屋根勾配とコロニアル屋根などの屋根材との関係をご紹介します
更新日 : 2021年05月13日
更新日 : 2021年05月13日
屋根というと大半の方は三角屋根を思い浮かべるのではないでしょうか。また、お住まいのほとんどの屋根には勾配(傾斜)が設けられています。屋根の勾配は雨水を効率よく流すために必要なものです。積雪地ではその勾配を大きくし雪が自然に落下するように設けられています。このページでは、屋根の勾配について、また勾配と屋根材の関係、メリット・デメリットについてご紹介致します。
この記事はおおよそ5分で読むことができます。
屋根の勾配数について
勾配数と言われる屋根の傾斜の度合いの表し方には次の3つがあります。
①尺貫方勾配(寸法勾配)
水平距離10寸に対して高さが何寸あるかで表します。現在の日本では尺や寸と言った単位は一般的ではないのですが、建築業界では今でも根強くこの呼び方が使われています。
※寸は尺貫法における長さの単位であり、日本では約約30.303 mmで、尺の10分の1と定義されます。寸の10分の1が分(ぶ)です。
②分数勾配
水平距離と高さの比率を分数で表しています。上記の尺貫勾配と基本的に同じ考え方ですが、こちらは約分された数字で表せること、『5/10』を『1/2』と表すこともあります。
③角度勾配
屋根の勾配の角度、そのものを表記したものです。そのため一般の方々には一番イメージが伝わりやすいのではないでしょうか。しかし、建築の世界では角度勾配は一般的ではないようです。
屋根勾配によって使用できる屋根材は異なります
使用できる屋根材は屋根の勾配と大きく関係しています。
例えば、瓦屋根の場合、厚みのある瓦を重ねていく関係で実際の屋根の勾配に対し、それぞれの瓦の勾配は緩くなります。屋根の上での雨水の流れや水切れの関係から屋根材ごとに最低勾配が決まっており、雨漏りのリスクを回避するためにも屋根材と勾配の関係は厳守しなくてはいけません。
各屋根材の最低勾配は以下になります
・金属屋根の場合
必要最低勾配:1寸勾配以上(約30.3mm・1/10・約5.57゜)※平葺き、横葺きの場合は3寸勾配以上
・スレート屋根の場合
必要最低勾配:3寸勾配以上(約91.0mm・3/10・約16.7゜)
・瓦屋根の場合
必要最低勾配:4寸勾配以上(約121.3mm・4/10・約21.8゜)
4寸勾配以上の屋根であれば、どの屋根材でも使うことができますので屋根のリフォームを行う際には一番利便性が高い勾配ではないでしょうか。ちなみに、耐震性の関係でコロニアルやカラーベストといったスレート屋根から瓦屋根などの重い屋根材への葺き替えは出来ないのでお気を付けください。
4寸勾配ではあれば、屋根足場も必要ないため足場代も節約できます。これから新築や中古物件の購入をお考えの際は屋根の勾配数にもぜひ注目してみてください。
急勾配、並勾配、緩勾配それぞれのメリットとデメリット
勾配が大きい順に、急勾配、並勾配、緩勾配と呼ばれておりそれぞれにはメリットとデメリットがありますのでご紹介します。
①急勾配の特徴(6寸勾配⦅約182.0mm・約31゜⦆以上の屋根)
・メリット
→雨漏りのリスクが少ない
→デザイン性が高い
→小屋裏の空間が大きくなるため、断熱効果が期待できる
・デメリット
→屋根面積が大きいため施工面で費用がかかるほか、屋根足場が必要となる
→風に当たる面積の増大で耐風性が減少する
②並勾配の特徴(3寸~5寸勾配⦅約91.0~152.0mm⦆⦅約16.7゜~26.6゜⦆の屋根)
・メリット
→広く普及しているため、雨漏りなどに関してもトラブルに関してもさまざまなノウハウが蓄積されている
→屋根足場が不要
→4寸勾配以上ならほとんどの屋根材が適用する
→屋根のデザインが豊富
・デメリット
→一般的な勾配であり、没個性的になる
③緩勾配の特徴(3寸勾配⦅約91.0mm・約16.7゜⦆以下の屋根)
・メリット
→風の影響を受けにくい
→面積が小さくなだらかで施工しやすい
→落雪しにくい
・デメリット
→急勾配の屋根に較べると雨漏りのリスクが高くなる
→デザイン性が劣る
→埃やゴミが付着しやすく劣化が早く進む可能性がある
→屋根材が金属系のガルバリウム鋼板に限られる場合が多い
各屋根材の紹介
お住いで使用されている屋根材についてそれぞれご紹介したいと思います。
瓦
互屋根と言えば屋根材の中でも最も寿命の長い屋根材です。また、瓦屋根はスレート屋根などのように定期的に塗装を行う必要がありません。そのため、瓦屋根はメンテナンスが不要と思われている方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、瓦屋根の場合も定期的に点検とメンテナンスが必要となります。瓦屋根の場合は以下の箇所を定期的に点検し、必要であればメンテナンスを行う必要があります。
