モニエル瓦のメンテナンスで失敗しないために知っておきたいこと
更新日 : 2026年06月08日
更新日 : 2026年06月08日
モニエル瓦は1970〜90年代にかけて多くの住宅に採用された乾式コンクリート瓦です。
「乾式洋瓦」とも呼ばれ、デザイン性の高さと施工性の良さから一時代を築きましたが、製造メーカーである日本モニエル株式会社はすでに解散しており、現在は新材の入手が困難な屋根材です。
築30〜40年を迎えたお住まいでモニエル瓦が載っているケースは多く、「そろそろメンテナンスを考えたい」というお声をよくいただきます。
この記事では、モニエル瓦のメンテナンスを正しく進めるためのポイントを解説します。
モニエル瓦の特徴と「スラリー層」を理解する

モニエル瓦の主成分はセメントと砂利で、砂利を含んでいるため日本瓦に比べれば重量が軽く耐震性に優れており、また金属屋根などに比べて遮音性・耐熱性が高いという特長があります。
見た目がよく似たセメント瓦との違いは、小口(瓦の上端や下端)の形状で判別でき、小口がすっきりしていればセメント瓦、ゴツゴツしていればモニエル瓦です。
最大の特徴が表面の「スラリー層」です。
スラリー層とは、コンクリート基材の瓦の表面を約1mmで覆っている着色顔料のことで、その上をクリヤー塗装で保護しています。
このクリヤー塗装は10年ほどで経年劣化し、脆弱なスラリー層がむき出しになります。
このスラリー層の存在が、モニエル瓦のメンテナンスを一般の屋根材より難しくしている根本的な理由です。
見逃せない劣化のサイン

モニエル瓦に現れる代表的な劣化症状は次のとおりです。
チョーキング(白亜化)
チョーキングとは塗膜が劣化して粉状になる現象で、塗膜の保護機能が失われている状態です。
モニエル瓦に雨が染み込み、割れやすくなります。スラリー層のチョーキングは特に粉末が大量に発生するため、見た目にも変化が現れやすいです。
ひび割れ・欠け
ひび割れがあると水を吸収し脆くなります。
水が防水シートにまで達している場合は雨漏りの原因になるため補修が必要です。
藻・苔の繁殖
塗膜が剥離した箇所(特に北面)は、ほとんどと言っても良いほど藻や苔が繁殖します。
これは防水性の低下を示すサインです。
瓦のズレ
瓦がズレたまま放置していると、雨漏りの原因や屋根下地材の劣化につながります。
瓦のズレの原因は台風や地震など様々です。
これらの症状が1〜2か所でも確認できたら、早めの点検が必要です。
モニエル瓦のメンテナンス方法

モニエル瓦のメンテナンスには「塗装」と「葺き替え」の2つの選択肢があります。
築10年前後が塗装を検討する目安で、新築時の塗膜が紫外線や風雨によって劣化し、屋根材が傷み始めるのがこの時期です。
ただし住環境によっては10年より前に症状が現れることもあれば、10年経ってもスラリー層の防水性が保たれており塗装を勧められないケースもあります。
目安年数よりも、実際の状態で判断することが重要です。
屋根塗装
塗装を行う際に最も注意すべきなのが下地処理です。
スラリー層は指でこすった程度でも粉状になり基材のコンクリートから剥離してしまうほど脆弱で、丁寧な高圧洗浄でこれを取り除かないと、後から塗装した塗膜ごと剥離してしまいます。
高圧洗浄で完全に除去しきれなかった部分は専用の下塗り材で固めて剥がれを防ぎ、状態が悪い場合は下塗りを2回行うこともあります。
モニエル瓦専用のスラリー固化系シーラーによる下地処理は、塗装の品質を左右する最重要工程です。
葺き替え
一方、瓦本体に割れや欠けが多い場合や下地材の傷みが進んでいる場合は、塗装よりも葺き替えが根本的な解決策になります。
すでにメーカーが解散しているため、モニエル瓦の新品入手は極めて困難な状況です。
その場合はガルバリウム鋼板やスレートなど現行の屋根材へ切り替えることで、以後のメンテナンス性も大きく改善されます。
まとめ
モニエル瓦のメンテナンスは、スラリー層への正しい対処と、築年数・劣化状態に応じた工法選択が鍵を握ります。
塗装と葺き替えのどちらが最適かは、屋根の現状を実際に確認しなければ判断できません。
街の屋根やさんでは、無料の現地調査・点検を通じてお住まいの状態を詳しくご確認いただけます。
モニエル瓦の扱いに慣れた専門スタッフが、お客様のご状況に合ったメンテナンス方法をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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