天井裏の結露対策には換気棟がお薦めです
更新日 : 2021年06月18日
更新日 : 2021年06月18日
暖かい空気や水蒸気は上昇するという自然の法則を利用して、屋根内部の湿気を排出する換気棟をご存知でしょうか。換気によって湿気が溜まりやすい天井裏(小屋裏)の湿度を低下させるので、カビなども発生しにくくなりますし、その下のお部屋の快適性も向上させることが可能です。棟板金を交換したり、屋根リフォームする際にはぜひ、ご検討いただきたいアイテムです。
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天井裏で起こっている「結露」という不都合な真実
キッチンやお風呂、湿気が溜まりやすいところにはほとんどの場合、換気扇が備えられています。湿気が多すぎると不快ですし、建物にも悪影響を与えるからです。実はもう一つ、お家には湿気が溜まりやすいところがあることをご存知ですか。それは天井裏や小屋裏と呼ばれるお部屋と屋根の間にある空間です。これまで様々なお家を見てきましたが、雨漏りしていないのに天井裏が湿っぽいというお家はかなり存在していました。夏場、天井裏に入りますと眼鏡が曇るほどの湿気があることもあります。そんな湿っぽさを一気に解消できるのが換気棟なのです。
天井裏で冬に起こる結露
天井が断熱されている場合、その断熱材を通り抜けた先ではさまざまなな湿気が溜まります。雨が降れば雨漏りしていなくても天井裏の湿度は上がります。人間の生活によっても水分は蒸発していきますし、木材も含水しています。お家の中の場合、こういった水蒸気が最終的に行き着くのは天井を超え、その先の断熱材を通り抜けた天井裏です。寒い季節の場合、天井裏で一気に冷やされた水蒸気は液体に戻ります。液体に戻った水は補強のために取り付けられた金物で結露したり、木材に吸収されたりします。こういったことが繰り返されるとやがて木材が腐食することもありますし、シロアリを呼ぶ原因ともなるのです。
1970年代くらいまでは天井断熱された住宅は少なく、野地板は現在のような合板ではなく、小幅な板を並べた簀の子のようなものが主流でした。したがって、見た目通りに風通しも良く、そのようなお家は結露などは起こらなかったのです(ただし、冬は寒いという断熱の上での弱点はあります)。それ以降は野地板が合板となり、かつてのような風通しの良さはなくなり、天井断熱されたお家も増えていきました。最近の住宅は高気密のものが多く、お部屋の換気を24時間監視し、自動で行ってくれる装置もありますが、基本的に生活空間ではない見えない天井裏はそれほど注目されていないようです。
屋根内部の結露を解決できるのが換気棟です!
小屋裏の結露は断熱をどこで行うかによって変わってきます。現在の主流はリーズナブルであり、室内のエネルギー効率も高い天井断熱です。お部屋の天井のすぐ上に断熱材を敷き詰めたもので、この場合は床・壁・天井で断熱されています。したがって、空調装置で暖めるのも、冷やすのも、ほぼ室内空間のみとなりますから、屋根断熱よりもその範囲は狭くなります。一方で近年、増えてきているのが屋根断熱です。文字通り、屋根の面の室内側に断熱材を設置するというものです。水平な天井ではなく、屋根の勾配を見せるような天井に採用されることが多いのも特徴です。こちらの場合、お部屋の間取りが同じなら屋根までの高さがあるため、その空間は広くなります。どちらも一長一短なのですが、これまで天井断熱が多かったため、ノウハウの蓄積があり、こちらの方が結露に強いと言われています。
どちらの断熱であっても、結露や腐食に繋がる天井裏や屋根の蒸れは嫌ですよね。その湿気や熱気、家の外に排出できるとししたら、とても魅力的ですよね。お部屋のジメジメも減りますし、室内の温度も下がりますから、夏の暑い時期でも快適になります。冬の窓の結露対策にも有効です。
換気棟とは
一般的に換気棟とは湿気や熱気を排出できるよう棟に設置された排気装置のことです。ほとんどが板金(ガルバリウム鋼板)製ですが、中には瓦屋根で瓦の換気棟もあります。軒天の有孔板から外気を取り入れ、棟まで導き、排出させる仕組みです。暖かい空気や水蒸気は上昇するという自然の原理を利用したものなので、電気などのエネルギーも必要しないという優れものです。
屋根の一番高いところに取り付けられているので、なかなかお目にかかる機会はないでしょう。それを良いことに換気棟は取り付けてあるものの、屋根が通気されるように加工されておらず、通常のままなので排気ができない屋根も存在します。しっかりと施工され、通風がある換気棟は近くに手をかざすとほんのりと風を感じます。また、経年で排気された証としての換気口周辺の変色も発生します。
換気棟のメリット