①棟瓦の歪みを確認
棟とは屋根の面と面が重なる部分、頂点を指しており、そこに施工されている瓦を棟瓦といいます。この棟瓦が真っすぐであるか、歪みが出ていないかを確認します。少しでも歪んでいる場合は早めに補修を行いましょう。そのまま歪みを放置しておくと最後は崩れてしまう可能性が高くなります。
②瓦の割れや欠け
雹や台風時の強風で飛来物が瓦にあたったりアンテナが倒壊したりした際に瓦が割れてしまったりかけてしまったりします。その部分から雨水が浸入し雨漏りを引き起こす可能性もあります。
③瓦のずれ、外れ
地震が発生した際に瓦が動きはずれてしまったりずれてしまったりします。瓦自体しっかり固定されていない状態ですので落下する危険性もあります。
④漆喰の剥がれ、崩れ
瓦と瓦の隙間を埋めている漆喰が剥がれたり崩れたりするとその部分から雨水が浸入します。また瓦を固定する力が弱くなってきますのでちょっとした風や地震でも瓦がズレてしまったり落下してしまう可能性があります。瓦屋根から白い塊、コンクリートのような塊が落下してきた場合は早めに捕手を考えるのがお薦めです。
互屋根の場合は上記のような劣化症状が発生します。
また、劣化症状によっては漆喰の詰め直しや瓦の部分交換、棟瓦取り直し工事や屋根葺き直し、葺き替え工事などを行う必要があります。
スレート
現在最も使用されている屋根材と言えばスレート屋根ではないでしょうか。スレート屋根はの耐用年数は約20~30年とされています。屋根材の年数ごとに適切なメンテナンスを行事で屋根の寿命を延ばすことが出来ます。
①新築から7年~10年の場合
新築から7年~10年の場合は屋根塗装でメンテナンスを行いましょう。新築時の屋根材に使用されている塗料は長耐久性が期待できるフッ素塗料とは異なりそこまで耐久性は期待できません。お住いの立地環境によっても早めに劣化してしま場合もありますので、新築、もしくは新規屋根材から7年~10年ほどで一度屋根の塗装を行うことがおすすめです。
②10年~15年
10年~15年で棟板金の交換を行うことがお薦めです。
棟板金も経年により劣化します。基本的に屋根塗装を行うタイミングで一緒に行うと足場代の節約ともなりますのでおすすめです。定期的にメンテナンスを行うことで、台風などの強風時に飛散するのを防止できます。
③20年~30年
屋根カバー工法や屋根葺き替え工事を検討する時期になります。
屋根材がひび割れてしまったり、浮き、反りが目立つ場合、塗装でどうすることもできない場合は屋根葺き替え工事屋屋根カバー工法を行います。また一緒に屋根材の下に設置されている防水紙や野地板などの下地もメンテナンスを行いましょう。
金属
金属屋根は屋根材の中でも軽いことが特徴として挙げられます。最近では屋根葺き替えや屋根カバー工法時に金属屋根を使用することが多くなってきました。金属屋根も他屋根材同様に定期的に点検とメンテナンスを行う必要があります。
金属屋根材も表面は塗装が施されています。お住いの外壁やスレート材と同じく色褪せは塗膜が劣化してきている証拠です。放っておくと金属に影響が及ぶ可能性があります。また台風などの強風時の飛来物、アンテナの倒壊によって屋根材の表面に傷がついてしまうこともあります。傷で塗装が剥がれてしまうと金属が剥き出しになり錆の発生などにもつながります。最悪の場合は雨漏りの原因にもなりますので定期的に点検とメンテナンスを行いましょう。
金属屋根のメンテナンスには主に屋根塗装や屋根カバー工法、屋根葺き替えがあります。ご自宅の屋根の劣化症状を確認し、適切なメンテナンスを行うようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか、本日は屋根の勾配について主にご紹介をいたしました。お洒落な屋根にしたいと考えていても実際は屋根の勾配によって使用できる屋根材は異なってきます。また、屋根材によっても屋根リフォームで選択できる屋根材が限られますので、新築または中古物件を購入する予定のある方や考えている方はぜひ屋根の勾配についても重視してみてください。また、屋根材によっても点検箇所やメンテナンス方法は異なります。定期的な点検やメンテナンスを放置し屋根の劣化症状を放置しておくと雨漏りの原因にもなります。さらに、雨漏りを長期間放置することでお住まい内部の腐食やシロアリの発生につながることもありますので十分気を付けましょう。
街の屋根やさん千葉では、屋根に関するご相談や点検、お見積りを無料で承っております。また、屋根リフォーム、屋根葺き替え工事や屋根カバー工法といった屋根工事全般も承っておりますのでぜひお気軽にご相談ください。

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