今では珍しくなった茅葺き屋根
更新日 : 2021年05月13日
更新日 : 2021年05月13日
現在ではかなり少なくなりましたが、それでも木更津市やその周辺に存在するのが茅葺き屋根です。植物を屋根材に使うというのは世界的にみられることらしく、珍しいことではないようです。こちらの記事ではその茅葺き屋根についてご紹介いたします。
※この記事は6分程度で読了できます。
茅葺き屋根とは
日本だけでなく、世界各地に分布するという原始的な屋根が茅葺き屋根です。乾燥させたススキを葺いていく屋根材で、縄文時代の竪穴式住居に見られるように紀元前から存在していたとする説が有力です。昭和中期頃までは全国のさまざまな地域で見られた屋根ですが、急激に数を減らし、現存するものは貴重となっています。かつて木更津市やその周辺地域には数多く存在した屋根ですが、現在ではやはり貴重です。木更津市の太田山公園には江戸時代中期の建築とされる茅葺き屋根の民家、旧安西家の住宅が移設されています。
使われる材料によって藁葺、草葺きと区別される場合も
茅葺き屋根のカヤとはススキのことで、厳密に言うと表面の屋根材に換装させたススキが使われているもの以外は茅葺きではないと言われています。アシを使えば葦葺き屋根で、稲藁を使えば藁葺き屋根です。ちなみに稲藁は手に入りやすいことから茅葺き屋根や葦葺き屋根の下地として使われることが多いようです。
素朴な疑問、どうして雨漏りしないのか
茅葺き屋根でも、葦葺き屋根でも、雨漏りしないことを不思議に思ったことはありませんか。現在の一般的な屋根材は水が染み込むようなものはありません。では、どうして雨漏りしないのでしょうか。
夏休みの自由研究に茅葺き屋根が雨漏りしない理由を選んだという小学生が以前、テレビで紹介されていた時に解説者が「導水効果で表面だけ水が流れて中には染み来まない」と解説していました。棒状のものを束ねるとこの導水効果という物理現象が発生するらしいのですが、よく分かりませんよね。ちょっと調べてみたところ毛細管現象(ストローなどの細い管の中だけ液面が上昇する)と導水効果はほぼ同じ現象のようです。急勾配にした上に茅を束ねたもの重ねることで屋根内部に水が染み込んでいくことを防いでいるようです。
茅葺き屋根が減った理由
太平洋戦争がその契機になったとされています。太平洋戦争を敗戦した日本は田畑の荒廃とともに葦場も荒廃し、良質なものを失ったと言われています。その結果、容易に手に入る稲藁が使われるようになったのですが、藁葺き屋根は茅葺き屋根に較べて耐用年数が短く、十年毎に大きなメンテナンスが必要になりました。また産業構造も変わり、人々は田畑ではなく、工場などではたらくようになりました。春の季語であった「屋根替」はご近所の方々が協力して行っていたのですが、働き手を工場に取られてしまった結果、それも見られなくなりました。その結果、屋根替の技能は伝承されなくなり、徐々に専門職化していきます。
また人口増加と産業構造の変化により住宅が密集するようになり、燃えやすい茅葺き屋根のお家は建てられなくなりました。これが茅葺屋根の減った最大の理由でしょう。茅葺き屋根のお家が建てられなくなれば、その技術の伝承されないどころか、さらに専門職化していきます。昔は農地の周りで調達できたであろう、屋根の骨組みとして使われていた竹も、ススキも、今となっては適したものが手に入れられるかは分かりません。手に入れるのは可能でしょうけど、かなりの費用がかかるでしょう。それこそ昔は農地の周りで費用をかけずに手に入ったのでしょうが、その代わりに里山のお手入れも求められたのです。
技術の発展によって昔は高かったものがただ同然で手に入ることもあれば、それとは逆に昔はただ同然で手に入ったものが恐ろしいくらいの高額になるということもあります。茅葺屋根の工事はかなりの高額になります。地域の共同体によってそれぞれのお家の屋根をみんなで維持しあっていた時代とは違い、維持しにくい時代になってしまったのです。
現在では現代の屋根とは全く違うため、茅葺き屋根には対応していないという屋根業者も存在しています。仕方のないことです。それこそ昔は茅葺き屋根の家に生まれてくれば、男女に関係なく誰でもその技術を生活の中で身に着けたのでしょう。そのことが理由で職業技能になりづらかったのも業者が少ない要因です。

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