瓦屋根にコーキングはNG?ラバーロック工法の問題点と正しい補修方法
更新日 : 2025年08月27日
更新日 : 2025年08月27日
瓦屋根の隙間やズレを見つけたとき、「コーキングで補修すれば大丈夫」と考える方も少なくありません。
実際に ラバーロック工法 と呼ばれる、コーキングで瓦同士を固定する施工方法も存在します。
しかし専門家の間では「瓦屋根にコーキングはNG」とされることが多いのです。
本記事では、その理由とラバーロック工法の問題点、そして瓦屋根の正しい補修方法について解説します。
瓦屋根にコーキングがNGとされる理由
※画像はスレート屋根をシーリング補修している様子です
雨水の逃げ道を塞ぐ
瓦屋根は瓦と瓦の重なり部分に合えて隙間ができるように施工されています。
瓦の内側に回ってしまった雨水が隙間から排出されるようにするためです。
しかし隙間をコーキングで埋めると、雨水が排出されず内部にとどまり続け、雨漏りを引き起こす危険があります。
通気性が失われる
瓦屋根は通気性を確保することで下地の乾燥を保っています。
コーキングで密閉すると湿気がこもり、野地板や垂木が腐食する恐れがあります。
ラバーロック工法とは?
ラバーロック工法とは、瓦の重なり部分や隙間にコーキングを充填して、瓦同士を固定する施工方法です。
瓦の飛散防止策(地震対策)として一時期広がりを見せていました。
しかし、実際にはメリットよりもリスクの方が大きく、以下のような問題があります。
・雨水や湿気を閉じ込める → 瓦下に水が溜まり、雨漏りや木材腐食の原因に
・メンテナンスが困難になる → 瓦が固着してしまい、差し替えや修理がしにくくなる
・一時しのぎにしかならない → 数年でコーキングが劣化し、再度の補修が必要
そのため現在では推奨されておらず、多くの専門業者が「やってはいけない工法」としています。
コーキングが使われる例外的なケース
原則NGですが、次のように限定的に補助的な役割で使われることはあります。
・棟瓦や鬼瓦まわりの 漆喰補修の補助
・谷板金や棟板金など 板金との取り合い部分
・台風や地震などの被害時の 一時的な応急処置
ただし、いずれも一時的な補修にとどまり、恒久的な解決にはなりません。
正しい瓦屋根の補修方法
瓦屋根の不具合は、瓦の特性を理解した正しい工法で直す必要があります。
・瓦のズレ・割れ → 差し替え、または葺き直し工事
・棟瓦の劣化 → 棟取り直し工事
・漆喰の剥がれ → 漆喰詰め直し工事
・地震対策 → ガイドライン工法による施工
まとめ
瓦屋根にコーキングを使うのは 原則NGと覚えておきましょう。
特に、ラバーロック工法は雨漏りや劣化を招くためおすすめできません。
瓦屋根は「雨を逃がす」構造が特徴であり、安易なコーキングはその機能を損ないます。
もし補修が必要な場合は、専門の瓦工事業者に依頼し、正しい工法でメンテナンスを行うことが大切です。

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