陸屋根(平らな屋根)や屋上のある建物を除けば、ほとんどの屋根に勾配(傾斜)がついています。この勾配、なだらかなものから恐ろしく急なものまで様々です。屋根の勾配って、なだらかな方が良いのでしょうか、それとも急な方が建物にとっては良いのでしょうか。
雨に関して言えば、急勾配の方が圧倒的に有利です。雨水が早く流れますから、水切れもよく、傷みにくいです。屋根の上に水分が溜まることがないので苔も生えにくく、金属屋根などの場合は錆びにくいとも言えます。ただし、急勾配であればあるほど、面積も増えますから、風の影響を受けやすくなります。また、重量も増します。建材の料も必要になってきますので、新築時・屋根リフォーム時の費用もかかります。そのままでは屋根の上で工事することができないので、屋根足場が必要になり、その分の費用も嵩みます。
緩い勾配の屋根は雨水が流れにくいので雨には弱く、勾配によっては使える屋根材も限られてきます。緩い勾配では雨水が染み込む心配のない金属屋根が使われることが多くなります。風に関しては勾配が緩ければ緩いほど、影響を受けづらくなります。また、屋根の面積も少なくなりますので重量面で有利な上、建材も少なくて済みますので、新築時や屋根リフォーム時の費用もお安くなります。
屋根の勾配が緩くても、急でも、どちらにもメリット・デメリットがあるということです。屋根リフォームの主な目的は美観というよりも機能性の回復やアップですから、デメリットを打ち消すことができるような屋根材を選んであげることが理想です。