お家の付帯部の一つ「けらば」の役割と重要性
更新日 : 2021年07月19日
更新日 : 2021年07月19日
『けらば』とは、部材名ではなくお家に付帯されている部位の名称の一つです。
お家の各部位にはそれぞれ役割が存在します。もちろん、けらばも役割を担っています。
この記事では、『けらば』の役割と重要性についてご紹介してまいります。
けらばとは?
まず、けらばとはお家のどこに位置するのでしょうか。
けらばとは、お家の妻側で、外壁から突き出ている屋根の部分のことを指します。
『けらば』という名前の由来は、昆虫の螻蛄(おけら)の羽根の形に似ていることから「螻蛄羽(けらば)」と呼ばれるようになったそうです。
では、お家の付帯部の一つである『けらば』の役割とは一体何でしょうか?
けらばの役割
・外壁の劣化防止
外壁は、紫外線や雨水に当たることで劣化が進行していきます。劣化すると、チョーキング現象や苔や藻、カビ等が発生し、劣化をさらに進行させていきます。
そんな紫外線や雨水から外壁を守ってくれる役割がけらばにはあります。
けらばが存在しない場合、紫外線や雨水は直接外壁に当たることになり、けらばが存在するお家と比べると外壁の劣化を早めてしまう原因にもなります。
けらばは、外壁の劣化を進行させる原因の一つ、紫外線や雨水から外壁を守ってくれる役割を担っているのです。
・日当たりの調整
けらばが存在しない場合、日光がそのまま直接当たることになりますよね。
特に二階部分は、夏は暑くなってしまうでしょう。
けらばが存在することによって日当たりの調整も可能になります。
夏場は適度に日差しを遮り涼しく、冬場は適度に日差しを取り込んで暖かくしてくれます。
・雨漏り防止
けらばが存在しない場合、雨が直接外壁に当たることになります。
けらばや軒が存在しない住宅は、外観はとても個性的ですが、外壁に汚れが付着しやすくなる原因にもなります。
雨水が外壁に直接伝うことにより雨だれの原因にも繋がります。
雨水が直接外壁に当たるのを軽減できるということは、必然的に雨漏りの発生も、けらばがない住宅よりは防げることになります。
けらばは外壁の劣化を防ぐためにも重要な役割を担っていることがわかりましたね。
何気なく住んでいるお家にも、日当たりの調整をしてくれる役割を担っているけらばが存在するなど、きちんと考えられて設計されているのです。
けらばが存在する屋根の形状は?
屋根の妻側にけらばは存在します。
一般的な屋根の形状である切妻屋根や片流れ屋根、招き屋根等、屋根の妻側が存在するお家にあります。
寄棟屋根や、方形屋根にはけらばは存在しません。
「けらば」が存在しないと聞くと心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、寄棟屋根や方形屋根には「軒」が存在します。
軒とは、お家の部位の名称で、お家の平側(雨樋が取り付けられている側)にあり、けらばと同様の役割を担っています。
同じ役割を担っていても、存在する位置により名称が異なるのがお家の部位の名称ではややこしくなってきますね。
皆様の大切なお家に万が一何かあった場合、どこの部位が破損しているのか等ご自身で把握するためにも、一度お住まいの各部位の名称をご覧いただくのも良いかもしれません。
けらばからの雨漏り被害
雨水から外壁を守る役割を担っているけらばですが、実はけらばから雨漏りが発生することも少なくありません。
けらばの端部分を保護している板のことを破風板(はふいた)と呼びますが、破風板が破損していたり劣化している状態ですと、隙間から雨水が浸入してしまいます。
破風板はお家の高い位置に存在するため、破風板が傷んでしまっている場合には専門の業者に点検を依頼しましょう。
また、けらばの端部分には水切り板金が存在します。けらば部分の水切り板金に捲れ等が生じていると、その部分から雨水が浸入し内部の腐食や雨漏りの原因に繋がります。
化粧スレート等の屋根では棟板金の被害が多くなっていますが、けらば部分の水切り板金の捲れの被害も少なくありません。
また、けらばの水切り板金に異常があった場合には棟板金にも何か被害がある可能性があります。
けらばの水切り板金や棟板金に異常が発生していると、雨漏りが発生する可能性が非常に高くなってしまいます。
屋根をご覧になった際にけらば部分の水切り板金の捲れ等の異常を見かけた場合にも、一度点検を依頼し雨漏りが発生する前に補修を行った方が良いでしょう。
けらばと間違えやすい「破風」と「鼻隠し」
けらばとよく混同してしまうのが、「破風(はふ)」と「鼻隠し(はなかくし)」です。それぞれ違う場所を指すのですが、実は破風と鼻隠しはメンテナンス方法はほぼ同じなのです。破風や鼻隠しの特徴やメンテナンスをご紹介いたします。
破風
けらばの下にある屋根の側面を破風と呼びます。破風の役割は風によって屋根が吹き飛ばされることを防いでおり、「風を破る」という意味で破風と言います。また、破風に使用される板を破風板と呼びます。
鼻隠し
軒先の先端を鼻隠しと言います。破風と似ていますが、雨樋がついているのが鼻隠し、雨樋がついていないのが破風という違いがあります。屋根を人の顔に例えると、軒先は鼻になりそこを隠すので鼻隠しと呼ばれているそうです。
破風、鼻隠しのメンテナンス方法
塗膜が剥がれているなど症状が軽度の場合、ケレンという、古い塗膜をサンドペーパーなどで擦って剥がす作業を行った後、塗装をします。塗膜が剥がれが進んでいても木材の劣化は進んでいない場合は、板金で覆う板金巻きでの補修がおすすめです。塗膜も剥がれ、木材も劣化している場合には、交換が必要です。
まとめ
けらばとは、お家の妻側で外壁から突き出ている屋根の部分のことを指します。
紫外線や雨水から外壁を守ってくれる役割がけらばにはあります。
けらば部分の水切り板金に異常があった場合には、雨漏りの原因にもなってしまうため、一度点検をし、補修をご検討した方が良いでしょう。
お家には、破風板や鼻隠し等、けらばの他にも付帯部がたくさん存在します。けらばや破風板、鼻隠しの補修も対応可能ですので、屋根のことでお困りの際は、私達、街の屋根やさんに何でもお気軽にご相談ください。
私達、街の屋根やさんでは、無料で点検も行っております。

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