普段、見ることができない屋根の上だからこそ常識はずれのことが起こります。お客様からご依頼を受け、屋根を点検したら、とんでもないことが起こっていたということも稀にあります。そんなできごとを紹介します。屋根の上でも信じられないことが起こるのです。
樹脂製の雨樋なのに「鉄臭いから点検してほしい」と言われた時のお話
「お家に垂直方向に設置されている雨樋(竪樋)のうち、1つだけ異常に鉄くさいものがある。不良品で体に悪い物質が溶け出してないか点検してほしい」とお客様からご依頼を受けた時の話です。たしかに新築時など建材が新しいうちは独特の匂いがすることもありますが、それほど強い香りがするわけではありません。築年数は6年くらいということでそんなに匂いがするはずもないのですが、確かに一箇所だけ錆臭いというか鉄の匂いがする竪樋があります。雨樋は樹脂製ですし、見た目では異常はありません。聞くところによると、新築時からそのような匂いがしていたということですから、かなり長く続いていることになります。
梯子をかけて竪樋と繋がっている横樋を見てみますとすぐに理由が分かりました。何と、大量の釘が雨樋の中に落ちていました。おそらく100本近くあったでしょう。状況から考えると、新築時に大工さんが屋根の上に箱で置き忘れたか、落としたものが雨樋の中に転がってきたのでしょう。これじゃ鉄臭いのも当然です。
雨樋の中に転がっていた釘を全て撤去したところ、以前より匂いはしなくなったということです。お客様のお家がたまたま瓦屋根だったからよかったものの、金属屋根で屋根の上に釘が長く残っていたら、もらい錆で屋根がえらいことになっていたかもしれません。最近はどの会社もこうした管理をしっかりするようになりましたが、稀にこういったケースもあります。また、雨樋から水が溢れてくるとご相談をいただき、点検したところ、おそらく風で飛んできたであろう円筒形のジュースの紙パックと落ち葉と泥が雨水を堰き止めているということもありました。飲料水のアルミ缶が横樋に横たわっていたこともあります。
見えないからこそ、何が起こっているのか分からないというのが屋根の上です。こういったケースを見てしまうと、つくづく定期点検をした方がいいと思ってしまいます。屋根の上がちょっと心配という方は街の屋根やさんの無料点検を利用してください。