屋根勾配と屋根材の関係、屋根勾配のそれぞれのメリット・デメリットをご紹介
更新日 : 2024年04月23日
更新日 : 2024年04月23日
この記事は屋根勾配についてご紹介しております。
おおよそ10分で読むことができます。
普段生活している中で、屋根のことを気にされて過ごしている方は少ないかと思います。
また、屋根といわれて思い浮かべるほとんどは三角屋根ではないでしょうか。
周りの住宅を見回してみてもほとんどの屋根は勾配(傾斜)が付けられていると思いますが、屋根勾配は雨水を効率よく流すためにも必要なものです。
また、積雪地では屋根勾配が大きくなっており、雪が自然に落下するように屋根を作っています。
屋根勾配は屋根材の種類や降雨量、積雪量などを考慮し決められています!
本日は勾配が急な屋根、なだらかな屋根、平らな屋根のそれぞれのメリットやデメリットをご紹介いたします。
屋根勾配とは
屋根勾配とは、屋根が水平面からどれだけ傾いているかを「勾配数」で示す指標です。
屋根勾配は美観に及ぼす影響はもちろん、雨水の流れや機能性にも大きな影響を与えます。
その為、お住まいの屋根に求める景観や機能によって屋根勾配を適切に設定する必要があります!
また、地域の気候条件にマッチした屋根勾配にする事も大切です。
たとえば、降水量が著しく多い地域では雨水の排水効率を高める必要があり、勾配が緩やかで排水性のと乏しい屋根は雨漏りリスクが高まります。
屋根材の選定も大切ですが、適切な屋根勾配の設定も非常に重要です!
勾配数の表し方
勾配数は屋根の角度を示す表し方です。
勾配数といわれる屋根の傾斜の度合いの表し方には、尺貫法勾配(寸法勾配)・分数勾配・角度勾配の3つがあります。それぞれご紹介していきます。
・尺貫法勾配(寸法勾配)
水平距離10寸(303.03㎜)に対して高さが何寸あるかで表します。最近では尺や寸といった単位は一般的とはされませんが、建設業界では今でもこの呼び方が使われています。
・分数勾配
水平距離の高さの比率を分数で表しています。
上記の尺貫法勾配と基本的に考え方は同じですが、こちらは約分された数字で表されること、『5/10』を『1/2』と表すこともあります。
・角度勾配
屋根の勾配の角度そのものを表記したものですので、上記の中でも特にイメージが伝わりやすいかと思います。しかし、建築業界の中でも一般的ではありません。
例えば、5寸(151.515mm)勾配だと、「26.5650゜」と小数点以下の細かい数字になってしまうのです。
勾配の想定方法
屋根勾配の測定は、屋根の設計やリフォームの際に非常に重要と言えます。
勾配の測定方法にも種類がありますが、それぞれ特定の道具や専門的な技術が必要です。
その中で最も基本的な方法は、屋根の水平面と垂直面の長さを測る方法です。
水平距離を基準として、その距離に対する垂直の上昇距離を測定します。
例えば、水平に10メートルの点を取り、そこから垂直にどれだけ上昇しているかを測ります。
この測定から、「寸」での勾配を算出することができます!
また、最近ではデジタル技術「レーザー距離計」や「デジタル傾斜計」が使用されることもあります。
距離・角度などの精密なデータを短時間で取得できるため、作業効率を大幅に向上させることができます!
特に傾斜計は、屋根の最も高い点と最も低い点の角度を直接読み取ることができるため、屋根勾配の測定には非常に有効です。
施工技術も大きく進化していますが、同様に測定技術も大きく進歩しています!
屋根勾配と屋根材の関係
屋根勾配によっては使用できる屋根材も異なってきます。
例えば、瓦屋根の場合厚みがある瓦を重ねていくため実際の屋根の勾配に対しそれぞれの瓦の勾配は緩くなります。上記でもご説明したように、雨水の流れや水切れの関係で屋根材ごとに屋根の最低勾配が決まっているのです。これは雨漏りの発生を回避するためにもとても大切なことです。
以下は各屋根材の最低勾配です。
・金属屋根
必要最低勾配→1寸勾配以上 ※平葺き・横葺きの場合は3寸勾配以上
・スレート
必要最低勾配→3寸勾配以上
・瓦
必要最低勾配→4寸勾配以上
基本4寸勾配以上の屋根であれば度の屋根材でも使用できます。
各勾配の特徴
続いて急勾配、並勾配、緩勾配と呼ばれる勾配のそれぞれのメリットとデメリットをご紹介いたします。
急勾配
角度があるので雨水が屋根に溜まりにくく雨漏りの危険性が低いですが屋根面性が大きくなるため、コスト面で高くなってしまいます。
〇メリット
→雨漏りのリスクが低い
→デザイン性が高い
→屋根裏や収納、天窓なの利用価値が高い
→小屋裏の空間が大きいため断熱効果がある
〇デメリット
→屋根面積が大きくなるため施工などの面でコストがかかる
→耐風性が低下する
並勾配
一般的な屋根勾配で最も普及されている屋根です。水はけ・デザイン性・コスト面などでいろいろと利点があります。
〇メリット
→一般的な屋根のほとんどは並勾配であるため、施工できる業者が多い
→必ずしもではないが、工事面で足場が不要になることもある
→4寸勾配以上であればほとんどの屋根材が適用可能
緩勾配
他の勾配に比べて雨水が屋根に溜まりやすく、雨漏りの危険性も心配されがちですが、積雪地では落雪防止のために採用されやすいです。
〇メリット
→風の影響を受けにくい
→面積が小さいためコスト面で抑えられる
→落雪しにくい
〇デメリット
→雨漏りのリスクが高まる
→ほこりやゴミが付着しやすく劣化が進みやすい
耐風性に優れているのは?
