本サイトでもお伝えしているようにお住まいの構造が同じなら、
屋根は軽い方が地震に有利です。大きな地震の後は瓦屋根のお住まいのお客様から「軽い屋根に葺き替えたい」というご相談が多く寄せられます。屋根葺き替えというと屋根リフォームの中でも大掛かりなものですから、結構な費用がかかります。「瓦に愛着があるから、葺き替えないで地震に強い家にしたい」と思っている人も多いでしょう。そこで今回はご自分で簡単にできる、お手軽な耐震対策を御紹介します。
前述の通り、重い屋根は耐震性において不利です。言い換えますと、高い所に重いものがあると揺れやすくなるということです。お住まいが2階建ての場合、2階に重いものがおいてあるとそれだけ揺れやすくなります。重いものは極力、1階へ移動させましょう。それだけで充分な地震対策になります。
お住まいの中で重いものといえば冷蔵庫や家具ですが、もっと重いものがあります。ピアノと本棚です。ピアノは電子ピアノなら軽いのですが、アップライトピアノの場合、軽いものでも200kgあります。それよりももっと大変なのが本棚で、横90cm・縦180cm・幅35cmのものに本を満載し、6畳のお部屋の壁際に4つ並べたとすると1500kgになります(建築基準法の荷重を越えています)。一般的なお住まいの屋根の広さは100㎡程度で金属屋根ですと600kg弱ですから、屋根より重いものが詰っていることになります。普通車1台が6畳間に詰め込まれている感じです。恐ろしいですね。想像しただけで、地震時に大変なことが分かります。
「子供が自立してしまい、子供部屋だった2階はすっかり空き部屋。歳を取って2階に上るが辛くなってきたので、暮らしの中心は1階。2階は倉庫代わりになってしまった。」という年配夫婦も多いと聞きます。そのような状況は大変危険です。息子さんなどは実家に帰った際、2階がそのような状況になっていないか確認してあげてください。そのような状況になっていたら、片付けてあげてください。立派な親孝行になると思います。