ベランダ・バルコニーの屋根の使われる樹脂製屋根材、塩ビ、アクリル、ポリカの違いとは
更新日 : 2021年05月13日
更新日 : 2021年05月13日
洗濯物を干す用途が高いことから陽当りを求められ、光を透過率が高いことからバルコニーやベランダの屋根に使われることが多い樹脂製の屋根材が塩ビ、アクリル、ポリカです。同じ、石油由来の樹脂製ですが、その耐用年数は大きく違います。ここでは塩ビ、アクリル、ポリカ、それぞれの特徴と違いについてご説明いたします。
※この記事は5分程度で読了できます。
全て樹脂製だがその耐用年数は大きく違う塩ビ、アクリル、ポリカ
誰しもベランダやバルコニーの用いられている透明から半透明で、時には色付きのものもある樹脂製の屋根材は見たことがあると思います。ご自宅がそうだという方も多いでしょう。また、カーポートの屋根材として同様の物が使われていることがご存知の方も多いでしょう。これらは塩ビかアクリル、またはポリカのいずれかで、同じ石油由来の樹脂ながらも、耐用年数が大きく違うという不思議な特徴を持った化学的な製品です。ベランダやバルコニー、カーポートの屋根に使うなら耐用年数が長いものがいいですよね。知っておいて損はない情報をお伝えしていきます。
塩ビ(塩化ビニール樹脂)の特徴と耐用年数
正式名称をポリ塩化ビニルと言います。メリットとしての特徴はカラーバリエーションが豊富で、安価な素材であることです。デメリットとしての特徴は紫外線によって分解されやすいことです。そのため、ベランダやバルコニーの屋根材として塩ビ波板が使われた場合、耐用年数は3年程度とも言われています。この耐用年数を長くするためにガラスマット入りのものも作られていますが、それでも5年程度です。劣化とともに柔軟性を失っていくので、ちょっとの衝撃でも割れやすくなります。また、熱に弱いというデメリットもあり、60℃程度で変形してしまうこともあります。
アクリル樹脂の特徴と耐用年数
ガラスを凌ぐ透明度を最大のメリットするのがアクリル樹脂です。そのメリットを活かした用途は広く、ショーケースなとでガラス代わりに使われています。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、その透明度を活かして水族館の水槽のガラス(アクリルガラス)として用いられています。ある水族館の水槽のアクリルガラスは何と60cmもあるそうです。破損してもガラスのように飛び散らないことから、テレビの全面ガラスとしても使われています。加工性も高く、一昔前まではカーポートの平板の屋根によく使われていました。
こちらも紫外線に弱く、晒されることによって硬化し柔軟性を失っていくので、強風時の衝撃でバリバリに割れてしまうこともあります。耐用年数は10~15年程度と言われています。
ポリカ(ポリカーボネイト)の特徴と耐用年数
最強の樹脂と言われるのがポリカーボネイトです。同じ厚さで比較するとその強度はガラスの約200倍、アクリルの約30倍という耐衝撃性を持ち、戦闘機のコックピットのキャノピーにも使用されています。強化されたものでは銃弾に耐え、割れるということはまずないのですが、変形はするので、カーポートやバルコニーの屋根ではそれによって飛散してしまうこともあります。熱にも強く、燃えにくいという性質を持っています。火を付けられても火元がなくなれば消火してしまうほど強さです。これだけの強さを持ちながらも、表面はそれほど傷に強くないというデメリットがあり、一般的な塗膜よりも弱いという面もあります。また、薬品類にも弱いという性質もあります。屋根材としての耐用年数は薄い波板で10年程度、カーポートの平板などで15年程度と言われています。
ベランダにも、バルコニーにも、カーポートにもポリカがお薦め
塩ビ、アクリル、ポリカを価格で比較した場合、やはり最も高いのはポリカですが、耐用年数が長いというメリットがあります。また、極めて燃えにくく、火元がなければ自己消火してしまうという火災にも強い面を持っています。燃えなければ、有毒ガスも出ませんので、安心です。一般的な建物の事情を考えれば、最も怖いのは台風時の強風と火災でしょう。これらに対して塩ビ、アクリル、ポリカの中でほぼ安全なのはポリカだけです。メンテナンスのコストだけじゃなく、安全に対して支払わなければならないコストを考えた場合、最も安上がりになるのはポリカで間違いないでしょう。
塩ビ・アクリル・ポリカの比較
・比重
塩ビ > アクリル、ポリカ
塩ビが3つの中では重いですが、アクリルやポリカとさほど変わりはありません。
・透過率
アクリル > ポリカ > 塩ビ
透明プラスチックの中で最大度の透明度を持つアクリルが透過率も3つの中で一番高いです。ポリカや塩ビもアクリルには劣りますが、ベランダやバルコニーで使用するのには十分な透過率です。
・連続使用温度
ポリカ > アクリル > 塩ビ
連続使用温度とは、一定の温度の中に長時間放置し、強度が初期の50%劣化したときの温度のことを指します。火に強く自消性を持つポリカは日々直射日光を浴びるカーポートやバルコニーの屋根に向いています。
・表面の硬度
アクリル > 塩ビ > ポリカ
・耐衝撃性
ポリカ > 塩ビ > アクリル
表面硬度が3つの中で最も低く傷つきやすいことをデメリットに持つポリカは、衝撃には強いという特性を持っています。一方で表面が固いアクリルは、衝撃には弱いというデメリットがあります。台風の際には注意が必要です。
・費用
ポリカ > アクリル > 塩ビ
塩ビが最も安価ですが、耐用年数が短いことがデメリットです。一方ポリカは、値段は高くなってしまいますが、耐用年数も長く、衝撃に強いため、台風の時期には安心かと思います。
ベランダ・バルコニーの屋根やカーポートは火災保険で補修できます
塩ビ・アクリル・ポリカが使われるベランダやパルコニーの屋根、カーポートは風の影響を受けやすい箇所です。特に台風後には、ベランダやバルコニーの屋根、カーポートが飛散してしまう被害が多く出ます。台風などの自然災害で被害を受けた場合、火災保険を使用して補修することができます。流れや注意点を押さえておくと、いざという時に役に立ちます。
まず被害箇所を発見したら、保険会社または保険代理店に連絡をしましょう。わかる範囲で構いませんので、被害状況を伝えます。その後、保険会社より必要な書類が送られてきますので、記入をします。その際、被害箇所の写真が必要となりますので、補修する前に必ず写真を撮っておきましょう。被害状況の写真や必要書類の記入を手伝ってくれる修理業者にお願いするのがおすすめです。必要な書類をそろえたら、保険会社へ送ります。その後、保険金が支払われるという流れになります。
火災保険の申請をする際に注意することは、火災保険適用となるのは「自然災害によって破損した場合」です。そのため、経年劣化は対象外となりますので注意しましょう。また、被害を受けてから3年が経過すると対象外となってしまいます。補修金額にも決まりがありますので、事前に確認することが大切です。
街の屋根やさんではベランダやバルコニー、カーポートの樹脂製の屋根材だったら、波板でも平板でもポリカーボネイトをお勧めしています。何よりもお客様に安心してお過ごしいただきたいからです。「そろそろベランダやバルコニー、カーポートの屋根材の交換を考えている」という方はぜひ、ポリカをご検討ください。

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