屋根塗装で遮熱・断熱性を向上!塗料の仕組みとポイントもご紹介
ここ数年、お住まいでの生活について見直している方が増えてきましたね。今までであれば、日中は会社に通勤し家には誰もいないから、子供も部活や塾で遅いし、とそれほど重要視されていない方も多かったのですが、新型コロナウイルス対策の危険性からリモートワーク、学級閉鎖等、家にいる時間が増えたことで、改めてお住まいの快適性について考えられている方も多いのではないでしょうか?
家にいる時間が長くなることで、家族と話す時間が増えコミュニケーションが図れる一方、電気代が気になる、午前中なのに室内が暑い…等、今までと違う問題点が浮き彫りになったという方も多いです。またそれとは関係なく、年々気温が上昇している夏をどう乗り切るかとお悩みの方もいらっしゃいます。
エアコンをつければ涼しくなるけど電気代が…
どうにも熱がこもってしまいがち…
もっとエコに夏を乗り切りたい
そんな方に今回私たちの街の屋根やさんは遮熱塗料・断熱塗料の魅力をご紹介します。ちょうどメンテナンスの時期に差し掛かっている、数年後に塗装工事を考えているという方はぜひご覧頂き、遮熱・断熱塗料をご検討ください。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください! ↓ ↓ ↓
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。 動画で見たいという方は是非ご覧ください!
皆さんはここ10〜20年程で住宅塗料が進化していることをご存知でしょうか?10年弱のサイクルでウレタン塗料を塗り重ねているという方も多いと思いますが、10年超のシリコン塗料、15年・20年超のフッ素・無機塗料の登場で、もっと長いスパンでの塗装が可能となりました。塗料の進化はそれだけに収まらず、
セルフクリーニング機能を持つ低汚染塗料
建物内部の結露や腐食、塗膜の膨れを抑制する透湿性塗料
塗膜が劣化する原因物質(ラジカル)の発生を抑えて耐候性を高めたラジカル制御型塗料
等、塗るだけでなくそこに付加価値を与える機能性塗料が非常に多くなりました。
その中でも人気の高い機能性屋根塗料は遮熱塗料・断熱塗料です。 2階建て・3階建ての住宅にお住まいの方はわかると思いますが、1階よりも2階、2 階より3階が暑いですよね?暖められた空気は上にこもりますが、それと同時に屋根が受ける熱も伝わってきているため尚更暑く、小屋裏はまさにサウナです。 エアコンを使用してもなかなか涼しくならないから設定温度を下げているという方も多いと思いますが、屋根は太陽光に晒され続けている為、何かしらの対応をしない限りただただエアコンをフル稼働させ凌ぐしかありません。1〜2°C下げて快適、月々の支払いにもあまり差がないな、と考えていても長期間で見るとかなりのロスになっています。
わずかでも家計・快適性の手助けとなるのが遮熱塗料・断熱塗料です。遮熱と断熱、暑さ対策として紹介されることが多いですが、そもそも性質が全く異なる塗料ですのでまずは暑くなる原因と違いを知りましょう。
太陽光線の種類
太陽光と一言で言っても、紫外線 (UV)、可視光線・赤外線の3つの光線を発しています。しわやシミの原因になる紫外線、波長の範囲で色が変わり人の目に虹を見せている可視光線、そして熱を感じる赤外線です。熱をもった物質なら何でも赤外線を放出出来るようで、サーモグラフィーなどにも活用している便利な面をもつ赤外線ですが、暑さを抑えるには赤外線を防ぐ必要があります。遮熱・断熱の説明にはここが非常に重要になるので頭に入れておきましょう!
