ブルーシートを使った応急処置、屋根の養生で必要な4つのポイント
更新日 : 2021年05月13日
更新日 : 2021年05月13日
屋根からの雨漏りで、まず真っ先に思いつくのはブルーシートを使った応急処置ではないでしょうか? 昨年2019年に大きな被害を与えた台風15号(令和元年房総半島台風)や台風19号(令和元年東日本台風)ではさまざまな家屋や建物で雨漏りの被害がありました。このような暴風雨や豪雨で雨漏りした場合、ほとんどは天井に染みができるといったレベルではなく「ポタポタ」と滴り落ちてきたり、雨量によっては滝のように天井などから雨水が流れ落ちてくるような状況になります。それでは生活もままならないため、応急処置としてブルーシートが利用されるのです。
ブルーシートは名前の通り青い樹脂製のシートですが、グレーや黄色などのカラーバリエーションがある商品もあります。その場合はカラーブルーシートなどとも呼ばれます。
使われている素材は主にポリエチレンなどの合成樹脂で、防水性が高いことや軽量・安価などの理由から災害の現場だけでなく工事現場、さらにはキャンプなどのアウトドアでのレジャーシート、タープ(日よけ)などにも幅広く使われています。
ブルーシートの種類~使い方に合わせて厚みが違う
ブルーシートと一括りにされてしまうことも多い製品ですが、複数の種類があり、それによって用途も変わってきます。下記の表記はブルーシートのラベルなどに記載されているもので、数字はグラム単位での重さを表しています。
・#1000(1000g)
・#2000(2000g)
・#3000(3000g)
・#4000(4000g)
標準的なブルーシートのサイズは3.6m×5.4mで約12畳です。約12畳のブルーシートでも1000gのものもあれば、4000gのものもあるということです。同じ大きさで重さが違うのは、厚さが違うからです。同じ性能なら薄くて軽い方がいいわけですが、ブルーシートの耐久性は厚さによって支えられている部分が大きく、厚いものほど物理的なダメージへの耐久性と水分や紫外線などへの耐久性が高くなります。
ホームセンターなどで購入する場合、価格が安いからといって、#1000の薄手のブルーシートを購入しても用途によっては適切ではない可能性があるのです。
雨漏り発生から数日で工事の手配ができる状況であれば#1000でも耐えることができますが、台風による被害の場合、同時期に被害を受けている方も多いため工事が混み合い、1カ月先になってしまうことも考えられます。その場合、#1000では持たないでしょう。
特に屋根の上に設置する場合、地上よりも風の影響を強く受けます。また紫外線の影響も大きいため信頼性を考えて応急処置であっても使用するなら#3000あたりがお勧めです。
令和元年房総半島台風、令和元年東日本台風では自治体がブルーシートを配布しましたが、その多くは薄いもので秋の紫外線を浴びて切れてしまったものもあったと聞きます。それほど場所を取るものでもありませんし、台風接近中や通過直後は品薄になったり、売りきれたりしてしまうので平時に#3000以上の厚手のものを用意しておきたいものです。
▼「ハトメ」の有無について
薄手の#1000あたりのブルーシートの場合は災害時や工場などでほぼ使われないため、ハトメという紐を通す金属のホールがついていない場合があります。ハトメがあることで、ブルーシートをロープでしっかり固定したり、土嚢袋を括りつけたりできるので購入時には気を付けましょう。
▼紫外線(UV)耐候剤入のシートもあります
一般的なブルーシートよりも価格は高くなりますが、紫外線による劣化を抑える紫外線耐候剤入り(UVカット)のシートもあります。工事までに何か月もかかる場合はこのようなブルーシートを使用することをお勧めます。
▼ロール状のブルーシート
ブルーシートと同じポリエチレンなどの合成樹脂のシートですが、トイレットペーパーのようなロール状になっているものもあります。比較的薄手のシートですので耐久性はそれほど高くなく、あまり範囲が広くない箇所の雨養生に使ったり、床の上で作業する時に汚したり傷付けたりしないための養生として使われます。
一般的に屋根の応急処置に使われる#3000のブルーシート。ラベルやパッケージに必ず#〇〇〇〇と記載されているので、まずは数字をチェック。グレーのものは紫外線(UV)耐候剤入のブルーシート。こちらもラベルやパッケージに紫外線(UV)について記載されていることが多い。「UVシート」や「UVシルバーシート」と呼ばれることもある。
