地震大国と呼ばれる日本、湿潤なモンスーン気候に属することから季節によっては多量の雨が降る日本、できるだけ地盤が固くて、洪水などの心配がない地域に住みたいですよね。これから土地を探して一戸建て住宅を建てる、または中古住宅を探してリフォームするなんて方は利便性で選択をしがちですが、前述の安心面も充分に考慮してください。房総で新築や中古物件を検討している方に災害とは無縁の土地を知る方法をアドバイスしたいと思います。
まず地震についてですが、想定される災害は揺れと津波と液状化です。これらについては各自治体や国土交通省のホームページに掲載されていますので、簡単に確認することができます。地震による火災ですが、これも自治体によっては防火地域などでホームページに掲載されています。また、ご近所との距離などは目視でも確認可能です。洪水による浸水想定地域や土砂災害も自治体ホームページで確認可能です。
その土地が各種災害に強いかどうかは自治体の情報でほぼ充分なのですが、万全を期すためには古地図も確認しておきましょう。古地図はその地域の図書館などに補完されていますから、ぜひ活用してください。古地図で確認するのは地形と地名です。地形では川の流れが変えられていないか、池や沼、湖などが埋められたり、干拓されていないかを確認しましょう。古地図と現在の地形が合致しない場合、そういったことが行われた可能性が高く、そのような土地はやはり液状化が起こりやすいと考えられます。地名では過去、恐ろしげな旧名がついていなかったかを確認してください。2014年8月、広島市を襲った土砂災害で一番被害が大きかった安佐南区の八木地区の旧名は「八木蛇落地悪谷」でした。どうやら土砂崩れを蛇が落ちてくると形容していたようです。
房総の丘陵地帯では江戸時代から明治時代にかけて曲がりくねった川を強引にショートカットして旧川部分を水田にするという新田開発が行われていたそうで、その箇所は450箇所以上に上ると言われています。「川廻し」と呼ばれる房総独特の開発だそうで、その開発によって生まれた旧川部分の水田をその由来から「川田」、旧川部分と新川部分の間を「中島」、それらの周りに新しく造られた水田を「新田」と名付けたそうです。恐ろしい名前ではないのですが、そのような地名の場合は他の土地よりも水分を多く含んでいる可能性が高く、液状化しやすい場合があることを覚えておきましょう。