腰折れ屋根が採用される理由とメンテナンス時の注意点をご紹介
更新日 : 2021年05月13日
更新日 : 2021年05月13日
屋根には様々な形状がありますが、住まいの屋根が有名な切妻屋根や寄棟屋根と異なり複雑な形状をしていると「我が家は何に気を付けなければいけないのだろう?」どうしようもない不安を感じてしまいますよね?そこで今回はそれほど馴染みがないのではないかと思う【腰折れ屋根】についてご紹介したいと思います。
どのような形状なのか、どのようなメリット・デメリットがあるのかを確認し適切なメンテナンスを実施しましょう。
腰折れ屋根とはどんな屋根?
腰折れ屋根と言うのは屋根が途中で折れ曲がるような形状をした屋根を指します。マンサード屋根やギャンブレル屋根、駒形屋根とも呼ばれるこの屋根は主に建築時に考慮しなければならない北側斜線によって屋根の傾斜を変えざるを得ないという住まいが多いように感じます。
ちなみにマンサード屋根は面の数を問わず全面が腰折れ屋根になった屋根形状のことを指すようです。
ギャンブレル屋根というのは18世紀ごろにヨーロッパからアメリカに伝わった、二面切妻二段勾配屋根と呼ばれる屋根形状ですが、簡単に言えば切妻屋根の両面を腰折れ屋根に仕上げた駒形の屋根形状です。
このように屋根面がはっきりと折れ曲がった屋根のことを『腰折れ屋根』と呼びますが、マンサード屋根やギャンブレル屋根共に屋根の仕上げ方、注意点は変わりませんので腰折れ屋根について知りメンテナンス方法に役立ててくださいね。
通常良く見ている屋根面は急こう配であっても直線ですよね?敷地に問題がなければ直線の屋根に仕上げることがほとんどです。しかし直線屋根に仕上げるにあたって、隣家との距離があり北側斜線・日影規制を最低限クリアしなければならないため、特に都市部では腰折れ屋根のお住まいを見かけることがままあります。
腰折れ屋根のメリット・デメリット
では実際にどのようなメリット・デメリットがあるのかを知っておきましょう。
・腰折れ屋根のメリット
当然ですが屋根は傾斜(勾配)があればあるほど水はけが良くなります。腰折れ屋根の場合は途中までは通常の勾配だとしても、最終的には急勾配になり水捌けが良くなり屋根材の劣化を遅らせることが出来ます。
また先ほども申し上げた通り建築時に北側斜線を考慮して腰折れ屋根を採用した住まいもあるかと思います。このように敷地に対して制限があっても腰折れ屋根にすることで住宅を建てることが出来るのです。
・腰折れ屋根のデメリット
対して腰折れ屋根には注意点もあります。腰折れ屋根の場合勾配が急に変わる部分は雨漏りを起こしやすい部位でもあります。この境目は角度も変わる為屋根材ではカバーしきれず板金等で保護することがあるのですが、十分な処理を行わないと境目から雨漏りを起こす可能性が十分にあるのです。
2枚の写真をみてもわかるように腰折れ屋根の上部は雨水や太陽光だけでなくピンポイントで風の影響も受けますので必然的に傷みやすい場所です。
腰折れ屋根を補修する様子と注意点
直線的な屋根でないため、補修上の注意点はありますので、しっかり理解したうえで補修に臨むことが大切です。今回はスレート屋根へのカバー工法を例に工事の様子をご紹介したいと思います。
カバー工法の際には必ず雨水が内部に入り込まないよう軒先、つまり腰折れ屋根の部分から防水紙を葺いていきます。その際にも必ず防水紙は屋根の継ぎ目をカバーするように施工します。直線的な屋根面は通常通りの施工が可能ですが、腰折れ屋根の場合、途中で必ず板金を加工し雨仕舞を確実に施工する必要があります。
このように屋根の折れ曲がる部分を境に板金を取り付け雨水の浸入を防いでいきます。上述した通り腰折れ屋根は境目が傷みやすく雨漏りを起こしやすい箇所ですので、正しく施工できるような屋根業者に補修工事を依頼するのが非常に大切です。
最後ですが、腰折れ屋根を補修する際には勾配が急になることから、それほど面積がない腰折れ屋根部分であっても屋根足場が必要になるケースがあります。腰折れ屋根である以上隣家が近いということも想定されますので工事前の近隣挨拶はもちろん、メンテナンス回数を減らし周辺にお住まいの方へご迷惑とならないようにしていくということも大切です。
腰折れ屋根に関するまとめ
腰折れ屋根は切妻屋根や寄棟屋根といった代表的な屋根形状とは異なり特殊で目を惹く屋根形状です。しかしその分雨漏りのリスクは高く定期的なメンテナンスは欠かせません。屋根のプロに補修工事を依頼するということが最も大事になります。
また立地や敷地の問題状腰折れ屋根を採用したお住まいは周辺環境にも留意しなければなりません。屋根の補修工事を行う際に外壁塗装を同時に行うなど足場仮設が必要な補修工事はまとめて行うようにしていきましょう。
私たち街の屋根やさんは屋根はもちろん外壁や軒天、雨樋の補修工事も承っておりますので、気になる箇所がある、補修工事が必要なのか見てほしい等お悩みの点がございましたらお気軽にご相談ください。
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