遮熱塗料
熱を遮る塗料と書かれていますが、塗料に赤外線を反射させる特殊な着色顔料を入れ赤外線を反射させる機能を持つ塗料です。鏡が光を、壁がボールを跳ね返すように、遮熱塗料が赤外線を反射させることで屋根材の表面温度上昇を防いでいます。 その効果はというと屋根材表面温度が一般塗料よりも10〜15°C低く、その効果によって室内温度は1〜3°Cも下がるという検証も出ています。
断熱塗料
断熱塗料は遮熱塗料の考え方とは異なり、赤外線を反射させるのではなく塗膜に溜め込み建物内部に伝わりにくくさせる機能を持ちます。 遮熱塗料よりも暑さ対策は弱いですが、冬は室内の温度を逃がしにくくするのでオールシーズンでバランスの良い効果を発揮するような塗料です。
簡単にご紹介しましたが、遮熱塗料は夏の暑さ対策向き、断熱塗料は年中快適に過ごしたい方向きといった印象です。ここからはそんな便利な遮熱性・断熱性機能を持つお薦めの塗料をご紹介していきます。 ちなみに暑さ対策に特化した遮熱塗料で断熱性を兼ね備えた塗料はまだありませんが、断熱性を重視した上で遮熱性も兼ねた塗料は既に販売されています。オールシーズンに活躍する断熱塗料の方が遮熱塗料よりも若干コストが割高ですが、しっかり特徴と望む性能を比較検討し塗料を選びましょう。
W遮熱でしっかり暑さ対策「サーモアイ ( 日本ペイント )」
有名な塗料メーカー日本ペイントのサーモアイは仕上げ塗料だけでなく専用の下塗り塗料にも遮熱機能を持ちます。従来の遮熱塗料は仕上げ塗料のみに遮熱性能を持つ塗料が多かったのですが、その効果を発揮させるために2回塗りではなく3回塗りが必要になりコストが跳ね上がる等デメリットがありました。またそこまでしても1層では完全に赤外線を反射出来ず、屋根が熱を吸収してしまう課題がありました。 サーモアイはその点、まず仕上げ塗料で赤外線を反射させ、反射できない分を吸収するのではなく、透過させ下塗りに反射させるという遮熱システムでより高い遮熱性能を発揮します。もちろん施工工程は通常通りの 3 回塗りなので、リーズナブルな価格で施工することが出来る画期的な塗料です。 そして驚くべきことに屋根だけではなく、外壁用・道路(床面)用、厚膜で長期防食性に優れた塗料もあり、ラインナップが豊富です。多く使用されているのがサーモアイSi(シリコン)、サーモアイ4 F(フッ素)で艶有り仕上げ、40 色の中からお選びいただけます。
超高耐久!有機ハイブリッド無機型遮熱塗料
「ダイヤスーパーセランマイルドIR( ダイフレックス )」
ダイフレックスのダイヤスーパーセランマイルドIRは一般塗料の仕組みに着目し開発されました。
塗料は顔料の量で配色を決めていますが、ブラックやブラウンといった屋根で人気の色には必ず黒色の顔料が含まれています。この黒色顔料にはカーボンブラックが使用されていますが、カーボンブラックが熱を吸収し温度を上昇させてしまいます。そこで特殊顔料を使うことで赤外線を反射させ温度上昇を防いでいます。
また屋根につきものの経年による塗膜の劣化、汚れや苔の付着を有機(フレキシブル性・耐熱性・耐アルカリ性)と無機(超耐候・超低汚染性・難燃性)の性質を併せ持つ塗膜が長期間にわたって防ぎます。
スーパーセランマイルドIRも屋根用(艶有り16色)・外壁用(20色)がありますので屋根と外壁セットで施工することで、更に快適なお住まいになるのではないでしょうか?
暑さ・寒さ・臭いや騒音も軽減!「ガイナ ( 日進産業 )」
ロケットの先端部にも使用されている「塗るだけで断熱」技術を応用し開発されたガイナは断熱塗料として有名ですが、遮熱機能も兼ね備えています。室内温度が室外よりも高い場合(冬)は外気の熱の移動を抑えることで断熱、室内温度が室外よりも低い場合(夏)は遠赤外線を高温度側(外)に放射することで遮熱機能を持つ効果を持ちます。 更に便利なのは室内にも塗装出来る塗料であること、内装に塗装することで断熱効果を発揮し、快適な温度を維持することができます。更にガイナは別の特性として、音を伝える振動を軽減することで防音効果、水分子をマイナスイオン化させることで消臭・空気質改善効果も図れる良いこと尽くめの塗料です。 基本色は艶無し52色で、淡彩色が多く暗めの調色は塗料の性質上できません。また塗膜の性質上汚れが付きやすいデメリットがありますので、今後のメンテナンスを考慮して使用を検討してみましょう。
遮熱=冬は寒い?
