お家の付帯部である軒天の役割、補修方法とは?
更新日 : 2021年05月13日
更新日 : 2021年05月13日
『軒天(のきてん)』とは、お家に付帯されているものです。もちろん役割もありますし、劣化すれば補修が必要になります。
では、軒天の役割や補修方法等とは一体何でしょうか?
この記事では、お家の付帯部の一つである『軒天』の役割や補修方法についてお話してまいります。
軒天とは
まず、軒天とはお家のどこの部位のことを指すのでしょうか?
『軒天』とは、外壁から突き出ている屋根部分の裏の部分を指します。
つまり軒の天井でもあるため、軒天という名称がつけられたそうです。
お家の部位の中でも、比較的目立ちにくい部分ではありますが、お家に付帯されているものですから、もちろん役割があります。
では、軒天の役割とは一体何でしょうか。
軒天の役割
それでは、軒天の役割を見ていきましょう。
1.雨水や日光の紫外線から外壁を守る
お家に軒天があるということは、その分「軒の長さ」もあるということになります。
軒の長さがない場合、外壁に直接雨水や紫外線が当たることになります。
雨水や紫外線が外壁に当たると、チョーキング現象など塗膜の劣化の進行を早めてしまうことになります。
雨水や紫外線等から外壁を守るためにも、軒天、つまり軒の長さは重要になってくるのです。
2.延焼防止
万が一火災が起きてしまった場合、軒天がないと炎はすぐに屋根まで広がり、燃え尽きてしまうことになります。
炎の燃え広がりを防ぐためにも、軒天の存在は非常に重要になってくるのです。
また、軒天の素材に不燃材を使用することにより、さらに延焼防止効果が期待できます。
築年数が長い場合、軒天にカラーベニヤや合板が使用されていることもあります。
カラーベニヤや合板は、耐火性や耐水性に不安があるため、耐火性や耐水性の高い素材を軒天の素材として選ぶと良いでしょう。
3.屋根裏の換気
軒天の種類によっては、換気口が存在するものもあります。
屋根裏の湿気を排出することにより、内部の結露を防止します。
屋根裏内部が結露してしまうと、屋根裏の野地板等の腐食へも繋がってしまうため、軒天の換気口は大変重要な役割を担っています。
4.美観
軒天が存在しない場合、屋根裏の野地板や垂木等の屋根の構造部分がそのまま丸見えになってしまうことになります。
軒天を張ることにより、構造部分を隠すことができるため、外観を美しくします。
軒天にもきちんと役割があることがわかりましたね。
軒天も、屋根や外壁と同様、年月が経てば劣化しますし、台風等の被害で剥がれてしまった場合には軒天の張り替え工事も必要になる場合もあります。
では、軒天の補修にはどんな方法があるのでしょうか?
軒天の劣化症状
軒天は直射日光が当たらず、なかなか目につかない場所ではありますが、劣化していきます。以下のような劣化症状が見られた場合は、専門業者に依頼してメンテナンスを行いましょう。
色褪せ
直射日光は当たりませんが、色褪せてきます。アスファルトからの照り返しも色褪せの原因です。すぐに修理が必要ではありませんが、外壁や屋根の塗装と一緒に塗装するのがおすすめです。
シミ
雨漏りが発生している可能性があります。屋根に溜まった雨水がシミとなって屋根の最下部である軒天に現れます。軒天にシミが見られた場合は屋根全体に不具合がある可能性があるのですぐに点検を依頼しましょう。
はがれ
ベニヤなど木材を使用した軒天に見られます。放置すると軒天全体が剥がれる可能性があるので、補修しましょう。
苔・カビ・藻
湿気や雨水が排出されず、軒天内に溜まることで発生します。また、塗膜の防水性低下のサインでもあります。軒天の腐食、屋根の劣化に繋がるので補修を行いましょう。
穴
軒天材が劣化し、穴が開いた状態は雨水の侵入だけでなく、鳥や動物の住処にもなります。そうすると衛生面の悪化により屋根内部の劣化を引き起こします。
軒天の補修方法
軒天には、ボートタイプと外壁一体型タイプが存在します。
外壁がサイディングの場合には軒天はボードタイプ、外壁がモルタル等の場合には軒天もモルタルで仕上げられていることがあり、この場合は外壁との境がなく、一体化しています。
外壁一体型の軒天の場合には、外壁材と同様のメンテナンス方法となります。
塗装
軒天の塗膜も、外壁や屋根と同様、年月が経つと劣化します。
塗膜が剥がれてくるなど、塗膜に劣化症状が現れた場合には、軒天の塗装が必要になります。
軒天は付帯部のため、外壁塗装工事の際に一緒に塗装されることが多いです。
外壁塗装をご検討の際に、軒天も一緒に塗装してしまうと良いでしょう。
張り替え工事
もちろん、軒天が剥がれてしまうなど劣化状態が重度な場合には、張り替え工事が必要です。
軒天に雨染みなどのシミがある場合は、雨漏りが発生している可能性があります。
軒天は屋根の裏側だから雨水が直接当たることはないのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、雨が降っていて強い風が吹いている場合には、鼻隠しや破風から雨水が軒天に伝ってくる場合も多くあります。
通常の降雨では軒天に雨水が当たる可能性は低くはなりますが、それでも絶対に当たらないわけではありません。
軒天への雨漏りが発生しているのをそのまま放置してしまうと、屋根裏内部に雨水が浸透してしまい、中の野地板や垂木の腐食にも繋がってしまいます。
重度の劣化の場合には、軒天の張り替え工事が必要になってまいります。
また、軒天は屋根の裏側でもあり日陰になっていることが多いです。
外壁も同じですが、日陰部分の方が湿気が溜まりやすくなり、カビや苔等も発生しやすくなります。
カビや苔は高圧洗浄し塗装をするだけでは取り除けない場合もあるため、軒天の状況によっては張り替え工事が必要になります。
軒天材の種類
軒天に使われる材質には種類があります。それぞれのメリットやデメリットをご紹介いたします。
合板・ベニヤ板
現在の新築のお住まいには使用されませんが、古いお住まいにはベニヤ板などの木材が軒天材として使用されていました。化粧合板と呼ばれる木目調のシートをかぶせることで木材の温かみを出すこともできます。合板やベニヤ板は費用を抑えたい方にはおすすめですが、耐久性や軒天の役割でもある耐火性、耐水性が低いのが弱点でもあります。
ケイカル板
現在軒点材として最も主流なのがケイカル板です。セメントやセラミックスなどを混ぜて作られています。耐久性や耐水性に優れており、長持ちする軒点材です。また、法定不燃材に定められており、耐火性にも優れています。一方で、上記でご紹介した合板やベニヤ板に比べると費用は高くなってしまいます。
エクセルボード
ケイカル板同様に法定不燃材の軒天材です。耐火性や断熱性に優れていますが、耐水性はケイカル板に比べると劣ってしまいます。価格はケイカル板とほぼ同じくらいです。
フレキシブルボード
フレキシブルボードも法定不燃材に定められています。耐火性、耐水性、耐久性に加えて強度もあるのが特徴です。しかし強度がある分、重量があり下地には注意が必要です。また価格も軒天材の中で最も高価です。
まとめ
『軒天』とは、外壁から突き出ている屋根部分の裏の部分を指し、軒天にも重要な役割があります。
劣化の状態によっては軒天の張り替え工事が必要になります。軒天の雨染みと剥がれを発見した場合には、一度点検をした方が良いでしょう。
私達、街の屋根やさんでは、無料で点検も承っております。お困りの際は何でもご相談ください。

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