雨漏り発生箇所ランキング2位! 差し掛け屋根で雨漏りが起きる原因と補修方法
更新日 : 2025年01月24日
更新日 : 2025年01月24日
【差し掛け屋根】と呼ばれることもある「下屋」は、2階建て住宅の一階の部分にある屋根です。
実はこの差し掛け屋根は雨漏りのリスクが高い形状をしています。
差し掛け屋根の特性や利点・欠点、雨漏り発生時の修理ポイントについてご紹介いたします。
自宅にも差し掛け屋根があるという方は、定期的なメンテナンスの必要性を再確認してみてください。
差し掛け屋根は多くのお住まいに採用されています
差し掛け屋根と聞くとどのような形状の屋根だろう?と思いませんか?正直なところ私自身も差し掛け屋根と聞くと戸惑います。では『下屋』と聞くとどうでしょう?2階建て住宅の1階部分に取り付けられている屋根だと想像出来るのではないでしょうか? 実はこの下屋と呼ばれている屋根が、母屋に差し掛けて作られた小屋根として差し掛け屋根・さしかね屋根にあたります。大屋根(最上階の屋根)の形状が寄棟・切妻・片流れ等に関わらず、1階の床面積が2階の床面積よりも広い2階建て住宅にあります。現代は基礎や屋根の施工面積が広く割高な平屋よりも2階建て住宅が主流です。特に問題がない場合は総二階住宅を建てられますが、周辺環境によっては道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限により2階部分に制限が発生し部分2階の住宅も見られます。そう考えると多くのお住まいで差し掛け屋根が採用されていると思いませんか?差し掛け屋根の上にバルコニーが設置されているお住まいも多く見られますね。
差し掛け屋根のメリット・デメリット
1階室内への雨水浸入を防ぎます
太陽光による外壁の劣化を防ぎます
1.屋根材・防水紙の経年劣化
差し掛け屋根は外壁に差し掛けられている事を除けば通常の片流れ屋根ですので、大屋根同様に屋根材や防水紙が劣化することで雨漏りを起こしてしまいます。雨水や太陽光に晒されている大屋根とは違い、差し掛け屋根は外壁によって陽当たりが悪く苔や藻・カビの繁殖により美観性の低下・経年劣化を起こします。大屋根と差し掛け屋根を同時期に施工された場合でも、劣化速度が異なり雨漏りの時期がずれる可能性がありますので個別で屋根材にあった全体補修を行いましょう。
2.外壁と差し掛け屋根との取り合い
●瓦の取り合い
取り合いとは屋根と外壁が接している部分ですが、瓦屋根は妻側の外壁(流れ壁)と軒側の外壁(平行壁)で仕上がりが異なります。 まず流れ壁の場合は外壁からの伝い雨や吹き込み雨の浸入を防ぐ為に防水紙・捨板(すていた)を設置し瓦を葺きます。瓦と外壁の間に隙間があってもなお雨漏りを起こさないのは捨て(水切り・谷)板金のお陰ですが、瓦で隠れる為ほとんど存在感を表しません。●化粧スレートやガルバリウム(GL)鋼板の取り合い
化粧スレートやガルバリウム(GL)鋼板の場合も取り合いは捨て板金や水切り板金で雨水の浸入を防いでいます。外壁内部に捨て板金が差し込まれているケースと外壁に対して板金が立ち上がっているケースがありますので、屋根材や施工方法によって仕上がりは異なります。 その取り合いが雨漏りを起こす原因には、
①外壁と水切り板金間のシーリング材劣化
②防水紙及び板金の立ち上げ不足
が挙げられます。
②の場合は250㎜以上立ち上げなければいけない下地材等が施工後に確認出来ないため、不適切な施工を行われた差し掛け屋根はたとえ築1~2年の場合も雨漏りを起こしてしまう可能性があります。
①外壁と水切り板金間のシーリング材劣化
①外壁と水切り板金間のシーリング材劣化
②防水紙及び板金の立ち上げ不足
②防水紙及び板金の立ち上げ不足
3. 換気不足による内部結露
屋根材は太陽光や雨水等に晒されて経年劣化を起こすと思われがちですが、実は室内からの影響も受けています。屋外と室内の気温差によって屋根内部で結露を起こし、野地板・防水紙・屋根材が劣化することで雨漏りを引き起こす可能性があります。大屋根の場合は軒裏換気だけでなく棟換気や妻側換気を併用しているお住まいも多いのですが、差し掛け屋根の場合は軒裏換気の設置数も少なく換気棟が設置されているお住まいは見たことがありません。
差し掛け屋根メンテナンスの難易度は非常に高いです
差し掛け屋根で起こる雨漏りの主な原因はいくつか挙げましたが、外壁に発生したクラックから雨水が入り込み取り合い周囲で雨漏りが起きる可能性もあります。室内で雨漏りを発見するとほとんどのケースでその真上にある屋根が疑われますが、外壁と接している差し掛け屋根だからこそ外壁の劣化も注意して見なければなりません。差し掛け屋根で雨漏りが起きる原因と補修方法のまとめ
●差し掛け屋根は1階の床面積が2階の床面積よりも広い住宅にある下屋の事を指します。
●差し掛け屋根は雨水と太陽光を遮る大屋根同様の役割に加え、駐輪場等のスペースとしても利用することが出来ます。大屋根と違い外壁と接しており伝い雨の影響も受けますので、雨漏りを起こすリスクが高い部位にあたります。
●最も可能性の高い雨漏りの原因は差し掛け屋根と外壁の取り合いですが、経年劣化だけでなく施工不良の可能性もありますのでしっかりと原因を特定し適切な補修を行わなければなりません。
●差し掛け屋根と外壁は密接な関係にありますので、雨漏りを起こしてしまった場合は大屋根よりも原因特定・補修の難易度が高くなります。屋根外壁だけでなく室内や小屋裏を確認した上で雨漏りの原因を突き止める信頼性の高い業者に補修工事を依頼しましょう。
●差し掛け屋根の基本的なメンテナンスは大屋根と大きく変わりません。適切な施工を行う事で雨漏りのリスクを大幅に減らすことが出来ますので、必ず築年数・美観を考慮しながら定期的なメンテナンスを心がけましょう。
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