セメント瓦とは?瓦の種類やメンテナンス方法についてご紹介します
更新日 : 2024年04月23日
更新日 : 2024年04月23日
現在の屋根で一般的に使用されている屋根材といえばスレートではないでしょうか。また、スレートが一般的とされる前、古くから使用されている屋根材は瓦です。瓦といっても瓦にも様々な種類があるのをご存知でしょうか。瓦の種類によってメンテナンス方法も異なってきます。
そこで本日は瓦の種類とその中のセメント瓦についてご紹介をしていきたいと思います。
瓦の種類
和瓦
日本瓦とも呼ばれている和瓦は粘度を使用し焼き上げています。釉薬を使用し表面をコーティングした瓦で無釉薬の素焼き瓦の2種類に大きく分かれます。産出している地方によって名前がつけられ、使用する粘土や焼成温度によって特徴が異なったりするのです。和瓦の中でも有名なのが以下の3つです。
・三州瓦
三州瓦は愛知県西三河地方で産出されています。良質な粘土に恵まれただけでなく物流の利便性が高いため国内シェアのほとんどを占めています。
・石州瓦
島根県の石見地方で生産されています。三州瓦よりも薄くて軽いのが特徴です。出雲地方の来待石を釉薬に使用することで独特な赤褐色色をしており赤瓦とも呼ばれています。
・淡路瓦
兵庫県淡路地方で生産されている淡路瓦は粒子が細かいなめ土を使用しており。銀色の見た目が特徴です。通気性、耐火性、耐久性に優れており特にいぶし瓦の生産量は全国一を誇ります。
洋瓦
一般的には海外のお住まいで使用されているような瓦です。洋瓦は和風住宅で見慣れている形状とは異なり大きく分けて2種類あります。
・S字瓦
S字瓦は和瓦よりも丸みを帯びており、洋風のお住まいにマッチするようなかわいらしいデザインです。カラーバリエーションも豊富でオレンジが多いです。数枚の洋瓦を混ぜ合わせながら葺く混ぜ葺きもあります。
・平板瓦
平板瓦は名前の通り屋根面がフラットに仕上がっていてシャープな印象を与えてくれます。太陽光パネルの設置が容易なポイントも人気な理由です。
セメント瓦と乾式コンクリート瓦
粘土瓦に変わって一時期流行した瓦にセメント瓦と乾式コンクリート互があるのをご存知でしょうか。これはそれぞれセメント、コンクリートを使用して成型した瓦です。焼きムラなどがないため、重宝されると言われておりました。
セメント瓦とは
セメント瓦は、主にセメントと砂を混合し、特定の型で成形して作られる屋根材です。この屋根材は耐火性に優れ、形状や色のバリエーションが豊富で、建築物の外観に合わせやすいため、1970年代に入ると、住宅建設のブームとともに、耐久性とコストパフォーマンスのバランスが取れた屋根材として日本国内で広く注目され普及しました。
セメント瓦は、型にセメントベースの材料を流し込み、高圧でプレスして形成され製造されます。その結果、均一な形状とサイズを持つ屋根瓦が大量に生産可能となり、大規模な建築に最適な材料とされました。また、セメント瓦はその堅牢性から、耐久性が求められる地域や建物に適しています。
セメント瓦の現状
しかし、時が経つにつれて、セメント瓦の欠点も明らかになり始めました。その主なものが、重量が重いことによる施工の困難さ、また時間とともに見られる色褪せや塗装の剥がれなどです。特に日本の激しい気候変動下では、セメント瓦のメンテナンスが頻繁に必要とされるようになりました。さらに、1980年代後半からは、より軽量で耐久性に優れ、メンテナンスが容易な新しい材料が開発されたことにより、セメント瓦の使用は徐々に減少しました。
現在では、セメント瓦は新しい建築物にはほとんど使用されず、主に既存の建物のリフォームや修理に使用されるにとどまっています。また、環境保護の観点から、廃材のリサイクルや、よりエコフレンドリーな材料への関心が高まっていることも、セメント瓦の生産減少に影響を与えています。今日では、セメント瓦の代わりに、スレートや金属屋根を用いた屋根材が多く採用されており、これらはセメント瓦に比べて軽量で、色持ちが良く、断熱性や防水性に優れていると評価されています。
セメント瓦とコンクリート互は塗装によるメンテナンスが必須!
