山武市芝山町にて台風被害で損傷した屋根にスーパーガルテクトを用いた屋根カバー工法を実施

台風で損傷した屋根の点検調査

屋根の状態を点検

山武市芝山町にお住まいのお客様は、台風15号（令和元年房総半島台風）の影響により、屋根に設置されていたテレビのアンテナが倒れ、テレビが映らない状態になってしまったとのことです。

幸い、電気業者が早い段階でアンテナ交換を行ってくれたため、視聴の問題は解消したそうです。

ただ、その際に電気業者から「屋根の一部に損傷が見られるため、屋根の専門業者へ相談した方が良い」と案内を受けられたとのことでした。

インターネットで屋根業者を探されたところ、数社ヒットしたそうですが、その中でも私たち「街の屋根やさん」が真っ先に表示されたそうです。
台風直後だったため、思ったより連絡がつきにくく、大変なご苦労をされたようです。

現地調査に伺った際、お話を伺うと、ご自身はまだ屋根の損傷箇所を十分に把握できていないとのことでした。

これまで何社かの業者に見積もりを依頼されたそうですが、多くは「破損部分の修理見積もりを出す」という説明にとどまり、具体的にどこがどう壊れているのか、詳しい状況を説明されなかったとお聞きしました。

そこで弊社は、ドローンでの撮影と画面共有を採用しました。
これにより、一緒に屋根全体の状態や損傷箇所をリアルタイムで確認できます。

屋根は全体的に劣化が進んでいる状態で、瓦や谷板金の破損から台風の被害を物語っていました。
お客様にも視覚的に確認できたことで、「多少破損はあるが、これなら安心できる」と感じてくださったようです。

苔等による劣化の進行状況を点検

破損が見られた箇所は、谷板金付近のスレート瓦でした。
谷部分は雨水が集中しやすく、多くの雨が流れ込む場所のため、特に不具合が発生しやすいポイントです。
このため、早めの修理が欠かせない箇所になります。

スレート瓦は強風に比較的に強い屋根材ではありますが、瓦同士の隙間がほとんど無いため、部分的な補修が難しい特徴があります。
無理に部分補修を行うと、木部の下地を傷めてしまう可能性があるため、適切な方法とは言い切れません。

また、ドローン撮影で屋根全体を確認したところ、一面に苔（こけ）が広がっており、築18年という時期を踏まえると、塗装によるメンテナンスが必要な状態でした。
このまま放置すると雨水の流れが悪くなり、さらにコケが増えて劣化が進む恐れがあります。

お客様は、航空写真のように上空から屋根を見るのが初めてとのことで、想像以上にコケが広がっている様子にとても驚かれていました。

カラーシュミレーションを実施

お客様は、今回の調査で屋根全体にこれほど多くの苔（こけ）が発生している状況を目にし、将来的な維持管理を考えると、「塗装を行っても再び同じ状態になる可能性が高いのではないか」と心配されていました。

長期的に安心できる方法として、金属屋根材であるアイジー工業のスーパーガルテクトによる「屋根カバー工法」を選択され、工事を進めることになりました。

スーパーガルテクトは、5種類のカラーから選ぶことができます。
屋根は普段あまり目にする機会がないため、張り替え後の印象を想像するのが難しく、悩みどころでもあります。

そこで、カラーシミュレーションや実物サンプルを使いながら、仕上がりのイメージをつかんでいただき、最適な色合いを選んでいただく流れとなりました。

スーパーガルテクトを用いた屋根カバー工法

既存の棟板金を撤去

工事を開始するにあたり、まず既存の棟板金を取り外す必要があります。
屋根カバー工法では、屋根に凹凸が残っていると仕上がりが美しく整わないため、凸部となる要素は事前に撤去し、平滑な状態にしてから施工へ進む形となります。

スレート瓦については、そのまま残したまま上から新しい屋根材を重ねていくことが可能で、多少の段差があっても大きな支障はありません。
今回のお住まいで使用されているスレート瓦には、製造年から見てもアスベストは含まれていません。

既存の瓦を撤去せずに残すことで、解体処分費や産業廃棄物処分費を抑えられる点も大きなメリットです。
また、スレート瓦自体が軽量な屋根材であるため、その上に金属屋根材を重ねても、全体の重量に大きな負担がかかる心配はほとんどありません。

防水紙（ルーフィング）を敷設

棟板金の取り外しが終わると、次に防水紙の敷設に移ります。
通常の新築工事では、木下地に対してタッカー（大型のホチキスのような工具）を用いて防水紙を留めていきます。

しかし、屋根カバー工法では既存の下地がスレートになるため、同じ方法では施工ができません。
そのため、工事では粘着式の防水紙（ルーフィング）を使用します。

シートの裏面が全面粘着になっており、工具を使わずに貼り付けが可能です。
タッカー針のような不要な穴が開かないため、防水性が高く、雨漏りリスクの軽減にもつながる仕様となっています。

屋根材スーパーガルテクトを敷設

工事で設置した屋根材は、アイジー工業の「スーパーガルテクト」シェイドブラウンです。
ガルバリウム鋼板を使用した屋根材で、穴あきに対して25年のメーカー保証が付いており、耐候性の高さが大きな特長となっています。

さらに、施工時の釘やビスなどの固定部材が全て屋根材の内部に隠れる構造のため、雨水が直接当たらず、錆が発生しにくい仕様です。
これにより、強風時の飛散対策としても優れた性能を持っています。

塗膜には「チヂミ塗料」が採用されており、光の当たり方や見る角度によって色味が変化し、落ち着いた高級感が感じられる仕上がりになります。
軽量でありながら強風や地震にも強く、耐久性と意匠性の両面を兼ね備えた、まさに次世代型の屋根材と言えるでしょう。

「貫板と棟板金」の交換作業

最後に、貫板と棟板金の交換作業を行いました。

屋根の葺き替え後も、既存のスレート瓦と形状が近いため、住まいの外観を損ねることなく、自然で美しい仕上がりとなっています。
災害によって瓦が破損するケースでは、特にスレート系屋根において棟板金の飛散が非常に多く見受けられます。

既存の棟板金の下地には木材の貫が使用されていましたが、木材は耐候性が高くないため、年数が経つと劣化して腐食することがあります。
せっかく金属屋根へと葺き替えた以上、この弱点を残さない方が安心ですので、今回は木材の貫下地を樹脂製の貫材（貫板）へと交換しました。

金属屋根材自体が高い耐候性能を持っているため、その性能を十分に活かせるよう、長期的に劣化しにくい樹脂製の貫材（貫板）を採用し、弱点が残らない構造に整えています。

屋根全体のカバー工事（工法）が無事に完了しました。
スーパーガルテクトは全てのパネルがしっかりと噛み合う構造になっており、一部が破損する可能性が低く、災害に対して非常に強い屋根材です。

また、軽量であるため地震の揺れにも強く、現在では多くのお客様がカバー工事や葺き替え工事に採用している人気の屋根材となっています。

金属系屋根材は利点が多く、デメリットが少ないことから、今後も主流の屋根材としてさらに普及していくことが予想されます。
最大の特長は耐候性の高さであり、台風や大雪などさまざまな災害に強いことが一番の魅力です。

特に、重量のある瓦屋根を使用している住宅や、築年数が経過して強度が低下している住宅、将来的に葺き替えが必要となる場合には、最も適した屋根材としておすすめできます。