屋根のプロが教える!破風板・鼻隠し・ケラバの役割と修理・補修方法
更新日 : 2025年12月11日
更新日 : 2025年12月11日
屋根で傷みやすい部分は天を向いている上面ではなく、むしろ側面です。屋根材は基本的に日光に晒されること、雨に打たれること、霜が降りること、雪が降り積もること、暴風に煽られることを想定して設計されています。 屋根の形状によっても違いますが、破風板や鼻隠し、ケラバと呼ばれる部分は雨にも打たれますし、風の影響に限っては寧ろ、屋根の面の部分よりも大きいと言えるでしょう。お家の中でも最も過酷な部分と言っても過言ではないのです。定期的なメンテナンスと補修はもちろんのこと、場合によっては新しいものへ交換する必要も出てきます。破風板・鼻隠し・ケラバの役割とメンテナンス方法を知り、ぜひ、お家の維持管理にお役立てください。
屋根の側面の重要部分が「破風板(はふいた)」と「鼻隠し(はなかくし)」です
「建ててからの光熱費が節約できる、ほぼ掛からない」という理由から現在では片流れ屋根や招き屋根が人気ですが、やはり最も多いのは「切妻(きりつま)」と呼ばれる形状の屋根です。 2面だけで構成される非常にシンプルな形状の屋根で、特定の角度から見ると二等辺三角形のような形状をしていることから『三角屋根』と呼ばれることもあり、多くの方が思い浮かべることができるのではないでしょうか。ちょうど本を開いて伏せたような形状をしています。
棟から勾配を下った屋根の端、地面と水平になっている部分を軒や軒先と呼びます。ほとんどの場合、軒先の先端には鼻隠しと呼ばれる板が取り付けられています。
破風と鼻隠し、どちらも屋根の端にあるので混同されやすいのですが、雨樋の有無という大きな違いがあります。 破風には雨樋が設けられていませんが、鼻隠しには取り付けられています。



世の中には破風や鼻隠し、ケラバがない家も多数、存在します!
ここまで読んでみて、「私のお家には破風や鼻隠し、ケラバに該当する部分がない」と思った方もいるでしょう。世の中には元から破風や鼻隠し、ケラバがない屋根も存在します。
ビルに代表される陸屋根
勾配がほぼない陸屋根にはその構造から破風や鼻隠し、ケラバがありません。
方形(宝形)屋根
ピラミッド型の方形(宝形)屋根も寄棟屋根と同じく、全ての方向の軒先が水平となるため鼻隠しはあるものの、破風やケラバは存在しません。 寺院などに見られる六角形や八角形の屋根も同様です。
マンサード屋根
寄棟の屋根勾配が途中で急角度になるマンサード屋根も全ての方向の軒先が水平となるため鼻隠しはあるものの、破風やケラバは存在しません。切妻屋根以外にも破風やケラバは存在するの?
「太陽光発電が数多く設置できるように片流れにしたけど、家の屋根って破風は存在するの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。 片流れ屋根にも破風やケラバは存在します。切妻屋根と同じように勾配が付けられた屋根の端、外壁から外側の部分がケラバで、その側面は破風です。


破風板・鼻隠し共通 屋根の耐風性の向上
屋根はその種類と形状を問わず、吹き下ろしてくる風への耐性はかなり強いのですが、下から吹き上げられるような風にはかなり弱いという性質を持っています。吹き下ろしてくる風に対しては柱や耐力壁で支えることができますが、吹き上げてくる風に対しては屋根の自重と釘や接着剤等の固定力だけで耐えなくてはならないのです。 破風板や鼻隠しの板が屋根の先端に取り付けてあるだけで、屋根を吹き上げるような風を分散させることができるのです。

破風板・鼻隠し共通 雨水の浸入防止
台風などの強風時には雨が真横から吹き付けるように降ります。破風板・鼻隠しは風を分散させますから、風によって流されてくる雨もそれによって分散し、屋根と外壁材が接合されている部分に到達しづらくなります。これによって吹き込むことを防いでくれているのです。
前述の屋根の耐風性の向上も、この雨水の浸入防止も、同じはたらきによるものなのです。
破風板・鼻隠し共通 美観の向上
屋根の下地である野地板とそれを支えている垂木、お住まいの中身である構造はほとんどが隠すように作られています。それらが見えると雑然としているように見えたり、建築中や修繕中のように思われたりしますのでよろしくありません。
神社・仏閣の垂木や母屋が立派に見えるのは見られることを意識して設計され、化粧されているからであり、そうではない一般的な建物は見えない方がすっきりと感じられます。
破風板のみ 防火性への考慮
現在では木材が使われることは少なくなりましたが、昔は耐風性や雨水への対策を考えて、破風板には強度があり、ある程度の厚みを持った木材が使われていました。
厚みのある木材の場合、表面は燃えますが、黒く焦げて炭化してしまえば、燃えていない部分に酸素が供給されにくくなります。建物内部へ火が回るまでの時間を稼ぐことができるのです。現在の破風板は不燃や準不燃の窯業系サイディングのものが使われることが多くなりました。
鼻隠しのみ 雨樋取り付け
雨樋を取り付けるところとして鼻隠しは最適です。雨樋の正確な固定方法は長い釘やビスを使い、鼻隠しを貫通させ、垂木にまで到達させます。
鼻隠しと垂木、2つの部材に取り付けられることから緩み難くなり、固定力も強力になります。鼻隠しと垂木で木材の繊維方向が違いますから、縦方向の力にも、横方向の力にも、引き抜きの力にも強くなるのです。


