屋根に葺かれる建材は慣習からか瓦以外のものでも「スレート瓦」や「金属瓦」と呼ばれたりします。瓦が錆びたと聞いて、それが金属瓦だったらありえないことではないし、自然な現象です。正真正銘の粘土瓦にも錆が発生するといったら貴方は信じられるでしょうか。
粘土瓦にも錆が発生することがあるのです。いうまでもなく粘土瓦は粘土から作られます。粘土も土の一部ですから、鉄分を多少なりとも含んでいます。いぶし瓦の場合、その粘土に含まれる鉄分が瓦表面にあると錆が発生することもあるのです。いぶし瓦の表面にポツポツと点状で赤くなっいる部分があれば、それはサビかもしれません。もしサビが発生していても、品質的や性能には全く問題ありませんし、進行しませんのでご安心ください。また、その錆も本の少量ですので、屋根や壁を汚してしまうことはありません。
陶器瓦(釉薬瓦)は新品の段階から表面に亀裂が入っていることがあります。この表面の亀裂は貫入と呼ばれ、瓦だけでなく陶器製品特有のもので、焼いて焼結させる時に粘土との収縮率の違いによ起こります。これは釉薬の表面の亀裂なので、品質・強度ともに全く問題ありません。ご家庭にもこのような貫入が入った陶器があるのではないでしょうか。画像のような徳利にお酒を入れても漏れてきませんよね。これと全く同じで瓦の防水性にも影響はありません。余談ですが、この貫入の亀裂が発生する音は非常に美しいと言われています。
悪徳業者の中には「いぶし瓦の表面の錆が進行して瓦がボロボロに崩れてしまう」、「陶器瓦の貫入が増えていき、やがてはバラバラになったパズルのようになってしまう」とさも専門家のように説明する人がいますが、荒唐無稽な出鱈目です。物理的な衝撃を加えない限り、貫入の細かなひびが増えていくことはございません。いきなり、お住まいに訪問してきて前述のようなことを言われたら、信頼できるできる業者に相談することをお勧めします。