雨漏りを防ぐ屋根の最後の防御網アスファルトルーフィング(防水紙)
更新日 : 2021年05月13日
更新日 : 2021年05月13日
街の屋根やさんのサイトでは「防水紙」と呼んだり、記載しているものがアスファルトルーフィングにあたります。屋根材の下に設置されるため、一般の方がほとんど見る機会がないけれども、非常に重要な建材でこのアスファルトルーフィングが室内への雨漏りを防いでいると言っても過言ではないのです。このアスファルトルーフィングには種類がありますので、屋根葺き替えや屋根カバー工法時にどのような防水紙を選ぶべきかをアドバイスしていきます。※このページは約6分程度で読了できます。
街の屋根やさんのサイトでは「防水紙」と呼んだり、記載しているものがアスファルトルーフィングにあたります。屋根材の下に設置されるため、一般の方がほとんど見る機会がないけれども、非常に重要な建材でこのアスファルトルーフィングが室内への雨漏りを防いでいると言っても過言ではないのです。このアスファルトルーフィングには種類がありますので、屋根葺き替えや屋根カバー工法時にどのような防水紙を選ぶべきかをアドバイスしていきます。
※このページは約6分程度で読了できます。
アスファルトルーフィングとは屋根の防水紙のことです
普段は気にしませんが、表意文字である漢字は便利なものです。上の画像、一番大きく印刷されている文字は「屋根下葺き材」です。これだけでも何となく「屋根の下に敷くものだろうか」、「屋根材の下に葺いていくものだろうか」と想像できますよね。少なくとも屋根に大きく関係するものだということは分かります。
では、「防水紙」はどうでしょうか。文字通り、防水加工された紙と容易に想像はできるのですが、それを聞いただけではその用途が全く分かりません。屋根工事業者がよく口にする「アスファルトルーフィング」はどうでしょうか。一般の方はお手上げだと思います。
実はこれ、屋根材に限定してしまえば、全て同じものを指しているのです。つまりは「屋根下葺き材」=「防水紙」=「アスファルトルーフィング」なのです。具体的には屋根材の下に設置される防水性のある紙(繊維)のことなのです。
アスファルトルーフィングの役割は雨漏りを防ぐこと
屋根というのは表面の屋根材、そしてその下のアスファルトルーフィング(防水紙)で室内への雨漏りを防ぐ仕組みになっています。瓦屋根やスレート屋根には通気のために隙間が設けられています。この隙間、気体が通るだけならいいのですが、強風を伴った横殴りの雨などの場合はここから屋根内部に雨水が浸入してしまうこともあるのです。そういった際に室内側へ雨水を到達させずに排出できるよう、設置されているのがアスファルトルーフィング(防水紙)です。
最初に雨を受け流す屋根材は一次防水であり、屋根材の下に浸入してきた雨水を室内側へ到達させないようにするのが二次防水、これらダブルの守りで建物は雨を防いでいます。
アスファルトルーフィングにはさまざま種類が存在
アスファルトルーフィング(防水紙)には様々な種類が存在します。新築時に用いられることの多いオーソドックスなもの、改良され耐用年数が延びたもの、固定に釘やタッカーなどが不要な粘着層を持ったもの、湿気を排出する機能を持ったものと実にさまざまです。さまざまな種類があるアスファルトルーフィング(防水紙)ですが、その違いは機能の他、耐用年数となって現れます。当然のことながら、価格と耐用年数は比例し、高いものほど長くなります。
止水性は高いが耐用年数10年程度と言われるアスファルトルーフィング
最もオーソドックスな防水紙であるのがアスファルトルーフィングです。新築時に最も使用されていると言われる防水紙で、止水性も充分な能力があると言われています。ただ、その耐用年数は15年~20年とも言われており、破れやすいとも言われています。新築時にこのような防水紙が使われているのはコストカットのためとも言われています。
ワングレード上の改質ゴムアスファルトルーフィング
基材である原紙に改良したアスファルトを含侵させたルーフィングです。改質アスファルトルーフィングや改質ゴムアスファルトルーフィングと呼ばれることが多く、名称の一部に「ゴム」という言葉が使われていることから分かるように成分にゴムが含まれています。耐用年数は13~17年と言われています。
固定に釘が不要の粘着層付き改質アスファルトルーフィング
