お家の部位の名称である破風とケラバ、役割の違いとは?
更新日 : 2021年05月13日
更新日 : 2021年05月13日
”お家”というものは私達にとって、必要不可欠なものですよね。
では、皆様は普段お住まいになられているお家の部位の名称のことを知ろうとしたり、その由来を考えたことはありますでしょうか?
当然のことながら、皆様がお住まいになられているお家の各部位には、それぞれ名称があるのです。
お家が破損し工事のご検討を始めた際に「初めて家の部位の名称を知った」という方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、似た場所に存在するため、お家の部位の名称の中でも特にややこしい『破風』と『ケラバ』の違いについてお話してまいります。
破風とは
まず、『破風(はふ)』はお家のどの部分に存在するのかをお話してまいります。
簡単に言うと、破風は屋根の先端部分に存在します。破風に使用される建材のことを「破風板」と呼びます。
しかし、屋根の先端部分に存在する部分を全て『破風』と呼ぶわけではありません。
屋根の先端で、さらに「樋が取り付けられていない」部分に破風は存在します。つまり、屋根の妻側の先端に付いている山形の部位のことです。
破風は、切妻造や入母屋造の屋根には必然的に存在します。お城などにも存在し、唐破風や千鳥破風など、形状や装飾などによりまたさらに呼び名も異なってきます。
“風を破る”という字の通り、風が屋根裏に侵入することを防ぐという役割もあります。
また、屋根の先端で、「樋が取り付けられている」部位のことはまた別の呼び名があり、樋が付いている屋根の先端部分のことは「鼻隠し」と呼びます。
垂木の先端部分(鼻先)を隠すために取り付けられたことにより、「鼻隠し」という名称が付けられたそうです。お家の名称にもそれぞれきちんと由来があるのが面白いですね。
ちなみに、破風と鼻隠しは存在する場所と名称は違いますが、補修方法はほぼ同じと考えて良いでしょう。
ケラバとは
破風がお家のどこの部分を指すのかが上記でわかりましたね。
それでは次は、『ケラバ』とは一体何なのかをお話してまいります。
破風と似た場所に存在するため、屋根付近であることは想像しやすいかもしれませんが、
『ケラバ』という単語を聞いただけで具体的にお家のどこの部分の名称であるのか、すぐ想像できる方の方が少ないでしょう。
ケラバは、「破風と外壁までの間の屋根の部位」のことを指します。
ケラバの由来が気になる方もいらっしゃいますよね。ケラバとは、昆虫の”ケラ(オケラ)の羽根”のことで、破風と外壁までの距離が短いところが、ケラの短い羽根に似ていたことから、『ケラバ』と名称が付いたそうです。昆虫が名称の由来だったとは驚きですよね。
また、鼻隠しと外壁までの間の屋根の部位(地面と水平になっている側)については、「軒」や「軒先」と呼びます。
『破風』も『ケラバ』も、樋が取り付けられていない屋根の妻側の先端部分に存在することがわかりましたね。
破風とケラバは、似た場所に存在し、さらに樋の取り付けの有無によって「鼻隠し」や「軒(先)」など呼び名が変わってくるため、破風やケラバはお家の部位の名称の中でも特にややこしいのです。
破風とケラバは同じ「屋根の妻側の先端部分」に存在するため、それぞれの役割には共通点もありますが、もちろん違いもあります。
破風とケラバが存在している場所はわかりましたが、では、破風とケラバの役割の違いとは一体何でしょうか?
破風とケラバの役割の違い
まず、破風とケラバに共通する役割は、「雨風を防ぐ」ことです。
破風は、横または下からの雨風の吹き込みによる雨水の浸入を防ぎます。ケラバは外壁面よりも突き出ているため、外壁に直接雨水が当たることを防いでくれています。お家のデザインによりケラバが存在しない住宅もありますが、その分雨漏りのリスクも高くなってしまうため、ケラバのないお家にお住まいの方は注意が必要です。
次に、破風とケラバの役割の違いを見ていきましょう。
破風の役割
・防火性を高める
住宅火災は、下から上に延焼していきます。
破風に、厚みのある木材など、燃えにくい建材を使用することによって、延焼を防ぎ屋根裏まで火が回るのを防ぐ役割があるのです。
・外観を美しくする
屋根は、垂木などで構造されているため、破風がないと内部が見えてしまい外観を損なってしまう場合もあります。
破風があることにより、お家の外観をさらに美しく見えるようにすることができるのです。
また、破風を塗装することでお家の外観をガラッとイメージチェンジすることもできます。
ケラバの役割
・日当たりの調整
ケラバがないと日の当たる角度によっては窓ガラスや外壁に直接日光が当たるため、夏場は室内温度も上がってしまいます。
ケラバがあることによって、直接日光が当たり室内温度が上昇することを抑制してくれるのです。
「日光が当たらないと冬は寒くなってしまうのでは・・・」と思う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、冬は日射角度が低いため、適度に日光を取り込むことができます。
・外壁の劣化防止
ケラバがないと、直接紫外線が外壁に当たる確率が上がってしまいます。紫外線は外壁の劣化の進行を早める原因のひとつです。
ケラバがあることにより、紫外線が外壁に直接当たることを抑制し、劣化を防ぐ役割もあります。
上記のように、破風とケラバは場所だけでなく、役割の違いもあるのです。
世の中には破風もケラバも存在しない屋根もあります
ケラバは全ての屋根にも存在するわけではありません。破風も同じです。街中でも見かけることの多い寄棟屋根は屋根の端の部分は全てが水平であり、雨樋が設けられています。ビルなどの陸屋根には破風も、ケラバも、鼻隠しもありません。方形と呼ばれるピラミッド型の屋根には破風とケラバはありません。
切妻屋根以外にも破風やケラバは存在するの?
「太陽光発電が数多く設置できるように招き屋根にしたけど、この家の屋根って破風は存在するの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。招き屋根にも破風やケラバは存在します。切妻屋根と同じように勾配が付けられた屋根の端、外壁から外側の部分がケラバで、その側面は破風です。屋根の端が水平でその端に雨樋が設置されていれば、鼻隠しです。
片流れ屋根や差し掛け屋根も同様に破風やケラバが存在します。複数の屋根が連なった形状の鋸屋根やM型屋根も同様に考えていただければと思います。
世の中にはさまざまな形状の屋根が存在します。片側の屋根が切妻でもう片側は寄棟という屋根も存在します。こうなってくると形状別に分けるのは非常に困難になってきますよね。
まとめ
破風とケラバの違い、いかがでしたでしょうか。
破風とケラバは似た部分に存在するため、混同してしまったり違いがわからなかったりする方もいらっしゃるかと思います。
お家の部位には様々な名称があり、役割もそれぞれ違います。皆様の大切なお住まいに何かあった時のためにも、お住まいの各部位の名前を予め知っておくと良いのかもしれません。
私達、街の屋根やさんでは、破風などの補修ももちろん承っております。
何かお困りの際は、私達、街の屋根やさんに何でもご相談ください。

関連動画をチェック!
どのリフォームが最適?屋根リフォームの種類【街の屋根やさん】
今回の記事で登場した工事やお住まいのトラブルに関連する動画をご紹介します!
こちらの動画では、工事の内容やお住まいのトラブルの対処方法などをより詳しく説明しています
。
お役立ち情報が満載ですのでぜひご覧になってみてください。
このページに関連するコンテンツをご紹介
街の屋根やさんは千葉県以外にも東京都、神奈川県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方の地域の街の屋根さんをお選びください。