吸水性が高いセメント、コンクリートを主な原料としているセメント瓦とコンクリート互は塗装によるメンテナンスが必要となります。またセメントやコンクリートを使用しているため瓦一枚の重量が重いというデメリットがあり、一般的な粘土瓦と比較すると劣ってしまいます。そのため現在では生産されておらず、また使用しているお住まいもほとんど見当たらなくなってしまいました。セメント瓦や乾式コンクリート瓦を使用されているお住まいはおそらく40年ほど前に建てられたお住まいがほとんどかと思います。雨漏りを引き起こしていない限りは塗装によるメンテナンスが可能ですが、下地の劣化や防水紙の劣化が疑わしい場合は屋根葺き替え工事を行うことがおすすめです。
また、上記でご説明したようにセメント瓦、コンクリート互は一般的な屋根材と比較しても屋根材の重量がとても重く耐震性がありません。そのため、屋根葺き替え工事で軽い屋根材に葺き替えることがおすすめです。
セメント瓦と乾式コンクリート瓦のメンテナンス
基本的にセメント瓦と乾式コンクリート瓦も和瓦や洋瓦にように、瓦のずれや割れ、棟部分の補修は定期的に点検とメンテナンスを行うことが必要です。またそれ以外に必要なのが屋根塗装です。上記でご紹介したように吸水性のあるセメントやコンクリートが主成分の為定期的な塗装を行う必要があります。また現在ではほとんど廃盤のため割れてしまった瓦の部分交換などは材料が見つからず苦労する場合もあります。同等の代替品があれば補修可能ですが、どうしてもない場合は板金での応急処置や屋根葺き替え工事の提案となります。
また、塗装によるメンテナンスを行う場合は注意しなくてはいけない点があります。それはスラリー層がある瓦なのかを確認することです。表面塗膜を劣化しにくくするための工夫であるスリラー層は塗料が密着しにくく、塗装方法を誤るとすぐに塗膜が剥がれてしまいます。簡単な見分け方は小口が平らで綺麗かゴツゴツと凹凸のあるものなのかで確認できます。セメント瓦の場合は小口がなめらかになっており、乾式コンクリートの場合は小口が凸凹しています。
乾式コンクリート瓦を塗装する場合はスリラー層の除去を徹底的に行い乾式コンクリート専用の下塗り塗料を使用する必要があります。
セメント瓦と乾式コンクリート瓦の塗装
セメント瓦の塗装方法
①高圧洗浄
高圧洗浄機を使用して、セメント瓦に付着した汚れや苔、カビなどを落とします。
②下塗り
セメント瓦の表面がザラザラしている場合はフィラー、そうでない場合はシーラーで下塗りを行います。フィラーには表面を平らにする効果、シーラーはこれから塗る塗料とセメント瓦を密着させる効果があります。フィラーを塗ってもざらつきがある場合はフィラーを重ね塗りします。
③塗装
塗料を二度塗りして乾燥したら、セメント瓦の塗装完了です。
乾式コンクリート瓦
乾式コンクリート瓦には、上記でご説明した通り「スラリー層」があります。このスラリー層を取り除かないと、塗装をしてもすぐに剥がれてしまいます。そのため乾式コンクリート瓦では入念な高圧洗浄を行い、スラリー強化プライマーを塗ってスラリー層を強化させます。
①高圧洗浄
スラリー層を十分に洗い流します。
②スラリー強化プライマーで下塗り
下塗り後、ガムテープでスラリー層の粘着テストを行い、スラリー層がガムテープに付着しないことを確認します。スラリー層がガムテープに付着するようであれば、再度プライマーを塗ってテストを行います。
③塗装
セメント瓦同様、塗料を重ね塗りします。
セメント瓦屋根の葺き替え工事にオススメな屋根材
セメント瓦や乾式コンクリート瓦のメンテナンスについてご紹介いたしましたが、葺き替え工事で屋根材を一新させたい場合、どのような候補があるのでしょうか。重量のあるセメント瓦や乾式コンクリート瓦を変更する場合には、やはり耐震性を向上できる軽量な屋根材に注目することがオススメです。
