屋根の板金について、その種類と役割、メンテナンス方法を徹底解説
更新日 : 2021年05月13日
更新日 : 2021年05月13日
板金、文字が示す通り、金属を薄く板状に加工したものです。さまざまな用途に使われおり、金属屋根材としてはもちろんのこと、その他の屋根の部分にもさまざまな場所に板金は使われています。何と瓦屋根にも使われていることがあるのです。
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屋根の板金とは
板金、板状に金属を加工したものということは誰でもご存知だと思いますが、板金を使った身近なものというとなかなか思い出せないのではないでしょうか。試しに「板金」と打ち込んでネットで検束してみますと、自動車の板金と塗装を行っている業者がたくさん出てきます。凹んだりしてしまった車のボディを直し、塗装する修理屋さんですね。
板金そのものを見かけることはかなり少ないのですが、それを加工した製品は身の周りに溢れています。デスクトップPCの本体ケースも板金を加工して箱状にしたものですし、金属製の机やキャビネットも板金を加工したものです。
では屋根の板金と言ったら、どこを思い浮かべるでしょうか。
メジャーなのはスレート屋根の棟板金
現在、ご自宅がスレート屋根という方はかなり多いと思います。スレート屋根の頂点や角の部分には雨水の浸入を防ぐために板金が取り付けられています。スレート屋根の面と面が出会うところを棟と呼びます。よって、スレート屋根の角の部分に取り付けられているものは棟板金と呼ばれています。ちなみに屋根の頂点の水平な部分を大棟、屋根の横の端の部分の角を隅棟(下り棟)と呼びます。
板金を加工して葺いた屋根が金属屋根
板状である板金も加工されてしまうと、全く違う形状になってしまうため、元は板金だったと気が付きませんよね。板金を加工して屋根材にしたものが横暖ルーフやスーパーガルテクトといった金属屋根です。こちらも屋根で使用されている板金になります。軽いために耐震性も高く、錆びにくくメンテナンスも少なくて済むことから、現在、注目されている屋根材です。
板金を加工してそのまま取り付けたような屋根が瓦棒屋根や折板屋根
瓦棒屋根は形状的にも鋼板を加工したものということが分かりやすい屋根ではないでしょうか。現在でもトタン屋根と呼ばれることのある瓦棒屋根ですが、数十年前はめっき成分がほぼ亜鉛のトタン鋼板を加工していました。見た目ではほぼ区別がつかないものの、現在ではアルミと亜鉛めっきのガルバリウム鋼板が使われています。
折板屋根はガルバリウム鋼板を台形が連続した形状に折り曲げた屋根です。板金は板状のままだとペラペラで頼りないものですが、規則的に折り曲げることによって強度を増すことができます。これは半円を連ねたような金属波板も同じです。
スレート屋根、金属屋根では雨仕舞に水切り板金が使われている
金属屋根やスレート屋根では雨水が綺麗に流れていき、雨樋にしっかり収まるように軒先に水切り板金が取り付けられています。この軒先の水切り板金、屋根材にほとんどが隠れてしまうため、一般の方が見つけるのは難しいと思います。
また、金属屋根やスレート屋根で屋根の形状が切妻の場合、ケラバと呼ばれる勾配が付けられている屋根の側面部分に水切り板金が取り付けられています。こちらケラバの板金も雨水をスムースに流すために設置されたもので、役目は軒先の板金と一緒です。こういった板金は唐草とも呼ばれます(唐草と呼ばれる理由についてはコチラ)。こういった雨水を適切に排水させ、然るべきところに仕舞う(治める)ことを建築用語では雨仕舞いと呼びます。
瓦屋根でも板金が使われていることがある~谷板金
瓦屋根というと板金などの金属とは無縁に感じられるかもしれませんが、建物や屋根形状によっては谷板金というものが設置されています。谷板金とはお家の入隅(L字型の凹んだ部分)の屋根に存在し、雨水を排水するための雨樋として設けられたものです。しがって「谷樋」などとも呼ばれます。
この他、建物には純粋に屋根のための板金というわけではありませんが、さまざまなところに水切り用の板金が取り付けられています。2階と外壁と1階の屋根の接合部分に設けられる水切り板金、土台と建物の接合部分に設置される水切り板金など、建物には屋根の板金の他にも雨仕舞のためのさまざまな板金が存在するのです。
板金の劣化症状
さまざまなところに使われている板金ですが、下記のような症状がある場合は雨漏りなどを引き起こす可能性があるため、定期的にメンテナンスを行いましょう。
棟板金は釘を真横から打ち込み、屋根材と固定をしています。屋根は直射日光を受けるため表面は高温になります。それにより棟板金が膨張し、釘が抜けてしまいます。築10年ほど経っている家は注意が必要です。釘が抜けたまま放置しておくと、強風や台風によって棟板金が飛散する恐れがあります。また、棟板金が浮くことにより、内部に水が侵入し、貫板が腐ってきます。これも放置してしまうと、屋根材や防水シートまで劣化し、屋根全体を直す大掛かりな工事が必要になり、費用もかかります。こうならないためにもメンテナンスを行いましょう。
サビにも注意が必要です。先ほどもお話した通り、現在の板金にはガルバリウム鋼板が使用されています。昔のものと比べ、サビが発生しにくくなってはいますが、全く発生しないわけではありません。サビは板金の耐久性を弱めます。サビを発見したら、サビ止めを塗って劣化を防ぎます。
谷板金では、ゴミや落ち葉が溜まっていないか注意しましょう。溜まったまま放置すると雨や雪が流れず、雨漏りを引き起こす可能性があります。公園など木が多い場所の近くにお住まいの方は注意が必要です。落ち葉や枝だけでなく、鳥の巣がある可能性もあるので、定期的な清掃やメンテナンスを行いましょう。
屋根の板金のメンテナンスは塗装か交換
建物に使われている板金にはアルミ、ステンレス、銅などさまざまなものがありますが、最も普及しているのがガルバリウム鋼板です。アルミと亜鉛でめっきされた鋼板で、錆にも強く、屋根の上でも棟板金、谷板金、屋根だけでなく建物全体のの水切り板金としても広く使用されています。ガルバリウム鋼板は塗装によって耐用年数を延ばすことが可能です。比較的、安価な板金ですので変形したり、穴が開いてしまった場合は交換も可能です。
屋根塗装や外壁塗装をするのであれば板金にも塗装を
屋根塗装や外壁塗装の際はぜひ、板金にも塗装をしておいてもらいたいものです。軒先の水切り板金などは屋根材に隠れてしまっているので塗装は不可能ですが、棟板金や谷板金(谷樋)は塗ることができます。1階の屋根と2階の外壁の接合部分や土台の水切り板金も塗装してあげてください。
錆びたり、穴が開いた場合は交換
ある程度の錆まではケレンで錆を落とし、錆止めを塗布して塗装することも可能ですが、全体的に錆びていたり、錆穴が開いてしまった場合は新しいものへ交換するよりほか、ありません。棟板金などほとんどが外部に露出している場合、交換するのにさほど手間はかかりません。谷板金など屋根の面と面の間に挟まれるように設置されているものは厄介です。屋根材を剥がさないと交換できないのです。瓦などは部分的に剥がして交換することが可能ですが、スレートや金属屋根材は下から上へと重ねて葺かれているため、広範囲に剥がさないと交換できないこともあります。

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