下地に自着する粘着層を持っているのが粘着層付き改質アスファルトルーフィングです。しかも、粘着は遅延型なので何回も貼り直すことができるという優れものです。アスファルトルーフィングになぜ粘着層が必要かというと、自然に接着してくれるとなれば、固定するために打つ釘やタッカーの針も少なくて済みます。釘やタッカーの針が少なくなれば、漏水するリスクがある箇所も減るのですから、雨漏りしにくくなりますよね。また、下地に密着するので雨水の通り道となる間隙も少なります。こういったところでも雨漏りしにくいアスファルトルーフィングと言われています。
湿気を排出する透湿ルーフィング
屋根の下の小屋裏(天井裏)は意外に湿気が多く、そのことによってアスファルトルーフィングや野地板、垂木が傷んできます。こういった湿気を逃がしてくれるのが透湿ルーフィングです。透湿ルーフィングは非常に高価ですが、耐用年数は50~60年と言われています。透湿性のないアスファルトルーフィングを使用し、野地板、垂木が傷んで修理することを考えれば、透湿ルーフィングのランニングコストはむしろ安いとさえ言われています。
透湿系と非透湿性のアスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングは湿気を排出する「透湿系」と湿気を排出することよりも防水性に優れた「非透湿系」の2つに分けられます。先程ご紹介した、4つのアスファルトルーフィングも透湿系、非透湿系に分類できます。透湿ルーフィングは名前の通り、透湿系です。それ以外のアスファルトルーフィング、改質ゴムアスファルトルーフィング、粘着層付き改質アスファルトルーフィングは非透湿系です。それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
透湿系のアスファルトルーフィングである透湿ルーフィングは、屋根の下の湿気を逃がすことに優れているので、雨漏りだけでなく、屋根材などの劣化も防ぐことができます。結露が発生しやすい屋根断熱住宅におすすめの防水紙です。重さも、アスファルトルーフィングに比べて軽量なので屋根材への負担が少ないのも特徴です。一方デメリットは、やはり費用が高くなってしまうことです。また、屋根材が直貼り工法であるスレート屋根、シングル屋根などでは、通気構法を併用する必要があり、手間がかかってしまいます。
非透湿系のアスファルトルーフィングは、種類によりますが、透湿系に比べて比較的安価です。また、防水性も優れているといわれています。一方デメリットは、湿気を逃がす力を持っていないので、結露により野地板が痛んでしまうことです。透湿ルーフィングに比べると、耐用年数は低いこともデメリットです。
おススメは透湿ルーフィング
これから新築でお家を建てるという方は初期コストは上がりますが、透湿ルーフィングにしてもらうのが正解です。屋根葺き替えや屋根カバー工事をするという方は「お家をあと何年持たせたいか」でアスファルトルーフィングを選びましょう。
ただ、その時は「あと15年持たせたい」と考えたしても、実際に15年後になってみたら、「あと5年は住み続ける必要がある」となるかもしれません。そういった時のことを考えて、やや長めの耐用年数のものを選ぶことも忘れないでください。
施工品質にも着目してください
いくら高性能の防水紙を使っても、施工品質が悪ければ雨漏りしやすくなることは分かりますよね。野地板と屋根材の間に設置される防水紙は、外からも小屋裏からも確認することができません(瓦屋根は屋根材がはずせるものが多いので別)。屋根葺き替えなどの工事で稀に見かけるのですが、屋根材を解体していくと防水紙と防水紙がしっかり重ねられておらず、隙間があったりすることがあります。また、酷いものになると数十センチ四方程度ですが一部に防水紙が全く貼られていないというものもありました。おそらく、工期が短く、完成を優先させたため、防水紙を敷設することを省いたのでしょう。中には屋根の知識が全くないのに工事をしている業者も存在します。
街の屋根やさんでは1つ1つの工程をしっかりと写真に収め、どのような工事を行ったのかをお客様が明確に分かるようにしています。屋根リフォームを行う際には施工をしっかり行ってくれる業者、保証内容もしっかりしており明確な業者をお選びください。リフォーム瑕疵保険への登録業者であること、さらに建設業の許可を取得している業者であれば、信頼できる業者と言えるでしょう。
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