築年数がそれなりに経過しているお住まいの場合、破風板と鼻隠しには木材が使われることがほとんどですが、現在では耐火性と耐久性が重視され、燃えにくく、腐食しにくい窯業系サイディングものが多くを占めるようになりました。ガルバリウム鋼板などの金属製のものもあります。 外壁がモルタルのお家の場合、軒天から鼻隠し、破風までモルタル仕上げになっているものもあります。




役割・素材と共通点は多いが、破風板の方が傷みやすい
ケラバと軒先、似たようなところに設置され、担う役割も、材料もほぼ同じ… 何かと共通点の多い破風板と鼻隠しですが、環境的に厳しく、傷みが早くでやすいのは破風板です。

鼻隠しは雨樋によってある程度、直射日光も防げ、ダイレクトに雨がかかることも少なくなります。
それに対して破風板は直射日光があたる機会も多く、強い風にも堪えなくてはなりません。鼻隠しよりも傷みやすいのです。鼻隠しが傷んでいる場合、それ以上に破風板が傷んでいることが多いのです。 鼻隠しは雨樋で見にくい部分ではありますが、悪天候の後はもちろんのこと、定期的な点検も欠かさないようにしてください。



状態
塗膜が剥がれかかっている
補修方法
塗装 (ケレンして塗装)
費用
安い
これからの耐用年数
普通

状態
塗膜の剥がれは進行しているが、木材は健全
補修方法
板金撒き(破風板や鼻隠しを板金で撒いて覆ってしまう)
費用
中
これからの耐用年数
長い

状態
塗膜の剥がれが顕著、木材にも劣化や腐食あり
補修方法
部分交換、または全交換(破風板や鼻隠しを部分的、または全面的に交換する)
費用
高い
これからの耐用年数
普通・長い

上からは雨、横と下から風とケラバも傷みやすい部分です。通常時は屋根の勾配に沿って雨水は流れていきますが、ケラバの方向に向かって強い風が吹けば、雨水が押し流されてこぼれるように屋根の端から破風へと流れていくこともあります。
地上から側面や破風、軒天部分は見えますが、上側は全く見えません。毎年とは言わないまでも、数年に1回は点検しておきたい部分です。ケラバは使われている屋根材によって、メンテナンス方法が異なってきますので、屋根材別に見ていきましょう。


ケラバ瓦のズレや外れ、落下









ケラバ板金の釘の浮き、変形、錆





一度の足場仮設でまとめて補修工事をしたほうがお得です!
お住まいが2階建の場合、1階部分よりも風雨が激しい2階部分の方が傷みは出やすいという特徴があります。また、2階部分の工事には足場が必要なので、まとめて他の工事もやってしまった方がお得です。板金巻きや交換をする場合は雨樋も新しくしてしまった方がお得です。雨樋をはずして、取り付ければ、これまでのものでも、新しいものでも、脱着は1回です。
破風板や鼻隠しの補修だけという工事をすると、雨樋交換が必要になった時に足場の仮設、雨樋の脱着を再度、行わなければなりません。 新しいものにしておいた方が確実にお得と言えるでしょう。工事中だと生活も落ち着かないし、費用の面でも大きな負担になってしまいます。


見えづらい部分のため劣化に気づきにくい
街の屋根やさんでは建物の無料点検を実施しております。破風板・鼻隠し・ケラバはもちろんのこと、屋根全体、建物全体を隈なく点検致します。また、リクエストがあれば他の部分もしっかりと点検致します。 「この前の台風は大きかったけど、建物は大丈夫かしら?」、「何年も点検もメンテナンスもしていないから雨の季節が心配…」という不安をお持ちの方はぜひ、ご利用ください。問題点がなかった場合はそれで安心できますし、見つかってしまった場合は最適なアドバイスを致します。
破風板・鼻隠し・ケラバの役割と修理・補修方法のまとめ
●屋根の側面の重要部分である「破風板」と「鼻隠し」は傷みやすいので定期的なメンテナンスが必要です ●世の中には「破風」や「鼻隠し」、「ケラバ」がない家も多数、存在します ●片流れ屋根や差し掛け屋根にも「破風板」と「鼻隠し」と「ケラバ」が存在します ●「破風板」と「鼻隠し」と「ケラバ」、部位は違うが耐風性の向上、雨水の浸入防止、耐火性の向上という役割があります ●「破風板」と「鼻隠し」の材料は同じなので補修方法もほぼ同じです ●傷みが軽微なうちに塗装で保護するのが理想です ●傷みが酷くなってきたら、板金で巻いて覆ってしまう補修方法もあります ●「破風板」と「鼻隠し」に劣化や腐食がある場合は部分交換や全交換を行います ●「ケラバ」も傷みやすい部分です ●「ケラバ」は屋根材によってメンテナンス方法が異なります ●「破風板」と「鼻隠し」と「ケラバ」の点検は街の屋根やさんの無料点検をご利用ください破風板に関連するブログ一覧
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東金市田間にて破風板の調査を実施

【施工内容】
その他の工事
【一言メッセージ】
対応が良かった。
台風15号で被害を受けた破風板の補修をご検討の習志野市花咲のH様

【施工内容】
【一言メッセージ】
丁寧に対応していただきました。
破風板の破損に関するご相談を山武市のK様よりいただいきました

【施工内容】
破風板・軒天部分補修
【一言メッセージ】
とてもわかりやすく対応していただけました
街の屋根やさんは千葉県以外にも東京都、神奈川県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方の地域の街の屋根さんをお選びください。













































































