれているだけでその内側は片流れ屋根の場合があります。
片流れ屋根の下端にはもちろん雨樋が備えられており、勾配がある屋根を水平に見せるためにパラペットを設置するというアイデアなんですね(*_*)
〇店舗などの看板を設置しやすい
小売業などを営んでおり、そのような店舗では看板を掲げるためにパラペットを設置されたという建物も多いです。
現在ではあまりそういった建物は減少傾向にありますが、昔ながらの商店街にはまだ残っていたりもします。
パラペットのデメリット
続いてパラペットのデメリットについてご紹介致します。
パラペットのデメリットには、主に雨漏りしやすいことがあげられます。
一時的とはいえ、パラペットは雨水を屋根の勾配や自然の流れに任せず、その内側の雨樋や陸屋根の排水口に治める仕組みです。
一般的な屋根も勾配に沿って流れてきた雨水を雨樋に治めるのですが、設置されている位置が大きく異なってきます。
パラペット内側の排水溝や箱樋の真下は室内です。
そのため、軒樋とはことなり位置関係を考えるとパラペットは雨漏りのリスクが高いのです(>_<)。
パラペット上面を保護する「笠木」とは
笠木は主に金属・石材・木材・プラスチックなどを主原料として製造され、パラペット最上部に設置される仕上げ材です!
パラペット上部からの雨水の侵入を防ぎ、壁内や躯体部への浸水を防ぐ大切な役割を担っています。
また、耐風性を向上させる役割を持つ為、そうした意味でも高い場所に設置されるパラペットには欠かせない存在と言えます。
しかし、その一方で笠木は劣化が進行しやすく、ベランダ・バルコニーの中でも雨漏りリスクが高い箇所として知られています
雨漏りを未然に防ぐ為にもパラペットと併せて、必ず笠木の定期的な点検・メンテナンスを行う様にしましょうね(^^♪
メンテナンスについて
パラペットは上端の笠木、外壁から立ち上げられた壁、パラペットの内側(屋根側)の排水溝や箱樋(箱谷・内樋)から構成されています。
これら3か所はいずれもメンテナンスを行う必要があります。
また、雨漏りが発生している場合はこれら複数個所の補修が必要となることもあります(-_-;)
・笠木
最も傷みやすい笠木のメンテナンス方法には、塗装や漏水箇所の補修、交換が主にあげられます。
・笠木下部
笠木の下の部分、胸壁のメンテナンスには塗装、漏水箇所の補修、重ね張り(カバー工法)・張り替えを行います。
・谷樋
パラペットの内側、谷樋のメンテナンスには、掃除・塗装・交換を行います。
・排水溝
排水溝のメンテナンスは陸屋根の防水工事とほぼ同じになります。
FRP防水、シート防水、ウレタン防水など、表面のトップコートが色褪せてきたら、そろそろ塗り替え時になります。
パラペットと笠木の間には雨漏りを防ぐために通気口が必要
パラペットの上部にある被せ材を笠木(かさぎ)と言うのですが、実は雨漏りの原因となりやすい場所です。
笠木同士のつなぎ目部分や、笠木を固定するための釘やビスの穴から雨水は入り込んでしまいますので、定期的なメンテナンスが必要です。
コーキングを使った補修であれば自分でできそうな気がしますが、正しく行わないとかえって雨漏りを促進させてしまう可能性があるので注意が必要です。
「隙間=雨水の侵入口」というイメージありませんか?確かに小さな隙間から雨水は侵入し雨漏りを引き起こします。
しかし、お住まいには「必要な隙間」が存在します。
パラペットと笠木の間の隙間は実は雨漏りを防ぐために必要なのです。
笠木は内部に雨水が侵入しないことを想定していません。
そのため入り込んだ雨や湿気を外へ排出させるための通気口が必要です!
ここをコーキング材で埋めてしまうと、内部に入り込んだ雨や湿気は逃げ場を失い、笠木やパラペットの劣化、雨漏りへとつながってしまうのです(-_-;)
もしご自身で笠木、パラペットの補修をする際は通気に注意して行うようにしましょう(^^♪
ベランダ・バルコニーの雨漏り補修・防水工事もお任せください!
いかがでしたでしょうか(・・?
今回はパラペットについてのご紹介を行いました。
前述の通り、パラペットは排水性・デザイン性・安全性において非常に大きな役割を担っています(#^^#)
しかし、その一方で上部に設置されている笠木は雨漏りリスクが高い場所としても知られています。
また、ベランダ・バルコニー・陸屋根におきましても防水層の劣化などを原因として、雨漏り被害が起きやすい場所と言えます。
雨漏り被害を未然に防ぐ為にもパラペットを含めてベランダ・バルコニー・陸屋根の定期的な点検・メンテナンスを行うように心がけましょう!
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