屋根勾配は、風とも関係があります!
日本には毎年台風がやってきて、大きな被害をもたらします。
令和元年房総半島台風は千葉県の多くのお住まいで被害を受けました。
台風が多い地域や風の強い地域にお住まいの方は、ぜひ屋根勾配について知っていただきたく思います。
前述の通り、耐風性が強いのは緩勾配の屋根です。
一方、急勾配は風が当たる面積が大きいので風の影響を受けやすく、台風時には注意が必要です。
屋根勾配は見た目のデザインで決められる方が多いと思いますが、それぞれのメリットやデメリット、地域の気候などをよく知った上で検討することをおすすめします!
屋根勾配の選定ポイント
ここまで、それぞれの屋根勾配の特徴についてご説明させて頂きました。
ですが、「適切な屋根勾配」を迷われている方も多いのではないでしょうか。
そこで、下記に屋根勾配の選定ポイントを詳しくご紹介いたします。
お住まいの景観から見る屋根勾配
前述の通り、屋根勾配は屋根機能に大きな影響を及ぼしますが、同時に「屋根の景観」にも大きく関係しています。
屋根の機能性が大切なのはもちろんですが、お住まいの景観も大事にしたいですよね。
まず、急勾配の屋根は非常に強い個性を演出する事が可能で、伝統的なヨーロッパスタイルや日本の古民家とも取れる独特な外観となります。
お住まいに個性を出したい方や、ヨーロッパテイストを好まれる方におすすめです。
一方で、緩勾配の屋根はよりモダンで洗練された印象を与え、現代的なデザインに適しています。
建物全体が低く抑えられるため、風景に溶け込む自然な外観となります。
上記のことから、個性的なデザインをお求めの方には「急勾配」、自然で洗練された印象を演出したい場合には「緩勾配」が適していると言えます。
屋根機能・メンテナンス性からみる屋根勾配
屋根の勾配は屋根機能に大きな影響を及ぼします。
例えば、急勾配な屋根は雨漏りリスクを抑えられますが、いざ屋根工事が必要となりますと「屋根足場」が必要となりますので工事費用が大きくなってしまうリスクがあります。
反対に緩勾配では落雪がしにくく風の影響を受けにくいメリットがありますが、急勾配と比較して排水性が低く雨漏りリスクが大きいと言えます。
さらに、お住まいの地域環境にマッチした屋根勾配の選定も大切です!
冒頭でもお伝え致しましたが、降水量が多い地域では水の排水効率を高めるために比較的急な勾配が適切と言えます。
雨水が滞留する事を防ぎ、雨漏りのリスクや屋根材の劣化を最小限に抑えることができます。
また、雪国では屋根から雪を効率良く排除することが重要です。
その為、わざと雪を落雪させるために急勾配な屋根が選択されるケースがあります。
上記の様に、屋根勾配の選定は機能面でのメリット・デメリットと併せて、お住まいの地域環境に考慮して検討される必要があります!
屋根勾配にお悩みの方へおすすめな「4寸勾配」
機能面・景観面のポイントでご検討された上でも、適切な屋根勾配に迷われている方がいらっしゃると思います。
そんな方にはぜひ「4寸勾配」の屋根をおすすめします!
4寸勾配であれば、緩勾配のように屋根に雨がたまることもなく下へ流れるので雨漏りのリスクが低くなります。
また、急勾配のように風があたる面が少ないので耐風性もあり、台風時には安心です。先ほどもご紹介いたしましたが、4寸勾配以上であればどの屋根材にも適応できます。
新築時だけでなく、将来屋根葺き替え工事を行なった際に他の屋根材に変更し、お住まいの雰囲気を変えることもできます。
屋根のメンテナンス時には、通常の足場の他に屋根足場を必要としない場合があるので、足場の架設費用を抑えることができます!
以上の様に、急勾配・緩勾配の両方のメリットを持っているのが4寸勾配の屋根です。
多くのお住まいが4寸勾配の屋根なので、「個性を出すことができない」、「デザイン性にかける」といったデメリットもありますが、長い時間を過ごすお住まいではデザイン性よりも機能性を重視することをおすすめいたします
まとめ
以上、今回は屋根の勾配についてのご紹介でした。
屋根の勾配によって使用できる屋根材が変わるということを知っている方は少なかったのではないでしょうか。また、屋根の勾配ごとにメリットやデメリットがそれぞれあります。
これからお住いを購入する、新築を建てようとお考えの方は是非、屋根の勾配について知っておくと良いかもしれません。
街の屋根やさん千葉では、お住いの屋根に関するご質問やご相談を無料で承っております。また、屋根の点検や必要な工事のご提案、お見積もりも無料で承っておりますのでお気軽にご相談ください。
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⇒H様よりご依頼いただいた屋根足場を使用した屋根カバー工事の施工事例
今回は、屋根の勾配について詳しくご紹介させていただきました!
急勾配な屋根は個性的な景観を演出する事が可能で、さらに雨水の排水性の高さから雨漏りリスクを抑える事が出来ます。
しかし、屋根工事を行う場合「屋根足場」が必要であり、施工業者によっては急勾配を理由に施工を断られてしまうケースも少なくありません!
私達、街の屋根やさんは、急こう配屋根の施工実績も豊富にございます。
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