屋根の名称とそれぞれの役割とは?
更新日 : 2021年08月26日
更新日 : 2021年08月26日
皆様が何気なく住んでいるお家の屋根には、部位や場所に名称がつけられています。屋根の名称についての知識を身につけていると、屋根が破損してしまった際など何か困ったことがあったときに、専門の業者に説明をしやすくなるかもしれません。
この記事では、屋根の名称について、それぞれご紹介してまいります。
屋根の名称
棟
勾配がある屋根の一番高い部分のことを「棟(むね)」と呼びます。また、屋根の一番頂上部分の棟のことは、大棟と呼びます。スレートなどの屋根の棟には、板金が取り付けられており、その板金のことを棟板金と呼びます。棟板金は、屋根の箇所の中でも最も被害が出やすい部分の一つです。
また、入母屋屋根や寄棟屋根で、屋根の隅に向かって傾斜した棟のことは「隅棟(すみむね)」、または「隅」と呼んでいます。
谷
屋根の部位の中で、谷になっている部分を「谷」と呼びます。谷は、雨水を流す、という役割を担っています。雨水の通り道になる分、雨漏りも発生しやすい部位の一つとなっています。
平部
屋根には面がありますよね。屋根の面のことを平部と呼びます。また、屋根平面部とも呼ぶことがあります。
雨押さえ板金
屋根と外壁の取り合い部分には、雨押さえ板金が存在します。雨押さえ板金は、外壁から伝って落ちてきた雨水が屋根と外壁の接合部から屋根内部に侵入するのを防ぐ役割を担っています。屋根と外壁の取り合い部分は、雨漏りが発生しやすい箇所です。雨押さえ板金をきちんと取り付ける雨仕舞いが非常に重要になります。
軒
軒とは、お家の平側で外壁から突き出ている部分の屋根のことを指します。軒先とも呼びます。お家の外壁は、紫外線や雨水が当たることでも劣化が進行していきます。軒は、紫外線や雨水から外壁を守ってくれる役割があるのです。近年では、「軒ゼロ住宅」という軒の長さが短い住宅もスタイリッシュで人気ですが、軒が短いことにより雨漏りのリスクも高くなる可能性があるため、注意が必要です。軒は、部位の名称ではなく屋根の場所の名称となります。
ケラバ
ケラバとは、切妻屋根などの屋根の形状で妻側の屋根部分のことを指します。ケラバが存在する場所は想像しにくいかと思いますが、雨樋の取り付けの有無で考えると想像しやすいかもしれません。軒には雨樋が取り付けられていますが、ケラバには雨樋が取り付けられていません。役割としては、軒と同じく紫外線や雨水から外壁を守ってくれる役割があります。また、ケラバが存在することにより、室内に直接日光が当たりにくくなるため室内温度の上昇も抑制してくれる効果があるのです。ケラバも、軒と同じく屋根の部位の名称ではなく屋根の場所の名称となります。
破風・鼻隠し
破風は、屋根の周辺に存在する部位の一つです。破風は、切妻造や入母屋造の屋根には必然的に存在しています。書いて字の通り、風が屋根裏に侵入することを防ぐという役割も担っています。
また、屋根の先端で、「樋が取り付けられている」部位のことはまた別の名称が付けられています。樋が付いている屋根の先端部分のことは「鼻隠し」と呼びます。破風と鼻隠しは、存在する場所と名称は異なりますが補修方法などはほぼ同じと考えて良いでしょう。
屋根で最も被害が多い棟板金
一般的に多く普及されているスレート屋根の中でも、棟に取付けられている板金部分、つまり「棟板金」の被害が最も多くなっています。強風により棟板金が飛んでしまったり剥がれてしまったりすることがあります。棟板金が飛んでしまう原因としては棟板金を固定している釘の固定力が弱まってしまうことにより飛ばされやすくなってしまいます。また、内部には貫板という木材が存在します。貫板が腐食している場合にも釘の固定力が弱まることがあります。
また、棟板金を固定している釘が浮くことによりその部分から雨水が浸入することもあることもあります。雨水が浸入すれば、内部の貫板の腐食に繋がるのはもちろん、雨漏りの原因にも繋がります。
では、屋根の中でも棟板金に被害が多い理由は何でしょうか?棟は、屋根の一番高いところに存在します。高いところにあるということは、その分風の影響を受けやすいのです。また、3階建ての屋根など、屋根の高さが高くなるほど、そこで吹く風の速度は速くなるため屋根が風から受ける負担が大きくなるのです。
屋根下地の名称
瓦やスレートなどの屋根材の下にある「下地」と呼ばれる部分は外からは見えないので、構造や部位の名称をご存知の方は少ないと思います。下地にもお住まいにとって重要な役割を持つ部材があります。
防水紙
屋根材の下には防水紙が敷かれています。防水紙は、防水シート、ルーフィング、下葺き材などと呼ばれ方はいくつかありますが、全て同じものを指します。防水紙の役割は、名前の通り屋根材の隙間から侵入した雨を内部へ侵入するのを防ぎます。防水紙の種類は様々ですが、新築時によく使われる防水紙の寿命は20年ほどですので、築20年が経過したら屋根のメンテナンスとともに防水紙の交換も行いましょう。
野地板
防水紙の下にあるのが野地板です。40年以上前に建てられたお住まいにはバラ板と呼ばれる細い板を何枚も並べて屋根を支えていました。現在では、構造用合板と呼ばれる大きな板が使われています。実はスレートや金属屋根材などはこの野地板に釘やビスで固定をしているため、屋根の中でも重要な部分です。腐食してしまうと屋根を支えることができなくなってしまいますので、30年を目安にメンテナンスするのがおすすめです。
垂木
野地板を支えているのが垂木です。棟から軒にかけて設置されています。野地板のような大きな板ではなく細い板を一般的に455mm間隔で設置されるため、職人さんは野地板を剥がさなくても垂木にしっかりとビスや釘を刺すことができるのです。垂木も経年で劣化してしまいますので、野地板と一緒に補修をしましょう。
屋根の形
屋根の形も様々な種類があります。代表的な形、その名称をご紹介いたします。
切妻屋根
1番多い屋根の形が切妻屋根です。屋根が2面で出来ており、三角形のような形をしていることから三角屋根とも呼ばれます。シンプルな構造なため雨漏りしにくいのがメリットです。一方、屋根が2面しかないことで外壁に雨が当たりやすく劣化しやすいといったデメリットもあります。
寄棟屋根
切妻屋根の次に多い形です。屋根が4面で構成されており、屋根の頂点の棟に加え、棟から軒先に向かう隅棟があります。切妻屋根に比べて外壁が劣化しにくい、風に強いという点が特徴ですが、構造がやや複雑になるので雨漏りリスクは高まります。
片流れ屋根
新しいお住まいに増えている形で、屋根が1面でできているものです。最もシンプルな形状なので費用を抑えることができ、見た目もスタイリッシュです。しかし、切妻屋根同様外壁が劣化しやすかったり、きちんとメンテナンスを行わないと雨漏りしやすいといった欠点もあります。
屋根の名称のまとめ
屋根の名称を紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。屋根の名称について知識を身につけておくと、皆様の大切なお住まいの屋根に何か不具合が生じ、専門の業者に修理の依頼をする際に説明がしやすくなるかもしれません。
しかし、屋根の名称はたくさんあり、専門的な用語を覚えることはなかなか難しいかと思います。私達、街の屋根やさんにご相談される際には、「屋根の頂上部分が~」という説明でももちろん構いません。屋根のことで何かお困りのことがありましたら、私達、街の屋根やさんに何でもお気軽にご相談ください。
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