屋根工事におけるブルーシートの用途
さまざまな用途に使われていますが、最も活躍しているのが雨漏りしている箇所への養生でしょう。雨水が入らないように浸入口をブルーシートで覆います。これは雨水の浸入によって日常生活に支障が出ること防ぐ他、被害の拡大を防ぐことにも有効です。
通常濡れることがない内部の躯体(柱や梁)は一般的な木造住宅の場合、木でできています。木は水分によって腐食しますので、躯体も雨漏りが長期に渡って続くと腐食してしまいお住まい自体の耐久性を低下させることになります。もともとは雨漏りしている箇所だけの工事で済むものも、時間が経てば経つほど被害は大きくなり、クロスや壁の染みから酷くなると腐って穴が開いたりするので工事箇所も増えていきます。長引けば家財の破損も起こりますし、電源設備の故障から家電製品の漏電や火災も発生します。木部が腐食していると白アリなどの害虫被害も呼び寄せます。
これらを防ぐためにも雨漏りが発生した場合は速やかにブルーシートなどを使って雨養生をし、被害を最低限に抑えることが大事なのです。
雨漏りの後、長期に渡って気を付けなくていけないのがシロアリです。シロアリは湿った木材が大好きなので、雨漏りの後はより被害に遭いやすくなることを覚えておいてください。人の目に触れないところで活動することが多いため、ある程度被害が進んでからでないと気づかないことも多いのです。
ブルーシートを使った屋根の応急処置
応急処置の方法は様々で、屋根の形状や問題箇所の範囲などによって変わってきます。
▼棟板金などの板金の応急処置
台風被害のお問い合わせで多いのが棟板金の飛散です。棟板金はスレートや金属屋根材の屋根の面と面が交わる箇所の板金です。この板金は釘などで固定されていると経年によって浮きあがってしまい、台風の強風で外れてしまうことが多いです。
板金が外れかかっている場合などは、屋根から落ちないようにテープで固定したり、場合によっては取り外して地上まで下ろさなければならないこともあります。
棟板金の応急処置は比較的範囲が限定されるので、ロール状のブルーシートを適切なサイズにカットし、養生テープやブチルテープでテーピングします。
▼屋根材の一部破損などの応急処置
瓦やスレートが一部だけ剥がれたり割れたりしている場合も、棟板金同様にブルーシートをカットしてテープで固定します。割れたり欠けている屋根材などはブルーシートで覆って固定出来ない場合は、地上まで下ろしておきます。
▼養生する範囲が大きい場合の応急処置
ブルーシートを掛けて、その上から土嚢を置いて固定したり、ハトメにひもをつけてバルコニーの手すりやフェンスなどに括りつけて飛ばないようにします。養生する範囲が大きいとその分風の影響も受けやすいので出来るだけゆるみがなく、風が入り込まないように設置します。また、時間が経つとひもやブルーシート自体が若干伸びるので工事までの期間が長い場合は再調整する必要もあります。
▼応急処置に必要な資材について
・ブルーシート
・ブルーシートを養生する場所に貼る養生テープやブチルテープなど
・ブルーシートを固定するための紐やロープ
・ブルーシートやテープ、紐を切断するためのカッター、ハサミ
・飛散防止のための重しを作る土嚢袋、それに砂利などを入れるためのスコップ
必ずしも上記の資材が必要ではないことと、場合によっては違うもので代用するケースもあります。例えば重しとしてブルーシートを固定する土嚢は、角材を使って代用することもあります。また、養生する部分については修理をすることが前提になるため、それ以上被害が拡大しないように板で押さえつけて、釘を打って強固に固定してしまうこともあります。
棟板金などの幅が狭いものブルーシートを使わずともビニールと養生テープだけで応急処置することも可能。陸屋根など面積が広い場所にはやはりブルーシートが役に立ちます。
ブルーシートでの養生が長期に渡る場合はブルーシートはもちろんのこと、土嚢袋や紐なども紫外線に強いものが求められます。紫外線に弱い土嚢袋や紐の場合、数カ月程度で穴が開いたり、破れたり、切れたりして養生の役目を果たせないこともあります。
高所に登る際の注意点