以前より費用が下がったため、一般的な塗料よりは遮熱・断熱塗料を!という方も非常に多いのですが、よく聞かれるのが「遮熱って熱を反射させるの?冬は寒くなるの?」といった夏以外の効果です。確かにその性質上、屋根に赤外線が当たる状態であれば寒いと感じるかもしれません。しかしそもそも四季のある日本では太陽の通る位置が季節ごとに変わりますので、日射角度も異なります。
春分・秋分は55.0度、夏至は78.4度、冬至は31.6度と大きな差があるからこそ日照時間も気温も違うという事です。つまり夏は太陽がほぼ真上にあるので屋根の遮熱性能が発揮できますが、冬は横から太陽光が当たるため屋根の遮熱性能はほとんど関係ならなくなります。 断熱塗料はその点、季節問わず熱を伝わりにくくする性能で、冬は涼しく・夏は暖かい環境を維持します。夏は暑いけど冬は寒い両極の問題がある場合は、断熱塗料も検討してみましょう。
色と熱の関係性
遮熱と断熱の効果はご紹介しましたが塗装する前に最後、ご確認頂きたいのが色です。
色には当サイトでも何度もご紹介している通り、様々な効果があります。印象・気分・大きさまでも変えてしまいますが、熱の吸収・光の反射までも変わります。
もちろん熱を吸収し熱くなりやすいのは黒、逆が白ですが遮熱・断熱へも同じ事が言えます。遮熱塗料のブラックで塗装するのと、一般的な塗料のホワイトで塗装するのとでは、一般的な塗料の方が高い遮熱性能を発揮する可能性があるという事です。 せっかく性能を求め遮熱塗料に期待してしたのに「あまり効果が感じられない」「寧ろ暑く感じるようになった」と逆効果の結果になってしまっては元も子もありません。だからといって、「ホワイトで塗装するのは汚れも気になるし、住宅のイメージが…」と色でお困りの方は実は非常に多くいらっしゃいます。
そこでお薦めなのがカラーシミュレーションです。私たち街の屋根やさんでは塗装時にカラーシミュレーションでお住まい全体の仕上がりイメージをご確認頂いております。緩勾配や多階層で屋根がほとんど見えないというお住まいでない限り、屋根色と外壁色の相性は非常に重要です。機能性を重視する、見た目を重視するという考えも大切ですが、良い所取りが出来ればベストですよね。
決して安くないリフォームでイメージチェンジ、美観性・機能性の保持・改善を行うのですから、後悔のないよう私たち街の屋根やさんとしっかり検討して色を決めていきましょう。
今回は屋根塗装で出来る遮熱・断熱に関してご紹介いたしました。遮熱塗料を使用したことで「エアコンの設定温度を少し高く出来た」「涼しく感じるようになった」と嬉しいお言葉を頂く一方、「あまり感じない」という方もいらっしゃいます。
実験では室内温度を1〜3°C下げ十分な効果があるのですが、それを体感温度として感じるのは難しい点もあり感想は人それぞれです。
それと同時に遮熱・断熱塗料ではなく、お住まいの状態により暑さが緩和されていない、暖かさを維持できていないケースもあります。生活をしていて温度に関してお悩みの方は 3 項目に改善点が無いかをチェックしてみましょう。
断熱材
天井断熱 ( 小屋裏に敷き詰めているタイプ ) は、少しの隙間があるだけで暖気・冷気が小屋裏へと逃げてしまいます。また雨漏りでの腐食・経年による痩せで効果が低下している可能性もありますので、確認・交換を検討しましょう。
換気設備
小屋裏は室内の熱・屋根からの熱を受け暑くなりがちですが、その熱は室内にも影響を与えてしまいます。妻換気や軒裏換気を併用していても暑さが抜けないという方は、屋根頂上の棟に換気棟設置を検討しましょう。雨漏りを心配される方が多いのですが適切な施工を行えば全く問題なく小屋裏の換気が行えますのでご安心ください。一つ注意点としては、換気棟だけでは充分な換気が行えませんので、妻換気・軒裏換気とセットでということを前提にご検討ください。
天窓
天窓は掃き出し窓の 3 倍近い採光性があると言われています。明るい・お洒落と人気ですが、室内が暑いと感じることもしばしば。そんな悩みも天窓交換で解決できるかもしれません。天窓も年々進化しており、日射熱カットの高性能ガラスを採用、降雨を検知し自動で閉まるタイプの天窓等、お客様のニーズに合った天窓が見つかるかと思います。
ちなみに天窓は 10 年でメンテナンス、20 年での交換が推奨されています。劣化で雨漏りを起こす前に屋根と合わせてメンテナンス・交換を行いましょう。
窓に断熱フィルムを貼る、遮光カーテンに変えるなど、まだまだ対策や工夫は出来ますが、上記3項目は屋根工事と合わせて行って頂いた方が足場仮設工事分の節約、二度手間を省くことも可能です。私たち街の屋根やさんは無料調査時にお客様が気になっている部分にあわせて、お住まい全体で改善点がないかも確認させて頂いておりますので、一度見直しておきたい、更に快適性を求めている方はお気軽にご相談ください。
まとめ
●ここ十数年で塗料は耐久性・機能性ともに格段の進歩を遂げました。大規模な屋根工事を行うことなく塗装で遮熱・断熱性を高めることも可能です。
●遮熱塗料は赤外線の反射による温度上昇の低下で夏の暑さ対策、断熱塗料は熱伝導を抑え保冷・保温効果を持つオールシーズン向きです。
●遮熱・断熱の仕組みは各塗料メーカーによって異なります。遮熱性能、使用する色、塗料自体の耐久性やコストを踏まえ使用する塗料を決めましょう。
●遮熱・断熱塗料の効果と色の選定は切っても切れない関係にあります。効果・美観性をバランスよく得るためにも私たち街の屋根やさんのカラーシミュレーションをご利用ください。
●室内が暑くなっている原因は他にある可能性もあります。お住まいの換気・断熱・採光性を見直し、屋根塗装・メンテナンス時にまとめて改善していきましょう。
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