現在の日本において、最も使用されているのが金属屋根材です。軽量であることが大きな特徴の金属屋根材はセメント瓦だけではなく、和瓦や洋瓦の葺き替えにも選ばれることが多いです。スレート屋根にカバー工事を施工する際にも耐震性を向上させるため、スーパーガルテクトなどの軽量で高耐久な金属屋根材がよく選択肢として挙げられます。
以前までは雨音が響いたり熱を持ちやすいといったデメリットがありましたが、近年の開発によって製造されている金属屋根材は遮音性や断熱性能に優れたものも多いです。
重量が気になっても、瓦を屋根材として選びたいという方もいらっしゃるかと思います。そこでオススメなのが、軽量な瓦として注目を集めている「ROOGA(ルーガ)」です。ルーガは従来の陶器瓦より半分以下の重量であり、屋根を軽量化することで耐震性を向上することが可能な瓦です。セメント瓦と同様に塗装は必要になりますが、対候性が高いために次期塗装メンテナンスまでの期間が長いことも大きな特徴です。
さらに、ルーガは繊維素材によって強い衝撃を吸収することができ、欠けたとしても破片の飛び散りを防ぐ構造をしています。やはり瓦屋根の家に住みたいとお考えの方は、ぜひルーガでの葺き替え工事をご検討ください。
(ROOGA(ルーガ)についてはこちら。)
瓦から金属屋根への葺き替え工事施工事例
瓦から金属屋根へ葺き替え工事を行った袖ヶ浦市のG様
外装リフォームを検討中だというG様が来社してくださったことが今回の工事のきっかけとなりました!
点検の様子
点検に伺うと、G様のお住いの屋根にはセメント瓦が使われておりました。瓦同士の隙間に苔が発生していることや、過去に行った塗装の塗膜が剥がれてきている状態でした。
また、瓦の状態に関係なく、屋根の下地である防水紙は20年前後で寿命を迎えてしまいます。築20年以上経つお家にお住まいの方は、一度屋根の状態を見てもらうのが良いでしょう。
屋根で雨漏りが起きないように対策を行いたいとのことで、葺き替え工事をご提案いたしました!
工事の様子
屋根葺き替え工事では、既存のセメント瓦や瓦を固定するための桟木という木材も全て撤去します。撤去後は野地板の増し張りで下地を補強し、新しい防水紙を敷設して、新しい屋根材を施工していきます。
屋根葺き替え工事が完工!
無事に屋根葺き替え工事が完工いたしました!セメント瓦から、より軽い金属屋根材へ変わりましたので、耐震性も高めることが出来ました。
また、葺き替え工事では普段お手入れが難しい野地板や防水紙のメンテナンスも可能ですので、雨漏りの不安も解消されました。
G様、この度は工事のご用命を頂きありがとうございました!
G様のお住まいでは屋根葺き替え工事の他にも雨樋交換・軒天補修・外壁塗装・波板張替を行なわせていただいております。詳しくは、以下のリンクよりご覧ください!
まとめ
いかがでしたでしょうか。本日は瓦の種類、セメント瓦と乾式コンクリート互についてやメンテンナンス方法についてご紹介いたしました。
現在ではほとんど廃盤とされているセメント瓦、乾式コンクリート瓦。もしもメンテナンスをお考えの方は屋根の葺き替え工事も視野にいれてみてはどうでしょうか。
街の屋根やさん千葉では屋根葺き替え工事も承っております。点検やお見積り、ご相談は無料で行っておりますのでお気軽にご相談ください。
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Q2.工事を検討したきっかけは何ですか?どんなことで悩まれていましたか?
中古物件を買ってメンテナンスの時期が来ていたので他の箇所のリフォームを併せて屋根もやろうかと思い。
Q3.弊社をどのように探しましたか?
インターネット
Q4.弊社を知りすぐにお問合せをされましたか?もし悩まれたとしたらどんなことがご不安でしたか?
はい
Q5.何が決め手となり弊社にお問合せをされましたか?
多数の工事をされていて経験豊富そうだったので。
Q6.実際に弊社担当者がお伺いしていかがでしたでしょうか?
聞きたかったことに答えて下さりありがたかったです。