まず、部屋がジメジメすることが少なくなりますし、夏場の暑さも緩和されます。「蒸し暑い」という不快指数が高い状態から解放されます。劇的に温度が低下するわけではないのですが、それなりに体感できます。一番のメリットはお家の健康状態が保てるということでしょう。シロアリ被害に遭いにくくなりますし、天井裏も傷みにくくなります。断熱材が湿気を含むことも少なくなるので、耐用年数も延び、性能の低下も少なくなります。これらを聞くと絶対付けたくなりますよね。メリットだけを見て行動すると、デメリットが発覚した時、落胆が大きくなります。次のデメリットもしっかりご確認してください。
換気棟のデメリット
上の換気棟の画像を見れば分かるとおり、換気棟には排気のために穴が開いています。「ここから雨水が室内に入ってくる可能性もありそう」と感じる方もいるでしょうが、正しく施工されていれば雨漏りすることはありません。もちろん、普通の棟に較べれば、雨漏りのリスクはあります。しっかりとした施工会社に依頼するようにしましょう。
これだけメリットの多い換気棟がなぜ新築時に取り付けられないかというと、やはり一般的な棟に較べると雨漏りのリスクが高まることは否めないからです。もちろん、そういったことを起こさない施工業者を雇えばいいのですが、必然的にコストは高くなります。現在、スレート屋根が多いのは一番安い屋根材で施工もそれほど難しくなくコストがかからないからです。新築はコスト重視で建てられることが多いのでリフォームの度にさまざまな部分をグレードアップしていけば、生活の質の向上に繋がります。お手軽に天井裏の湿気と結露を解決できる換気棟を屋根リフォームの際に取り付けておいて損はないのではないでしょうか。
結露による水漏れと雨漏りの見分け方
結露による水漏れと雨漏りは症状が似ています。結露や雨漏りを解消するには、しっかりと見極め原因を探すことが重要です。結露による水漏れと雨漏りの見分け方をご紹介いたします。
結露
・秋から冬にかけて水漏れ、水滴ができる
結露は温度差によって発生するため、冬場に室内で暖房をつけると天井や外気との温度差が大きくなって結露が発生します。防ぐためには換気をしましょう。
・天井全体が濡れている
小屋裏の換気がうまくできていないと結露が発生し天井全体に染みができてしまいます。
雨漏り
・雨が降った時に染みや水滴ができる
雨が降った日や台風、その翌日に水滴が見られる場合には結露ではなく雨漏りの可能性が高いです。
・全体ではなく一部に染みができている
雨漏りは雨が1箇所に集まることが多いです。
・継続的に水滴が落ちてくる
湿気には総合的な対策が必要な場合もある
室内で火器、ガスや灯油ファンヒーターを使うと湿度が高まることはご存知でしょうか。ガスを付けると鍋の底から側面にかけて短い時間ですが曇るのはガスが燃焼した際の水蒸気が付着するからです。灯油1リットルが燃焼すると化学反応によって水が1リットル発生すると言われています。お湯を沸かすとそのお湯自体から発生する水蒸気、燃料燃焼時に発生する湿気によって湿気、ダブルで水蒸気が生まれます。
また、新聞紙などの紙類は意外なほど湿気を吸収することが知られています。こういった紙類が多いと室内の空気が乾燥した際にもその紙類から湿気が供給されることになり、室内のジメジメが続くことなるのです。昔は「室内の湿気を吸ってくれるから、湿気が籠りやすいところには置いておいた方がいい」と言われたのですが、湿気を吸ってもらったら密封して捨てましょう。
室内に物が多いのも考えものです。空間が狭いと発生した湿気が留まる場所も限定されることとなり、風通しも悪くなることから、カビなども生えやすくなると言われています。できるだけ、すっきりさせた方が風通しが良くなる分だけ、湿気が溜まりにくくなると言われています。
サッシがアルミ製の場合、熱伝導率が高く、その部分が結露しやすいことが知られています。サッシ用の断熱テープなどで対策グッズが販売されています。
ガラス窓も結露しやすい部分です。断熱シートや結露させない薬品などが販売されています。中性洗剤を薄めたもので拭くと結露対策になるとも言われています。
サッシと窓については対策グッズが販売されているものの、抜本的な解決をするのには樹脂製のサッシでペアガラス・トリプルガラスにするしかないようです。窓リフォームについてはかなりの高額となるため、対策グッズでどの程度の効果があるかを試してから検討した方がいいでしょう。暖房方法を変える、紙類をできるだけ室内に置かない、お部屋を片付けて空間を広くするなどさまざまな工夫をしてみましょう。
室内の結露は天井裏の結露とは違いますが、お互いに悪影響を与えあっているのは事実です。室内の結露が乾燥すれば、その何割かは天井裏へと到達しているでしょう。天井裏の結露は室内の結露の蓋をしていることになり、室内とお家全体の湿度を上げていることになります。
小屋裏の熱気や湿気の対策に非常に有効な換気棟ですが、それだけに頼るより、やはり総合的に見直しを行った方が建物の健康を保ち、快適に暮らせることは間違いありません。

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