まず、服装に気を付けましょう。夏場は暑いかもしれませんが、けがを防ぐために長袖長ズボンが望ましいです。屋根の上は勾配があり、特に瓦屋根は滑るので滑りにくい靴を履きましょう。1人での作業は絶対に行わないでください。必ず2人以上で作業をしましょう。梯子に登る際も、ずれないように誰かに抑えてもらってください。また、作業は晴れた日に行いましょう。雨が降って焦ってしまうかもしれませんが、濡れた屋根はとても滑ります。雨が降っているときは家の中でできる雨漏り対策をして天気が回復するのを待ちましょう。
加えて、梯子をかける際の注意点も理解しておきましょう。まず地面がぬかるんでいないか、平であるか確認してください。梯子をかけるときには必ず紐で固定しましょう。雨樋の金具に固定すると安定します。梯子の理想的な角度は75度です。角度が小さすぎたり大きすぎたりすると、梯子が倒れてしまうので注意です。先ほどもお話した通り、誰かに梯子を支えてもらいましょう。さらにお家と梯子を紐で繋げるとより安心です。梯子に上るときは両手でしっかりと梯子をつかみ、ゆっくり上ってください。体を梯子に近づけると登りやすいです。屋根の上でもゆっくり行動しましょう。
上記でお話したことはあくまで応急処置であり、高所に登るのは大変危険です。必ず専門業者にお願いしましょう。また、屋根に上がる必要がないよう、日ごろからメンテナンスを行ってください。
ブルーシートで屋根を応急処置するのは転落などの危険が伴います
街の屋根やさんでは点検時に2階、もしくは3階の屋根まで届く3段梯子を持参してお伺いします。梯子を使って屋根に上るためですが、屋根の上は転落の危険が伴うため場合によってはのぼれないケースもあります。
・雨が降っていたり風が強い場合
・傾斜が急な場合
・屋根が苔や汚れで滑りやすい場合
・屋根が著しく傷んでいる場合
これ以外にも、現場の判断で安全を確保できない場合は屋根にのぼっての応急処置ができないこともあります。
ご自分で屋根に上って応急処置をしてしまう方もいらっしゃいますが、毎日屋根にのぼっている私たちでも常に細心の注意を払って行っています。慣れていない方にはとても危険なことです。絶対にやめましょう。
街の屋根やさんでは災害時などの繁忙期でなければ基本即日対応でブルーシートなどの応急処置をいたします。費用は33,000円~ですが、その後弊社に工事のお申し込みをしていただいた場合は応急処置の代金はお返しいたします。
災害時・通常時、ブルーシートが役立つ場面は多数
災害時はもちろんのこと、通常時でも役立つことが多いのがブルーシートです。例えば、災害時。避難所に来るまでに大雨で濡れてしまったということもあるでしょう。「このままじゃ寒いし、着替えたいけどトイレは混んでいるし、避難所の中では人の目も気になる」という時にブルーシートがあったら、目隠しとして使えますよね。
通常時でも、災害時でも、体に巻き付ければ防寒着になりますし、簡易的なレインウェアとしても使えます。直射日光を避ける日除けとしても有効です。一家に一枚というよりも一人に1枚という感じで用意しておけば役に立つと思います。大きなものを数枚、各個人に小さなものを1枚用意しておけば困ることはないでしょう。
記事内に記載されている金額は2021年05月13日時点での費用となります。街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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Q3.弊社をどのように探しましたか?
千葉市 雨漏りで調べました。
Q4.弊社を知りすぐにお問合せをされましたか?もし悩まれたとしたらどんなことがご不安でしたか?
もう一社相談しました。
Q5.何が決め手となり弊社にお問合せをされましたか?
同じ様な部分工事がありました。
Q6.実際に弊社担当者がお伺いしていかがでしたでしょうか?
良かったです。
Q2.当初、工事を依頼する会社にどんなことを期待されていましたか?
同じ様な工事事例があったので
Q3.弊社にご依頼いただく際に他社と比較しました方はどこの会社と比較しましたか?
一社相談し金額差
Q4.弊社に工事をご依頼いただいた決め手は何ですか?
工事事例もあり金額も安価でした。
Q5.工事が終わってみていかがですか?良かった事・嬉しかったことを忌憚なく頂戴出来ましたら幸いです。
補修工事ですがよかったです。
Q6.街の屋根やさんを他の方に紹介するとしたらなんと紹介しますか?
知り合いが居れば相談させて下さい。